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人の生きのびるかぎり続く気重さ  開成・麻布・駒東・筑駒・慶應への国語  竹西寛子  ━神馬━ 完

 

 

わたしのえさをたべている。その通りであった。少女は、はじめてただの見物人ではなくなっていたことに満足した。くぼみはすぐに空になった。すると神馬は、声もかけられないのに、予定の行動のようにあの見なれた左まわりをはじめたのである。少女は、まるで自分が、お廻り! とさけびでもしたような怖さにうろたえながら母親と顔を見合わせ、その足どりを追った。

 

 

 

 

 

問 「はじめてただの見物人ではなくなっていたことに満足した」とありますが、どのようなことに満足したのですか。

 

 

 

 

 

問 「怖さ」とは、どのような怖さですか。

 

 

 

 

 

その姿を見た少女は、神馬といっしょにいたこれまでのどの時よりも不幸せになっている自分に気づくのであった。

 

 人の生きのびるかぎり続く気重さであり、後ろめたさであろうと気づくのは、まだずっと後のことであった。

 

 

 

 

 

問 「気重さであり、後ろめたさ」とはどのようなものですか。

 

 

 

 

 

 

 

F:武蔵H14(2002年)に竹西寛子の「兵隊宿」、同年成蹊に「兵隊宿」の「蘭」が出てますね。

 

e:「兵隊宿」は川端康成文学賞受賞作品でしょう。最近では灘でも出ましたね。

 

F:「洋館の人達」(H19)でしょ。普段着の生活のひとこまを

 

e:何気なく文章にしてる、って感じですか?

 

F:しかし、被爆体験もあって

 

e:存在意義を問うている?

 

F:人間そのものの在り方といいますか

 

e:深遠さ?

 

F:悲哀?

 

e:この神馬も読み方しだいで

 

F:洛星の問題が好きな理由ですね。

 

e:ここに興味深い資料がありますよ。

 

《東京書籍版教科書ガイド国語総合(現代文編)》あすとろ出版

 

F:高等学校1年国語の

 

e:いわゆるアンチョコ版ですか?

 

F:『神馬』を読み解く!?

 

F:洛星の設問と同じのがありますね。

 

e:ところが、

 

F:解釈が違ってるんでしょ?

 

e:どっちが正しい?

 

F:というより、読みがどちらが゛深い゛がということでしょうか?

 

e:゛神馬゛のとらえかたの違い?

 

F:でしょうね。

 

e:これも、本当のことは

 

F:竹西寛子にきいてみなければ

 

e:わからない?

 

「少女は、まるで自分が、お回り とさけびでもしたような恐さにうろたえながら母親と顔を見合わせ、その足どりを追った。」

 

F:最後の、この一文の゛恐さ゛をどう読むか、でしょうか?

 

e:もちろん、本文全体ででしょ?

 

F:問題文の範囲で、ですね。

 

e:何か、ヒントは?

 

F:ヒントになるかどうか...少女は神馬と何度出会ってますか?

 

e:3度?

 

F:2度目の終わりにと比べると

 

e:3度目になると、

 

F:少女は神馬をずっと身近に感じていることがわかりますね。

 

e:「神馬にもお休みがあっていい」なんて、ね。

 

 

 

 

 

 

 

竹西 寛子たけにしひろこ小説家1929年広島県に生まれる藝術院会員『管弦祭』で女流文学賞掲載作は「海」昭和五十五年(1980)三月号に初出翌年に川端康成文学賞を受ける。

 

 

 

 

 

 

 

まず、私は作者について、非常に端正な言葉を使う人だなと思った。悲劇的な文章でも派手な文章でもなく、ただ普遍的な、一人の少女の成長を的確に描いた文章に好感を持つことが出来た。
 少女が初めて神馬を見た日、二度目に見た時、そして三度目の時。この三回においての感情の変化、自分についての理解がよくあらわされている。人間の命令に無抵抗に従う馬の弱さ、そしてそんな人間の醜さ、その二つの存在に気が付き、また自分自身にもそんな二面性があることを知る。神馬に対しての心通じたという思いも全て自分の思い込みであった、そう気付いた少女の不幸せさ、また後に気付くであろう人生の不条理さは決して話の中だけのことではないなと思った。
 私もこうして自分自身を知っていくのかな、と思わされた。また、前に述べたように作者の日本語の使い方に感動し、他の作品も読みたいと思った。美しいという言葉がよく合う作品だった。ー14歳の軌跡ー竹西寛子『神馬』を読んで-より

