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2009年7月

開成中 岩崎京子 『花咲か』

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開成中 岩崎京子 『花咲か』 無口でぐずな常七が、花や樹木を愛し育てた職人ばなし 江戸時代の駒込を舞台に、少年常七が植木屋に奉公をはじめてから、一人前の植木職人になるまでを描いた長編作品。史実と虚構をとりまぜて、江戸庶民の生活を情緒豊かに語るとともに、自然をいつくしむ少年のナイーブな心情を描いた歴史物語である。  顔を洗いに出ていくと、井戸でさよがぞうきんをゆすいでいた。青梅じまのあわせのすそから、やせこけた足が、赤いというよりむらさきになっていた。 「つめてえだろうな。」 と常七はさよが気のどくになった。井戸っぱたは、一日じゅう、日が当たらないから寒い。 「なにやってんだ。おさよちゃん、おめえ、きょうは休みじゃねえかよ。」 さよは、ぞうきんをゆすぐ手をとめたが、ふり向かなかった。 「おかみさんが言いつけたのかい。ばっかだなあ、休みだって言やあいいのによ。やぶいりだって……」 「あたいにやぶいりなんてない。」  さよがとつぜんしゃくりあげたので、常七はあわてた。守りっ子を泣かせたといわれては、めんどうになる。 「どうしたんだよ、おめえ。おいら、なにかわりいこと言ったかい。ただおさよちゃんがやぶいりなのに働いているからよう。」 「あたいには休みないんだって。」 「そ、そんなことねえだろう。」   さよの家は板橋の農家であった。口べらしのために、茂治の子守りとして奉公にきているのである。十三才といっているけど、とてもそうは見えなかった。せいぜい十ぐらい、お千花のほうがずっと年かさに見える。それがふとって重そうな茂治を一日じゅうせおい、茂治がねて、せなかからはがれると、ぞうきんを持ってはいまわらせられたり、せんたくをさせられていた。  常七は、いつも目を赤くはらしているさよから目をそむけていた。年以上に働かされているのを見るのが、つらかったからだ。なんど。ぞうきんをひったくって、かわりにふいてやりたかったことだろう。自分だけならがまんもできるが、あとでさよが倍も働かされることになりかねない。  「待ってな。」  常七はいそいで、中二階の自分たちのへやに帰ると、ふろしきの底にかくしておいたこづかいのうちから、五文……、ちょっと考えてから、もう五文、つかみだした。  「さよちゃん、これ、おれがためた分だ。これでどっかで買い食いしなよ。」  さよはまっかになった手にのせられたおかねをしばらく見つめていた。 「しまいなよ。ひとに見つかったら、またなんか言われるじゃねえか。」  さよは常七の顔を見あげた。みるみる目がふくれ、なみだがこぼれた。 問 「みるみる目がふくれ、なみだがこぼれた」とありますが、なぜですか。 e: F: e: F: e: F:  それを見ると、常七のほうがつらくなって、「いいってことよ。」 と、いそいではなれた。  二月の中ごろのある日、使いにだされたさよが、夕がたになっても帰ってこなかった。夕食のしたくをひとりでしなければならなかったおかみさんは、ぷりぷりおこるし、ほっておかれた茂治は、台所のゆかいたの上にひっくりkかえって泣きわめいていた。 「まったく、どこをほっつき歩いているのかねえ、このいそがしいのに。」 「どこに使いにだしたんだ。」  台所をのぞいた親方が言った。 「王子だよ。」 「王子?なんの用だい、王子なんかに。」 「なんだっていいじゃないか。あたしゃ、お千花の花見の着物をぬってもらっているのさ。それを取りにやったんだよ。」 「また、ないしょでこそこそ作りやがって……。まあ、そいつはいいやな。いつごろでたんだ。」 「おひるすまして、じきだったよ。」 「王子っていやあ、一里ちょっとの道のりだ。どんなにゆっくり謂ったってとっくにけえってる時分だ。」 「王子って、キツネの本場じゃないか。おっかさん、ばかされたんだよ。」  お千花も出てきて言った。それまで目をつりあげ、赤くなっておこっていたおかみさんのほおが、はじめてさめた。 「神かくしだったら、どうする。」 「……」 「さらわれたかもしれない。」 問 お千花が「神かくしだったらどうする。」と言い、重ねて「さらわれたかもしれない。」と言ったことから、お千花のどういう気持ちが考えられますか。 e: F: e: F: e: F:  「いいかげんにしておくれ。お千花はいやなほうにばっか考えるんだから。ねえ、店のもんにさがしに行ってもらっておくれな。ねえ、おまえさん。」  そこで、店の者は三つにわかれてさがしに出ることになった。親方は喜三次を手まねきして、小声で言った。 「もしかすると、うちへけえってるかもしんねえ。すまねえが板橋をのぞいてくれ。うちの者をおどかしちゃいけねえぞ。ことばに気をつけてな。」 問 「(さよが)うちへけえってるかもしんねえ。」と親方が言ったとき、親方はどう考えていたのでしょうか。 e: F: e: F: e: F:  正造は、さよが行って、帰ってくるはずの王子道を、常七はぬけ道の三太郎山のすそをわり当てられた。 「さよちゃーん、さよちゃーん。」  常七は、ほとんどかけるようにして、畑をぬけ、雑木林をぬけ、小さな川をとびこしていった。  ふと、林のおくで赤いものがちらっと動いたような気がした。ほとんどあたりは暮れて、うすむらさきのもやが低くはいだしていたが、一か所だけ西にひらけて、夕日をまともに受けているところがある。そこでまた、ちらっと赤いものが動いた。 「野火かな。」 常七はめをこらした。なんと、それがさよであった。さよは仕立て物のふろしきをほどいて、お千花の着物に手をとおし、ふりそでを胸にあ            、、 わせたり、ふったりして、しなを作っていた。声をかけようとして、常七はやめた。 問 「声をかけようとして、常七はやめた」のはなぜですか。  さよはこれまでいちども赤いものなんか着たことはなかったろう。これからだって着られるかどうか…。しばらく、ああやって着せておいてやろう。  やがて、さよはふりそでをぬぐと、たたんでいるらしかった。ひざをついているので見えなくなったが……。常七はすこしあともどりしてから、 「さよちゃーん、さよちゃーん。」 と呼んだ。林のなかからは顔を赤らめながらさよがとびだしてきた。  この日のことは、さよがキツネにばかされ、林のなかをぐるぐるまわっていたということになって、決着がついた。 問 「決着がついた」というのは、この場合どういうことですか。 岩崎 京子(いわさき きょうこ、1922年10月26日 - )は、日本の児童文学作家。来歴・人物東京生まれ。恵泉女学園高等部卒。短編「さぎ」で日本児童文学者協会新人賞を受賞。1970年、『鯉のいる村』で野間児童文芸賞、芸術選奨文部大臣賞受賞、1974年、『花咲か』で日本児童文学者協会賞を受賞。80歳を超え、児童文学界の大御所の一人である。

)感性の知性化を追求する創造的言語グループSINCE 1987 NET TUTORexpertFORUM (エキパートフォーラム)eF恵比寿本部℡ 090-1732-9873(代表直通)  代表: プロチューター 福田浩  E-mail expertforum1987@mail.goo.ne.jp   携帯mail text10doucoi1@softbank.ne.jp  携帯HP http://k.fc2.com/cgi-bin/hp.cgi/expertforum1987 ・東京都渋谷区恵比寿西2-2-6 ・平日土日午前9時~午後10時どうぞお気軽にお電話またはメールを下さい。  すべては『三教科合格』のためにー過去問国語『満点』を目指す!!

