開成・麻布・駒東・筑駒・慶應への国語 竹西寛子 ━神馬━ 3
格子のすきまに白い顔がもどった時、中年の男は、今度は男の児をだき上げて麦を移させた。馬は形よく開いた耳をぴくぴくさせながら、頸を深くかたむけて石の台に顔を寄せてきた。額から鼻すじにかけての毛が、風に吹き分けられたすすきの穂波のように、きれいに左右に分けられている。少女は、この馬も、時には風を突いて広い草原をかけたいだろうにと思った。以前写真で見た、明け方の草原を勢いよくかけて行く一群の馬の遠い影のような姿は、少女にはいつのまにかもう、写真と実際との区別がつかないものになっていた。
問 「風に吹き分けられたすすきの穂波のように」という表現は、どんな役割を果たしていますか。
問 「写真と実際との区別がつかないものになっていた」のはどうしてですか。
ようやく麦を食べ終わったころ、待ちかねたように男がまたさけんだ。神馬はいったん顔を起こすと、たてがみのもつれている頸をしっかり立てたまま、いくどか頸を左右にふった。それから目をふせた。しかし、男がいま一度、前よりも大きな声でさけぶと、もう頸はふらず、そのまま頸を落として、前と同じ方向にまわりはじめた。
幼女が新しい人参をせがみ、男の児が次の麦を求めた。よし、よし。いくらでも買ってやるぞ。赤ら顔の男は、皿の数に生きがいを感じているらしかった。子供の声のはずみに、父親の実感をかみしめているらしかった。
問 「父親の実感」とは、どのような気持ちですか。
e:大昔、関西で出た問題が
F:5年後にこっちで出るなんて、言われた時期もありました。
e:最近はどうなんですか?
F:どうなんでしょう?
e:昔は関西の学校も本屋さんで買えたんですけどね。
F:今は『灘』『ラサール』くらいかな?
e:あとはネットで購入?すると、Mのあれは貴重な存在になった?
F:4年から買ってる方もいますよ。
e:じゃあ、3年分!?
F:そうですね。で、毎年、分析してますね。
e:四教科?
F:もちろん!
e:Yの『四科のまとめ』?
F:昔は良かった?
e:モノクロの時代の?
竹西寛子 ━神馬━
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