 

 

 

 

 

「神馬(じんめ)」
 「神馬」は、かつて大きな神社などに飼われていた白馬のこと。神を乗せる神聖な馬として奉納さえたが、しだいに見世物にされたようである。戦前の読者なら、白馬が天皇の乗馬であったことを想起するだろう。主人公の少女は、神社で神馬を見る。人がえさをやるとき、馬に芸をさせるのを見て悲しくなる。見物人がいないとき、少女ははじめてえさをやる。だが馬は少女が要求もしないのに芸をする。少女はたまらない「不仕合せ」と「後ろめたさ」を感じる。相手にたいする同情が空転し、その思い上がりが痛みとなって自身の身へと振りかかってくることを的確にとらえた作品。

「兵隊宿」
 ひさし少年の家は兵隊宿にされることが多い。彼は絵が好きで、馬の絵をよく描く。戦地に赴く将校らが彼を連れて神社に(最後の)お参りをすることを頼む。ある日、行を共にした彼は、将校らの、死を前にしながらそれをおもてに出さない切実な気持ちを理解したと思う。少年の眼から戦中の日本の姿がくっきりととらえられている。

 

 

 

 

竹西寛子 ━神馬━

 

 

 

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2018年 国語記述 ラストスパート生 限定募集

 

秋は中学入試の合否を決する”天王山”ー秋を制する者は入試を征するーと言われる所以です。

 

 秋は中学入試の『合否』を決する゛天王山゛-秋を制する者は入試を征するといわれる所以です。秋といえば、言わずと知れた徹底した志望校対策に尽きます。と、言っても第2、第3志望校対策も平行して同時進行しなければなりません。その上、最終的な志望校決定の目安になる大手進学塾の合判や学校別合判テスト対策も必要です。しかし、自ら進んでそれらを完璧にやりこなすことはなかなか至難です。だからと言って、塾もそんなにあてにはできません。それらの対策を個人別にはやってくれないからです。秋-最後の追い上げ-ここで、プロチュータの出番です。その効果のほどは絶大です。なぜなら、マン・ツー・マンによる個人対応で上記の対策に対してフォローできるからです。座右の師=プロチュータ-それも、20%の合格可能性を80%にしてしまう゛ミラクルチュータ゛を持つ-これが合格への近道だと断言できます。志望校合格のカギ、それは、徹底した①本命校対策②押さえ校対策③学校別合判対策ができるプロチュータの存在です。キー・ワードは゛一石(師)三鳥(対策)゛!!そして、この秋、ライバルに決定的な差をつけ、゛合格゛の2文字を勝ち取りましょう。

 

 「国語記述」を苦手とする生徒が目立って多くなってきています(朝日新聞平成8年11月10日付)。その理由は今までの進学塾では決定的な学習対策がなされていないからです。
 ご存知のように、ほとんどの進学塾の場合、来る日も来る日も「切り張りプリント」と「テキスト授業」です。これでは本番に通用する受験生が育つわけがないでしょう。
 そのため、最近の入試では特に御三家・筑駒・駒東中では「国語記述」で合否が決まるとさえ言われています。他の教科では差がつかないからです。また、入試問題では「記述式」が多くなって決定的に差がでてしまうからです。
 「国語記述」を伸ばすにはどうすれば良いのでしょうか?
 それは読書・作文だと言われ、それに反対するつもりはありませんが、入試まであと5ヶ月。もっとすべきことがたくさんあるはずです。
 それは、たとえば、開成中なら「論理性と物語の本質」を、麻布・武蔵中なら「物語の本質」を、筑駒・灘中なら「論理性と詩の本質」を徹底的に理解することです。そこから明快な解答が導かれるのです。それを理解した地点で問題を眺めてみると、こんな易しい問題もないことに気づくはずです。
 すると、従来、たとえば御三家の国語は6割とれれば合格点といわれてきましたが、私たちの指導からすれば8~9割以上とれても不思議ではないことになります。
 御三家レベルの入試はどんな生徒も解いてみなければわからない不確定のものですが、国語における、この2~3割アップが『合格』をより確実なものにするでしょう。難関校では、誰しもよくできる算数や他の教科では差がつきません。指導法が、確立しておらず、知識のつめこみが役に立たない国語記述で合否が決まるのです。
 ここでは徹底した発想力・思考力の養成と学校別対策集中指導で他の受験生と国語記述力で決定的な差をつけます。
 国語記述は短期では差がつかないとあきらめている人も多いでしょう。なるほど知識、特に漢字の学習ではそれが言えるかもしれません。しかし、これだけ毎年傾向が同じ入試問題では対策の方法というものが確実にあります。
 それは感受性とか直観力という曖昧な問題ではなく、あくまで科学的に分析できるものであり、考え方と発想の方法を教えることで短期に習得できるものです。それぞれの進学塾が各学校の入試問題に対する模範解答を出していて、それを見ると各進学塾のレベルが手にとるように分かってきます。
 とりわけ、御三家の国語問題に対する「記述解答」には驚かされます。これでは合格できないであろうと思われるようなもの、あるいは、逆に子供が到底書けないような高度なものが堂々と出されています。ここでは、子供が考えられ、書ける。しかも、合格し得るレベルで指導します。