 秋は中学入試の『合否』を決する゛天王山゛-秋を制する者は入試を征するといわれる所以です。秋といえば、言わずと知れた徹底した志望校対策に尽きます。と、言っても第2、第3志望校対策も平行して同時進行しなければなりません。その上、最終的な志望校決定の目安になる大手進学塾の合判や学校別合判テスト対策も必要です。しかし、自ら進んでそれらを完璧にやりこなすことはなかなか至難です。だからと言って、塾もそんなにあてにはできません。それらの対策を個人別にはやってくれないからです。秋-最後の追い上げ-ここで、プロチュータの出番です。その効果のほどは絶大です。なぜなら、マン・ツー・マンによる個人対応で上記の対策に対してフォローできるからです。座右の師=プロチュータ-それも、20%の合格可能性を80%にしてしまう゛ミラクルチュータ゛を持つ-これが合格への近道だと断言できます。志望校合格のカギ、それは、徹底した①本命校対策②押さえ校対策③学校別合判対策ができるプロチュータの存在です。キー・ワードは゛一石(師)三鳥(対策)゛!!そして、この秋、ライバルに決定的な差をつけ、゛合格゛の2文字を勝ち取りましょう。  「国語記述」を苦手とする生徒が目立って多くなってきています(朝日新聞平成8年11月10日付)。その理由は今までの進学塾では決定的な学習対策がなされていないからです。 ご存知のように、ほとんどの進学塾の場合、来る日も来る日も「切り張りプリント」と「テキスト授業」です。これでは本番に通用する受験生が育つわけがないでしょう。 そのため、最近の入試では特に御三家・筑駒・駒東中では「国語記述」で合否が決まるとさえ言われています。他の教科では差がつかないからです。また、入試問題では「記述式」が多くなって決定的に差がでてしまうからです。 「国語記述」を伸ばすにはどうすれば良いのでしょうか? それは読書・作文だと言われ、それに反対するつもりはありませんが、入試まであと5か月。もっとすべきことがたくさんあるはずです。 それは、たとえば、開成中なら「論理性と物語の本質」を、麻布・武蔵中なら「物語の本質」を、筑駒・灘中なら「論理性と詩の本質」を徹底的に理解することです。そこから明快な解答が導かれるのです。それを理解した地点で問題を眺めてみると、こんな易しい問題もないことに気づくはずです。 すると、従来、たとえば御三家の国語は6割とれれば合格点といわれてきましたが、私たちの指導からすれば8~9割以上とれても不思議ではないことになります。 御三家レベルの入試はどんな生徒も解いてみなければわからない不確定のものですが、国語における、この2~3割アップが『合格』をより確実なものにするでしょう。難関校では、誰しもよくできる算数や他の教科では差がつきません。指導法が、確立しておらず、知識のつめこみが役に立たない国語記述で合否が決まるのです。 ここでは徹底した発想力・思考力の養成と学校別対策集中指導で他の受験生と国語記述力で決定的な差をつけます。 国語記述は短期では差がつかないとあきらめている人も多いでしょう。なるほど知識、特に漢字の学習ではそれが言えるかもしれません。しかし、これだけ毎年傾向が同じ入試問題では対策の方法というものが確実にあります。 それは感受性とか直観力という曖昧な問題ではなく、あくまで科学的に分析できるものであり、考え方と発想の方法を教えることで短期に習得できるものです。それぞれの進学塾が各学校の入試問題に対する模範解答を出していて、それを見ると各進学塾のレベルが手にとるように分かってきます。 とりわけ、御三家の国語問題に対する「記述解答」には驚かされます。これでは合格できないであろうと思われるようなもの、あるいは、逆に子供が到底書けないような高度なものが堂々と出されています。ここでは、子供が考えられ、書ける。しかも、合格し得るレベルで指導します。

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;国語専科-『夏をどう過ごす?』-中学受験家庭教師

<strong>国語専科-『脱皮』-中学受験家庭教師</strong>

メールでの質問-「夏をどう過ごせばよいのでしょうか?」

e:初めて受験される方は悩まれるでしょうね。

F:「夏は『合否』を決する天王山」なんて言われますから。

e:「夏を制する者は」

F:「入試も征する」ですからね。

e:確かに、『合格体験記』を読むと゛夏、がんばったから゛

F:『合判』で合格可能性が低くても

e:「合格できた」なんて書かれてますね。

F:逆に、夏にもっとがんばっておけば...

e:夏は゛基礎固め゛と同時に”苦手克服”

F:゛弱点補強゛。と言っても、これも基礎固めの一つとも考えられます。

e:そして、最大のヤマ場は

F:もちろん、『過去問』の攻略!

e:また最大の難所でもある訳ですね。

F:゛基礎固め゛で

e:あるいは゛弱点補強゛で

F:『過去問』がすんなりと、解けるようになる

e:ていうわけには、直ちにいきません。計算力が備わったからと言って

F:知識力が具備されたからと言って、

e:それらは大事な要件ですけど

F:『過去問』攻略に゛直結゛するとは限りません。

e:計算力といい、知識力といい

F:縁の下の力持ち的な要素ですからね。

e:所詮、゛土台゛の役目にすぎません。

F:それも絶対不可欠のものに違いありませんが

e:それだけでは゛入試゛は突破できません。

F:御三家レベルでは、ですね。

e:そんなことは百も承知でしょうが

F:じゃあ、塾の夏期講習で

e:土台から゛上゛のものをしっかり構築してくれるかという保証は

F:ないのが現状でしょうね。

e:しっかり構築してくれれば

F:全員『合格』でしょう。

e:夏は゛天王山゛ですからね。

F:塾の夏期講習が゛夏を征してくれた゛わけですから。

e:集団授業の宿命は

F:2・6・2の法則があてはまる可能性が高いですね。

e:どんなクラスでも

F:問題は゛6゛の中に入るお子さんにとっては

e:まさに夏=天王山

F:おそらく、6の中の゛2゛

e:が『合格』のパスポートを手に入れるんでしょう。

F:゛脱皮゛は誰の助けも借りずに

e:自分の力で

F:自分の力だけを信じて

e:命懸けで行う行為ですよね。

F:一回り大きくなるための゛試練゛ですね。

e:本来なら、親の手助けも

F:塾や家庭教師の手助けもあてにしないで

e:゛脱皮゛しなければならないんですね。『岳』のように。

F:最後は自分を゛信じて゛やり抜くことが大事でしょう。

e:結果を気にせずに。

椎名誠 「続・岳物語」 麻布中 昭和62年

-夏は少年にとって大きな脱皮の季節なのだろう。ひと

夏を過ぎると、少年はまたひとつ変わっていくのだ。ー

e:ところが、父親は゛鈍感゛なもんだから、

F:゛声変わり゛も気がつかない?

e:普段、接していませんからね。

F:だから、気がつきそうなもんですけど、

e:男はあまり、そういうことに無関心じゃないですか

ね。

F:気にしないんでしょうか?

e:母親に言われてみて、初めて気がつく!

「おれにバリカンでやられるのがいやだっていうわけ

か?」

「別におとうにやられるからいやだというわけではな

く、こうやって、突然おとうのきまぐれで、かってに風

呂場に連れてこられて、それで、好きなように、おとう

の好きなように、どんどん、刈られていく、っていうの

が、ぼくはいやなんだ・・・・・・」

それにしても岳の言っていることはなかなかに説得力が

あった。

e:断髪の場面?理路整然と言ってるところが、゛大人

びてきている゛?

F:断髪ね。岳にとってはそういう感じでしょうか?

e:論理的?理屈っぽいところが

F:大人の証?

e:そういうのを聞くのが大人の父親はイヤなんでしょ

う?

F:゛男の意志゛がでてきて、生意気だと?

e:いつまでも、無邪気であどけなさ

F:子供っぽさを

e:親は求めるんでしょうが

F:いつまでたっても、従順で素直だったら

e:逆に怖い?

F:成長していないんじゃないかと?

e:親としては゛扱いやすいいい子゛かもしれません

が。

F:反抗し過ぎるのも問題でしょうが

e:チェ・ゲバラのように?

F:゛われ、反抗す!

e:ゆえに、われあり゛ですか!

「やっぱりなあ、だんだん反抗的になってきているよ」

「反抗、とかいうのではなくて彼の自立、というような

ものじゃないかしらね。オ

トコの自立期になってきているのよ」

「そうか、自立期か・・・・・・」

e:゛四足歩行゛から゛二足歩行゛になったという感じ

でしょうかね。

F:視界が拡がれば、生存のために

e:お利口(=自立)にならなければ生きていけない?

F:その過程で゛反抗゛は必要不可決かもですね。

反抗ではなくて自立、というふうに理解すると私はすこ

しやわらかい気持ちになった。そうか、そういうことな

のかもしれないな、と私はコーヒーをすっかり飲み干し

てから一人でうなずいた。

頭のことで岳とすこし言い争ってから二週間ほどたった

ころ、また私は岳とぶつかった。

e:「そうか、自立期か」て頷いたんでしょう!

F:まだ、よく解っていない?

e:自立してくると゛自己主張゛も激しくなる?

F:自己主張が自立の芽生えでしょうね。

e:自己主張は本人がもうこれ以上主張できないという

ところまで

F:主張させて、゛ガス抜き゛をさせた方がいいんで

す。

e:しゃべり疲れるまでね。

F:結局、この場面では父親が

e:椎名誠がですね。

F:岳を゛信じなかった゛ところに

e:根本的な口争いの原因があったということでしょ

う。

「かってにおれの部屋の窓をあけるなよ」

「なんだと、生意気なことを言うな。おまえはシンナー

を何に使ったんだ!」

「なんにも使っていないよ。どうして信じないんだ」

「なんにも使ってなくてこんな臭いがするわけがないだ

ろう!」

「どうしてそうやって決めつけるんだ。ぼくは何もしら

ないんだよ。そんなことするわけがないだろう!」

e:父親も自分が子供時代の時に

F:相当、゛悪さ゛をした?

e:だから、わが息子も?

F:その時、父親からなんて言われた?

e:なんて、すっかり忘れているんでしょう。

F:自分を信じない父親に

e:幻滅した記憶とかは必ず、悪ガキとか

F:がき大将だったら

e:あるはずですよね?

F:少しでも、自分の子供の頃のことを思い出していれ

e:゛思い違い゛も

F:゛誤解゛も生じなかったかも、ですね。

e:最後の方で、「思いがけないほどのそれぞれの思い

ちがいがあった」なんて言

ってますが

F:さて、それぞれの゛思いちがい゛とはなんでしょ

う?

e:岳の無言の抗議

F:父親の正当性の主張

e:それぞれ、誤解の解消のため?

F:自分のことばを信じようとしない父親に対し、実力

行使に出て

e:また、父親は本当にシンナーの臭いがしていたこと

を分からせたい

F:岳を疑ったわけではないと

e:今までは父親に素直だった

F:今度は゛自分゛に素直に。自立への旅立ち。

瞬間接着剤がつぶれて中の内容物が釣りの雑誌の上にほ

とんど流れ出ているのが見えた。私はそれを片手で持ち

あげ、岳に見せようとした。しかし岳はもう私の方を見

ようとしなかった。

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ー過去問データベースー算数・国語・理科・社会</strong>

開成中学昭和49年~平成21年
麻布中学昭和49年~平成21年
武蔵中学昭和49年~平成21年
駒東中学昭和51年~平成21年
筑駒中学昭和51年~平成21年
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神戸女学院中学昭和51年~昭和63年
ラ・サール中学昭和51年~昭和63年
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女子学院中学昭和51年~平成21年
双葉中学昭和51年~平成21年
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晃華学園中学昭和51年~平成12年

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 <過去並びに現在指導中の私立・国立小学校>

       ー指導人数が多い順にー

国立学園、精華、慶應幼稚舎、学習院、立教、
御茶ノ水附属、筑波大附属、学芸大竹早、学芸大小金井、学芸大世田谷、横浜国立大附属、埼玉大附属、山形大附属、
白百合、光塩、成城学園、田園調布双葉、暁星、成蹊、桐朋、星美、玉川学園、聖学院
国立音大附属、洗足学園、聖徳学園、聖徳大附属、小野学園、東横学園、淑徳、宝仙、文教大附属、千葉日本大附属、作新学院

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駒場東邦中  ターヒューン  『名犬ラッド』

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  ターヒューン 『名犬ラッド』

『名犬ラッド』は、作者であるターヒューンが実際に飼っていた犬の話である。

 レイディが「邸」につれて来られたのは、三年前、ラッドが成犬になったばかりのころだった。
 ラッドの主人の外套のポケットに、丸まって入れられて来たレイディは、おとなになりかけの猫くらいしかない、ふわふわした、やわらかい、うすこがね色の毛のかたまりだった。