 

 

『開成・麻布・武蔵・駒東・筑駒・慶應・栄光・聖光・灘中への国語』・・・・・・・小6

個人別「オリジナルカリキュラム」に基づき、「カルテノート」「カリキュラムレコード」を作成。万全のフォロー体制。

・開成中への国語記述・・・・・・・・・・・・論説文・物語文の徹底解読と論理と発想力の特訓

・麻布・駒東・武蔵・栄光中への記述・・・物語文の本質の徹底解読と心理分析の特訓

・慶應普・中・藤沢・聖光中への国語・・・論説文・物語文と随筆文の徹底解読と語彙力・文法の特訓

・筑駒・灘中への国語記述・・・・・・・・論説文・随筆文・物語文・詩の徹底解読と論理的思考力の特訓

・櫻蔭中への国語記述・・・・・・・・論説文・随筆文の徹底解読と論理的思考力の特訓

[募 集]・・・若干名 [入会金]・・・10000円 
[期 間]・・・2019年1月末日
[1時間]・・・10000円(教材費・交通費込)  
[教 材]・・・『実物大過去問題(平成元年~30年)・2019年予想問題』  

 

 

・開成・麻布・武蔵・駒東・筑駒・慶應・栄光・聖光・灘・櫻蔭中への国語(基礎)・・・・・・・・小5

[募 集]・・・若干名 [入会金] ・・・10000円 
[期 間]・・・2020年1月末日
[1時間]・・・7500円(教材費・交通費込)  
[教 材]・・・『学校別記述秋期オリジナルテキスト(基礎)』

 ここでは、読解問題を一律にする指導から脱却し、国語学習の理想環境を設定して、あらゆる教科の基礎である語彙力や考える力そのものの向上を目指すとともに開成・麻布・武蔵・駒東・慶應・筑駒・灘中「合格」に必要な「国語基礎力」を養成します。
 総合的な「受験国語力」をじっくり熟成する上記校受験のための個人指導です。
 「読解、記述指導」と「文章をまとめる力」の徹底指導を行い、本物の「受験国語」とあらゆることの基礎である「言葉で考える力」と「語彙力」を根本的に養成します。

 

 

※ご指導までのプロセス
  
①お電話でお問い合わせ下さい。ご面談の日時を決定します。
②ご面談(御父母とお子様)
③ご入会のご検討
④ご入会時に指導曜日・時間を決定します。
⑤「指導契約書」の作成
⑥指導開始

 

 

30周年記念特典 入会金無料【お問い合わせ・お申し込み先】感性の知性化を追求する創造的言語グループ
実績 SINCE 1987  信頼
expert FORUM (エキパート フォーラム)
eF 恵比寿本部

℡ 090-1732-9873(代表直通)

代表: Pro-Tutor 福田浩

 E-mail expertforum1987@mail.goo.ne.jp

・〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西2-2-6
・受付:平日午前9時~午後10時
・時間外は留守電またはメールにてメッセージを承ります。

※どうぞお気軽にお電話またはメールを下さい。スタッフ一同お待ちしております。

ー過去問国語『満点』を目指す

 

 

 <過去並びに現在指導中の私立・国立小学校>

       ー指導人数が多い順にー

精華、国立学園、聖徳学園、淑徳、宝仙、日出〔市川〕、聖徳大附属、成蹊、玉川学園、桐朋、立教、学習院、慶應幼稚舎、青山初等部、光塩、成城学園、暁星、早実、星美、田園調布雙葉、白百合、小野学園、文教大附属、作新学院、聖学院 川村、国立音大附属、洗足学園、東横学園、千葉日本大附属、御茶ノ水附属、筑波大附属、学芸大竹早、学芸大小金井、学芸大世田谷、横浜国立大附属、埼玉大附属、山形大附属

 

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