 ラッドの主人が、ポケットの底をさぐり、生後一か月の子犬をとり出して、ヴェランダの床においたとき、子犬は、ぐしゃりとつぶれたようにはらばって、ブルブルふるえながらキャンキャンないた。

 ラッドは用心ぶかくヴェランダの上を近づいてゆき、目をシバシバしながら、この巨大な歓迎者を見あげて、雄々しくも挑戦のうなり声を立てようとしているチビ犬のにおいをかいだ。
 そして、はじめて見たこの瞬間から、ラッドは、レイディの保護者になった。

 はじめ、それは、りっぱな人間や純血種の動物がみな同じように持っている。弱い者をまもろうとする、自然の本能だった。けれども、そのぶかっこうな黄色い赤ん坊が、すらりとした優美な一頭のコリーに成長してゆくにつれ、ラッドの親心は、強い賛美の気もちに変わり、ラッドは、レイディの生涯そのどれいとなった。

 問 「ラッドは、レイディの生涯そのどれいとなった」とありますが、具体的にはどういうことですか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 ところが、レイディはなさけようしゃなく、また、はずかしげもなく、ラッドを気ままにあやつり、炉ばたの一ばんあたたかい場所から追い立てたり、いっしょに食事をする時、ずうずうしく、おまけにすまして、ラッドの口から一ばん上等の骨をひったくり、暑い夏の日、ラッドが湖のふちのすずしい木かげで昼寝をしたくてたまらないような時、むりにおどかして、この威厳のある大きな犬に、芝生をとびまわるめいわくしごくなお相手をさせた。

 レイディの気まぐれや、いじわるや、ときどき破裂させる小さなかんしゃくを、ラッドは、ただおとなしくがまんしたばかりではなく、ありがたく、それをお受けした。ラッドの目には、レイディのすることなすことが、みな完全に見えた。

問 「みな完全に見えた」のはなぜですか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 しかも、レイディは、さもお恵みでもほどこすように、ラッドに自分をあがめさせたのである。というのは、この犬は、おどろくほど人間に似ているところがあったからだ。百代も代を重ねている純血種の系統から生まれたラッドの方は、人間のように身勝手なところが少なくて、ずっと公平だったが。

 二匹の犬にとって、「邸」のすばらしく、楽しいものだった。つれだって、茂った森の中を歩きまわったり、リスを追いかけたり、ウサギの足あとをつけたりした。リスにくらべれば、ウサギを追いつめることは、やさしかった。そして、そういうごちそうを食べる時になると、大部分をたいらげてしまうのは、いつもレイディだった。

 「邸」には、氷のような冷たい水をたたえた湖があって、七月のあつさと砂ぼこりの中をかけまわったあとで、とびこんで泳いだり、ころげまわったりすることができた。また、家族の居間の暖炉の前には、こたえられないほど気もちのよいじゅうたんがあって、冬の夜、外で風が葉の落ちたこずえを鳴らし、雪がカリカリと窓ガラスをひっかくような時、肩と肩とをくっつけあって寝ることもできた。

 しかし、二匹の犬にとって何にもましてすばらしかったのは、そこにご主人とおくさん---ことに、おくさん---がいることだった。
 だれでも、犬を買う金さえあれば、犬の持ち主にはなることができる。けれども、いくら金をだし、食物を与え、犬をならすことがじょうずでも、犬の同意がなければ、犬の主人にはなれない。犬が、一度、無条件に主人と仰いだ人間は、永久にその犬のあがめる神となるのである。

問 「だれでも、……神となるのである」とありますが、これはどのようなことを言おうとしているのですか。 

e:

F:

e:

F:

e:

F:

問 「ラッド」・「レイディ」はそれぞれどのような性質の犬ですか。

)






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駒場東邦中  芥川龍之介  『クリスマス』

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芥川龍之介 「クリスマス」

--------------クリスマス

 昨年のクリスマスの午後、堀川保吉は須田町の角から新橋行の乗合自働車に乗った。彼の席だけはあったものの、自働車の中は不相変身動きさえ出来ぬ満員である。のみならず震災後の東京の道路は自働車を躍らすことも一通りではない。保吉はきょうもふだんの通り、ポケットに入れてある本を出した。が、鍛冶町へも来ないうちにとうとう読書だけは断念した。この中でも本を読もうと云うのは奇蹟を行うのと同じことである。奇蹟は彼の職業ではない。美しい円光を頂いた昔の西洋の聖者なるものの、――いや、彼の隣りにいるカトリック教の宣教師は目前に奇蹟を行っている。
 宣教師は何ごとも忘れたように小さい横文字の本を読みつづけている。年はもう五十を越しているのであろう、鉄縁のパンス・ネエをかけた、鶏のように顔の赤い、短い頬鬚のある仏蘭西人である。保吉は横目を使いながら、ちょっとその本を覗きこんだ、Essai sur les ……あとは何だか判然しない。しかし内容はともかくも、紙の黄ばんだ、活字の細かい、とうてい新聞を読むようには読めそうもない代物である。
 保吉はこの宣教師に軽い敵意を感じたまま、ぼんやり空想に耽り出した。――大勢の小天使は宣教師のまわりに読書の平安を護っている。勿論異教徒たる乗客の中には一人も小天使の見えるものはいない。しかし五六人の小天使は鍔の広い帽子の上に、逆立ちをしたり宙返りをしたり、いろいろの曲芸を演じている。と思うと肩の上へ目白押しに並んだ五六人も乗客の顔を見廻しながら、天国の常談を云い合っている。おや、一人の小天使は耳の穴の中から顔を出した。そう云えば鼻柱の上にも一人、得意そうにパンス・ネエに跨っている。……

 自働車の止まったのは大伝馬町である。同時に乗客は三・四人、一度に自働車を降りはじめた。宣教師はいつか本を膝に、きょろきょろ窓の外を眺めている。すると乗客の降り終るが早いか、十一・二の少女が一人、まっ先に自働車へはいって来た。褪紅色の洋服に空色の帽子を阿弥陀にかぶった、妙に生意気らしい少女である。少女は自働車のまん中にある真鍮の柱につかまったまま、両側の席を見まわした。が、生憎どちら側にも空いている席は一つもない。

 「お嬢さん。ここへおかけなさい。」

 宣教師は太い腰を起した。言葉はいかにも手に入った、心もち鼻へかかる日本語である。

 「ありがとう。」

 少女は宣教師と入れ違いに保吉の隣りへ腰をかけた。そのまた「ありがとう」も顔のように小ましゃくれた抑揚に富んでいる。保吉は思わず顔をしかめた。

問 「顔をしかめた」のはなぜですか。

e: 随分、昔に『駒場東邦中』で出たでしょ?
F: 30年以上も前ですね。

e: 沖縄返還の後くらい?

F: 第一次石油危機の後ですかね……

e: 当時、ヴィアトール洛星でも芥川の作品が出てましたね?『煙草と悪魔』?『悪魔と煙草』?

F: 順序からすると『悪魔』が先で『煙草』が後でしょう。ところが、そこは芥川……

e: !?なのか?!なのか

F: 感謝感激なのか?感激感謝なのか?

e: 『煙草と悪魔』は過去ログ参照ですか?

F: 2008年の4月と8月に取り上げています。

由来子供は---殊に少女は二千年前の今月今日、ベツレヘムに生まれた赤児のように清浄無垢のものと信じられている。しかし彼の経験によれば、子供でも悪党でない訣ではない。それをことごとく神聖がるのは世界に遍満したセンティメンタリズムである。

 「お嬢さんはおいくつですか?」

 宣教師は微笑を含んだ眼に少女の顔を覗きこんだ。少女はもう膝の上に毛糸の玉を転がしたなり、さも一かど編めるように二本の編み棒を動かしている。それが眼は油断なしに編み棒の先を追いながら、ほとんど媚を帯びた返事をした。

 「あたし?あたしは来年十二。」

 「きょうはどちらへいらっしゃるのですか?」
 「きょう?きょうはもう家へ帰る所なの。」

 自働車はこう云う問答の間に銀座の通りを走っている。走っていると云うよりは跳ねていると云うのかも知れない。ちょうど昔ガリラヤの湖にあらしを迎えたクリストの船にも伯仲するかと思うくらいである。宣教師は後ろへまわした手に真鍮の柱をつかんだまま、何度も自働車の天井へ背の高い頭をぶつけそうになった。しかし一身の安危などは上帝の意志に任せてあるのか、やはり微笑を浮かべながら、少女との問答をつづけている。

「きょうは何日(なんにち)だか御存知ですか?」

「十二月二十五日でしょう。」

「ええ、十二月二十五日です。十二月二十五日は何の日ですか? お嬢さん、あなたは御存知ですか?」

 保吉はもう一度顔をしかめた。宣教師は巧みにクリスト教の伝道へ移るのに違いない。

問 「顔をしかめた」のはなぜですか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

コオランと共に剣を執ったマホメット教の伝道はまだしも剣を執った所に人間同士の尊敬なり情熱なりを示している。が、クリスト教の伝道は全然相手を尊重しない。あたかも隣りに店を出した洋服屋の存在を教えるように慇懃に神を教えるのである。あるいはそれでも知らぬ顔をすると、今度は外国語の授業料の代りに信仰を売ることを勧めるのである。殊に少年や少女などに画本や玩具を与える傍ら、ひそかに彼等の魂を天国へ誘拐しようとするのは当然犯罪と呼ばれなければならぬ。保吉の隣りにいる少女も、――しかし少女は不相変編みものの手を動かしながら、落ち着き払った返事をした。

「ええ、それは知っているわ。」

「ではきょうは何の日ですか? 御存知ならば云って御覧なさい。」

 少女はやっと宣教師の顔へみずみずしい黒眼勝ちの眼を注いだ。

「きょうはあたしのお誕生日。」

 保吉は思わず少女を見つめた。少女はもう大真面目に編み棒の先へ目をやっていた。しかしその顔はどう云うものか、前に思ったほど生意気ではない。いや、むしろ可愛い中にも智慧の光りの遍照した、幼いマリアにも劣らぬ顔である。保吉はいつか彼自身の微笑しているのを発見した。

問 「保吉はいつか彼自身の微笑しているのを発見した」とありますが、これはどういうことですか。

「きょうはあなたのお誕生日!」

 宣教師は突然笑い出した。この仏蘭西人の笑う様子はちょうど人の好いお伽噺の中の大男か何かの笑うようである。少女は今度はけげんそうに宣教師の顔へ目を挙げた。これは少女ばかりではない。鼻の先にいる保吉を始め、両側の男女の乗客はたいてい宣教師へ目をあつめた。ただ彼等の目にあるものは疑惑でもなければ好奇心でもない。いずれも宣教師の哄笑の意味をはっきり理解した頬笑みである。

「お嬢さん。あなたは好い日にお生まれなさいましたね。きょうはこの上もないお誕生日です。世界中のお祝いするお誕生日です。あなたは今に、――あなたの大人になった時にはですね、あなたはきっと……」

 宣教師は言葉につかえたまま、自働車の中を見廻した。同時に保吉と眼を合わせた。宣教師の眼はパンス・ネエの奥に笑い涙をかがやかせている。保吉はその幸福に満ちた鼠色の眼の中にあらゆるクリスマスの美しさを感じた。

問 「宣教師は言葉につかえたまま、自働車の中を見廻した」とありますが、この時、なぜ「宣教師」は「言葉につかえた」のですか。

問 保吉が宣教師の目の中に「あらゆるクリスマスの美しさを感じた」のはなぜですか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 少女は――少女もやっと宣教師の笑い出した理由に気のついたのであろう、今は多少拗ねたようにわざと足などをぶらつかせている。

問 少女が「多少拗ねたようにわざと足などをぶらつかせている」とありますが、この時の「少女」の気持ちを答えなさい。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

「あなたはきっと賢い奥さんに――優しいお母さんにおなりなさるでしょう。ではお嬢さん、さようなら。わたしの降りる所へ来ましたから。では――」

問 宣教師はどうして少女にこのようなことを言ったのですか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

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中学受験家庭教師-『学校別特別講座』-国語専科

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学校別特別講座

e: 昨夜、民放で「聖徳小」が特集されてましたよ。

F: 昔、そこに通っていたお子さんを教えました。

e: 開成、筑駒を受かり

F: 筑駒に進学されましたね。

e: 算オリも数オリも入賞したお坊ちゃんでしょ!

F: 無口だったですが…聡明でした。

e: テレビを見てたら、小5のお子さんが『開成』の過去問を解いてましたよ!

F: あそこは”宿直”を出しませんから、自宅では好きなことができるんですね。

e: 机の上には『筑駒』の過去問も!?

F: 塾の先生はそれを見てどう思うんでしょうね?

e: 『灘』を受験するお子さんをもつ親御さんはそれを見たら……

F: ちょっと”遅いんじゃない”なんて!?

e:さて、『学校別特別講座』ですね。

F:YはNHKの『アーカイブ』に出てくるくらいの老舗進学塾ですが、元々、『日曜テスト』がメインだったんですね。

e:「テスト」解説ですね。今じゃ、「塾」展開してますけどね。

F:ですから、「テスト内容」には定評があるんです。

e:そりゃ、そうです!毎週毎週「テスト」用の作問をしている訳ですからね。「テスト」に強くなりますね。

F:Y生も「テスト」に強いですね。

e:いわゆる゛全滅゛が少ないのは頷けますね。

F:作問ウン十年の蓄積は大きいでしょう。『合判予備』にしろ『合判』にしろ、”歴史”がある訳ですね。

e:ナガセもそこに目を付けたって訳ですかね。

F:『過去問データベース』とか、大学入試の「システム」「ノウハウ」を中学受験にシフトしてきましたね。

e:予備校の「講師」もですか?

F:それはないでしょう!

e:トウシンは国語のいい教材がありますよ。確か!

F:よくご存知ですね。

e:昔のあいかたがNの講師をしてて。例の『長文読解~』とかを執筆したみたいですよ。

F:共著でしょ?

e:昔は、何年分かの『合判』の過去問がありましたよね。あれは結構、便利でしたよ。

F:いわゆる『前年度問題集』もですね。

e:今は名前も変わり、『国語』はないんでしょ?

F:著作権の関係で。不便ですね。『国語』は要らないなんて豪語する先生もいるらしい。

e:実際、やらないからですか?

F:多分。『資格審査』なんてのもあったでしょう?

e:5年3学期の初めに、C・B・A会員資格を1回チャラにしたんですよね。

F:今はどこの塾も『組分け』や『入室テスト』でたびたびやりますけど。

e:”昇降”をですね。その度に先生が変わる子もいたりしますね。それでいいんですかね。

F:塾にいた頃は5年から2年間、担当講師は変わらず教えました。

e:2年間、「育て上げた」!

F:「鍛え上げた」といった方が正確でしょうか。

e:゛ペア゛ででしょう?

F:『算+理』を教える先生と『国+社』を教える先生が組んでですね。『算・国』は週2回で『理・社』は週1回でした。

e:「二人」だとうまく調整できますよね。6年になれば、「冠クラス」に移行していったんでしょ。

F:それが今の『特別クラス』ですね。さて、『学校別特別講座』が始まりますね。

e:どうなんでしょ?いわゆる『選抜テスト』なんかがあったりして、入れなかったりとか、よくありますね。

F:2回受験して、落ちて、2学期にようやく『日特』のクラスに入れて、無事開成に受かった教え子がいましたね。

e:かりに、「志望クラス」に入れなかったとしても、立派に受かってますよね。

F:『学校別特別講座』だと言っても、志望する学校の『過去問』ばかりやるとは限りませんからね。

e:というより、前半はほとんどやらないんじゃないですか?つまみ食いはしますけど。結構、関係ない学校もやりますよ。

F:アトランダムにでしょ!

e:我々から見て、どうしてこんな学校をやるの?なんてこともありますね。

F:日常茶飯事とまではいいませんが。

e:「女子校」とかでしょ?男の子も内心嫌々解いてたりして。

F:それなりの゛根拠゛があってやらせているんでしょうけどね。

e:結論として、「特別クラス」で授業を受けたからと言って、その学校に受かる保証はないということですね。

F:毎年、口酸っぱく言ってますが、『学校別特別講座』をわざわざ設置するなら、是非共、”合格率”を公表していただきたいものです。

e:「何人受けて、何人受かり、何人落ちた」かですね。。

F:そして、どこに進学したか。

e:さらに、併願校も。昔、Yのお茶ノ水校なんか、しっかりやってましたけどね……。

F:メディアも『合格力』なんて取り上げてますが。本当の『合格力』とは、つまり、『合格率』じゃないでしょうか?

e:その点、恵比寿の『希』は立派!

F:『塾』としての゛誠意゛を見せてますね。

e:プライド?結果責任をおおやけにしているんです。何故、不合格になったかの「説明責任」もしっかりやっているはずです。

F:「後輩受験生」を持つ親御さんのためにも、ですね。

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中学受験-舟崎克彦 「コジュケイ」『雨の動物園』-家庭教師

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舟崎克彦 「コジュケイ」 『雨の動物園』

 ヒキガエル、コウモリ、モグラやリスに自然の草花。身近な生き物たちと心を交わした、遠い日々の鳥の声、木々のざわめきがきこえてくる。

 「ぼっちゃん、そこの坂道でコジッケが遊んでます。つかまえにいかねか。」

 魚屋のあんちゃんが、ねじりはちまき、いせいのいいべらんめえでとびこんできた。

 昭和二十七年、夏。祖父の家である。そのおなじ年の六月に母親に死なれてから、私は始終この家に遊びにきていた。
 おそらく七歳の子どもには、灯明のゆれる祭壇や線香のたなびく広間のようすなどがなんとなくおそろしく、そしてまたどこからどこまで母のにおいがしみこんだわが家が帰りづらいものに思えたのだろう。

 問 「どこからどこまで母のにおいがしみこんだわが家が帰りづらいものに思えた」のはなぜですか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 私と「としや」とよんでいたねえやは、くらくただっぴろい台所の上がりがまちにならんで腰をかけ、たぶんチャンバラ映画の話をしていたと思う。そこへいきなり魚屋のあんちゃんである。

 「コジッケって、いったいなんだよう。」

としやがいなかことばまるだしで、たたきの外に立っている若者にききかえした。

 「チェッ、コジッケもしらねえのかよ。

 あんちゃんは舌うちょいをして、

 「ほら、地べたをチョコチョコ歩く、ウズラをでっかくしたみてえな鳥がいっだろう。あれのこった。」

 じっれたそうにいうと、

 「さあ、ぼっちゃん。早く、早く。」

と私のうでをひっぱった。

問 「『さあ、ぼっちゃん。早く、早く。』と私のうでをひっぱった。」とありますが、「あんちゃん」は何のために、「私」をつれていこうとしたのですか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 「ひなをぞろぞろつれて歩いているんだよう。早くいかねえと逃げっちまうぜ。」

 ひなをつれて……?そのことばをきいて私の心が動いた。母鳥にまつわりつくひなのようすがふと心に浮かんだのである。そしてそれは、かつての私と母親の姿にかさなった。

問 「そのことばをきいて私の心が動いた」のはなぜですか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 私は土間にころがっているとしやの駒げたをつっかけると、あんちゃんのうしろからうら木戸をかけぬけていった。

 そしてその行く手には真夏の、はだかの陽をあびた坂道が白っぽくかたむいていた。

問 「はだかの陽」とありますが、それは何を意味していますか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 いきなりのくらがりで、私にはコジッケという鳥がどのあたりにいるかよくわからない。と、あんちゃんは立ちどまって耳うちをした。

 「いいかい。おれはあっちがしらから追いこむから、ぼっちゃんはここにいてはさみ討ちにするんだ。」

 彼があんなに熱心に私をさそったわけがやっとのみこめた。

 そんなわけでもなければ、この人一倍たくましい青年が、私のような子どもの手を必要とするはずがない。

舟崎克彦 「コジュケイ」『雨の動物園』所収。舟崎克彦(フナザキ ヨシヒコ)1945年~。東京生まれ。学習院大学卒業。主な著書に「ぽっぺん先生物語」シリーズ(赤い鳥、路傍の石文学賞受賞)、『月光のコパン』(2007年岩波書店)、絵本作品に『あのこがみえる』(味戸ケイコ絵・ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞)『かぜひきたまご』(杉浦範茂絵・サンケイ児童出版文化賞受賞)また、『雨の動物園』-私の博物誌(岩波少年文庫)で、国際アンデルセン賞優良作品賞、サンケイ児童出版文化賞を受賞している。

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家庭教師-『夏・バージョン・アップ』-中学受験国語専科

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国語専科-『夏・バージョン・アップ』-中学受験

e:秋以降の事を考えると

F:初めて受験される親御さんは秋も

e:今まで通り、

F:順調に行くと考えがちなんですね。

e:ところが、予期せぬ

F:アクシデントが起こることがよくあるんですね。

e:で、予定が大幅に狂っちゃう

F:行事も目白おしで

e:運動会で骨折しちゃったとか

F:手の骨折だと

e:さすが受験生!

F:利き腕の方は反射的にかばっちゃうんですね。

e:゛エライ゛!

F:あと学園祭

e:文化祭ですね。準備なんかで、時間をとられますからね。

F:修学旅行ですか?

e:さすが、食中毒は少ないですがね。

F:そう言えば、昔あったみたいですね。親御さんから聞いた話ですが。

e:伝聞ですね。もしかして、あのG中等部?

F:旅行先の旅館で食中毒!

e:また次年度にそこの旅館に、ということで

F:父兄から反対が。

e:当たり前でしょう!

F:にわかに信じられない話ですがね。

e:超有名旅館で中毒?

F:老舗の料亭でも?

e:食べ残し?その旅館にまた行くことが?

F:とにかく、何が起こるかわからないのが

e:この世の中ですからね。

F:ということで、

e:結論は?

F:夏にできるだけの事をしておいた方が

e:9月以降は余裕を持って、

F:そのためにも、できるだけ゛指導日数゛を増やしてもらいます。

e:秋は゛振替゛がきかなくなってきますからね。

F:例えば、1日授業が休みになっても、

e:じゃ、この日に゛振り替え゛ましょう、とはすんなりいかなくなってくるんで

すね。

F:そういうことです。

e:いまでも、週2の方もいますからね。

F:秋になると、2時間を3時間に、とかはまだいいんですが

e:あとに指導がない場合は、ですね。

F:ところが、今、月曜を教えてて、さらに

e:もう1回となると

F:月曜から金曜まで、めいっぱい入ってると

e:物理的に指導は不可能になります。

F:ということで、゛振り替え゛もまた

e:物理的に不可能。

F:行事もさることながら、夏の疲れで

e:体調不良になって

F:風邪を引いたり

e:それがまた長引いたりすることも!

F:でもって、予定が大幅に狂ってしまい

e:入試まであと何日なんて

F:カレンダーに書いてあり

e:焦ってくるんですね。

F:お子さんよりも

e:親御さんでしょ!

F:予定が消化されていない

e:お子さんは意外とノンビリ?

F:ノンビリ過ぎるのも困りますが。

e:多少、ノンビリの方が

F:『合判』がありますから

e:親御さんはノンビリとはいかない?

F:『結果』が

e:次から次へと

F:『合格可能性』が低いと

e:ますます゛焦る゛?

F:『国語』に関してだけですが、『御三家』・『駒東』・『筑駒』

e:あと『栄光』・『灘』

F:さらに『桐朋』・『学習院』などですね。

e:『合判』の結果はあまり゛関係ない゛と?

F:そうですね。『記述』の学校ですからね。

e:しかし、『算数』に関しては゛焦り゛まくるかな?

F:『過去問』が解けないとですね。娘の時、ありました。

e:また女の子の場合、ある日突然゛女の子゛になったりしますから。

F:教え子で経験があります。娘は5年生の時でしたね。

e:早かったんですね。で、5年生で助かった?

F:そうですね。これは、予期せぬ出来事でした。

e:予期できないでしょう!

F:息子の時は゛猛反抗期゛でした。

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国語専科-石田衣良 『5年3組リョウタ組』-中学受験家庭教師

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石田衣良 「5年3組リョウタ組

 教師だって、男子なのだ

 心に問題を抱えた元也は度々授業中にだまって教室からでていくようになった。危機感を持った担任の中道良太は、元也ときちんと向き合うために、一週間、クラスを他の先生に任せ、屋上で元也と二人きりの授業をする。その最終日の夕方、元也の両親と校長、良太、学年の先生たちが話し合いをしている場に、元也が加わった。

 「おとうさんはいつもいつも、俊也にいちゃんとぼくを比べてばかりだった。運動だって、学校の成績だって、お受験だって、すべてにいちゃんのほうがよくできる。うちの子なのに、なんでおまえはできないんだ。死ぬ気で、もっとがんばれって……」

 途中で元也はしゃくりあげ始めた。

 「ぼくだって、がんばってるよ。でも、できないことはできないんだ。それなのにおとうさんは、ぼくのことを否定した。生きてる価値がない。うちの家には必要ないダメ人間だ。将来だってきっと意気地のない人間になるって」

 小学校5年生の男の子が、声をあげて泣き始めた。

問 「声をあげて泣き始めた」時の「元也」の気持ちを答えなさい。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 クラス競争で連続してビリを争っている良太には、元也の気持ちがよくわかった。人はほんのちいさな競争に敗れるだけで、自分の弱さに打ちのめされるものだ。そういうとき追い打ちを掛けるように優秀な誰かと比較されてはたまらないだろう。頭はいいが、この子はまだ十歳なのだ。元也は叫んだ。

 「ぼくだって希望の丘で、がんばろうしたよ。でも、もっともっとやっているうちに、教室で息ができなくなったんだ。苦しくて、ほんとに息が吸えなくなるんだよ。教室が真空になっちゃうんだ」

 元也は身体を硬くして、パイプ椅子に縮こまっていた。もともと小柄だから、そうしていると小学校低学年の子のように見える。

問 「元也は身体を硬くして、パイプ椅子に縮こまっていた」とありますが、この時の「元也」の気持ちを答えなさい。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

このままひとりにしておいてはいけない。良太はそう感じて、冷たく銀色に光るパイプ椅子の横に座りこんだ。震える肩にそっと手をのせる。子どもにふれるときは、いつだって熱量に驚くものだ。けれども、そのとき元也の薄い肩は高熱でもあるかのように熱かった。

 「ぼくはおとうさんがいうように医師とか弁護士とか会計士とか、シがつくような仕事はやりたくない。そんなにお金が儲からなくてもいいし、みんなから尊敬されなくてもいい。勝ち組とか負け組とか、そんなのどうでもいいんだ。でも、これ以上苦しいのは嫌だ。息ができなくなるのも、屋上でひとりぼっちでいるのも嫌だ」

問 元也が「シがつくような仕事はやりたくない」と言っているのはなぜですか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

問 「これ以上苦しいのは嫌だ」とありますが、「元也」は何が原因で苦しんでいるのですか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 初めて元也が顔をあげた。良太のほうをしっかりと見る。

問 「良太のほうをしっかりと見る」とありますが、この時の「元也」の気持ちを答えなさい。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

石田衣良『4TEEN』(新潮社)所収「空色の自転車」石平庄一19600326(48)江戸川区出身両国高校成蹊大経済広告制作会社コピーライター『池袋ウェストゲートパーク』デビュー(00TVドラマ化)1997オール読物推理小説新人賞『4TEENフォーティーン』03新潮社直木賞『約束』04角川書店『アキハバラ@DEEP』04文藝春秋『下北サンデーズ』06幻冬社

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中学受験家庭教師-『歯型』-国語専科

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丘修三 「歯型」

 一郎の声は消えいりそうだった。先生は四角い顔を、いっそう四角にして、腕を組んでだまった。校長先生が語調をつよめていった。

 「ほんとうなんだな?えっ?しょうじきにいいなさい。きみたちは、この学校の名誉を傷つけることになるんだぞ。えっ?ほんとうのことをいいたまえ。」

 ぼくはなきたい気持ちだった。どうしていいか、わからなくなっていた。それでもぼくは、必死に自分をまもろうとして、こうくりかえした。

 「肩がふれて、しげるが肩をつついて……。その子がかみついたんだ。」

 あいつは文字板をひきよせると、もどかしそうに、「き」と指さし、「み」とつづけた。と、つぎの瞬間、ぼくはびっくりしてとびあがった。彼がその文字板を、ぼくらめがけて投げつけたのだ。

 そして、彼はぐわーっとなきだした。自分の胸を、頭を、きき手の左手で、ごんごんとたたいて、わき目もはばからず、ごうごうとないた。

 あいつの学校の先生は、だまってその肩に手をかけていた。やがて、そのほそい目で、ぼくたちをにらみすえていった。

 「ほんとうのところは、どうなのかわからないが、ぼくはこの子を信じる。」

 校長室に、あのかなしげななき声がひびいていた。

 「きみたち、教室へ帰りなさい。」

と、校長先生がいった。立ち上がると、あいつはぼくらを、涙の目で見た。目があった。

 ぼくの全身を、電流が走った。

問 「ぼくの全身を、電流が走った」とありますが、これは「ぼく」のどのようなようすを表していますか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 学校からの帰り道、ぼくはなんど足をとめたことだろう。

 ぼくの全身をつらぬきとおすような、あの子の視線が、頭の中にうかんでは消えた。

 自分の頭を、胸を、こぶしでたたきつけ、おいおいとないているあの子の姿が、ぼくの心をゆさぶりつづけていた。

 みあげると、町のむこうに、白い入道雲が、山のようにわきあがっていた。ひどい夕立がきそうだなと、ぼんやり思った。ぼくと一郎は、だまってあるいた。

 一郎がどんな気持ちで歩いていたかは、わからない。ときどき、おくれがちになるぼくを、ふりかえっては、こまったような顔でみていた。

 ぼくはひとりになりたかった。そして、思いきって、学校へとんで帰り、校長先生に、

 「みんなウソです。ぼくたちがあの子をいじめたのです!」

とさけびたくなる思いにかられた。

 なぜ、そうしなかったのか。なぜ、そうできなかったのか。

問 「なぜ、そうしなかったのか。なぜ、そうできなかったのか」とありますが、「そうしなかった」、「そうできなかった」原因は何だと思いますか。

 中学生になったいまもその思いがぼくを苦しめる。

 あのとき---と、ぼくは思うのだ。あのとき、あの子が、しげるではなく、ぼくをかんでいてくれたら、と。

 ぼくの心に、あの子の歯型がくっきりと残った。

問 「ぼくの心に、あの子の歯型がくっきりと残った」とありますが、この時の「ぼく」の気持ちを答えなさい。

問 学校から帰り道の場面で、「あいつ」から「あの子」という表現に変化しています。ここから、「ぼく」の気持ちを答えなさい。

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国語専科-『歯型』-中学受験家庭教師

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丘修三 「歯型」

 首をやや左にかしげ、口をへの字にひんまげて、---と、あいつがあのときのようにわらった。

 いやそれはわらったのではなかった。顔の筋肉がくちびるのはしをつりあげるために、そうみえたのだった。

 「どうだね、きみたち。」

 校長先生がこたえをうながした。一郎が、ぼくをひじでつついた。ぼくは思いきっていった。

 「しげるが、いや、しげるくんがいったとおりです。」

 その声は、自分でもおかしいほどふるえ、かすれていた。すると、あいつが、テーブルをたたくようにして、文字板の上を指でおさえた。

問 「その声は、自分でもおかしいほどふるえ、かすれていた」とありますが、この時の「ぼく」の気持ちを答えなさい。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 「う」そして「そ」と。

 (うそ!)

 ぼくは、あいつの顔をまともにみる勇気がなかった。うなだれたまま、自分のひざに指でそっと、「うそ」と、書いていた。

 「うそだっていってるが、どうだい?」

 養護学校の先生は、あくまでもしずかな調子でいった。

 「……。」

 「ほんとうのことをはなしてくれないか?」

 「……しげるがいったとおりだけど……。」

 すると、あいつがテーブルをどんとたたいた。そして、もどかしそうに文字板をひきよせると、

 「あ」を指さした。それから「し」。

 校長先生は身をのりだして、「あ」「し」と、声をだして読んでいた。

 「か」

 ぼくも、そのぎくしゃくした指の動きをみつめていた。

 「け」「た」

 「わかったかな?きみたちが足をかけたと、いっているんだよ。」

 「……足なんか、かけたりしなかった。肩がふれただけだよ、なっ。」

 一郎にあいづちをもとめた。一郎はだまってこくんとうなずくと、ごくりと音をたててつばをのみこんだ。

 「肩がふれてどうしたんだい?」

 「その子の肩をちょっとつついた。しげるが。」

 「それから?」

 「それから、その子がひっくりかえった。」

 「で、どうしたの?」

 「そしたら、その子が、きゅうに足にかみついたんだ。」

 「なにもしないのに?」

 ぼくはだまってうなずいた。

 「ほんとうかい?」

 「……うん。」

 すると、あいつがまた文字板をおさえた。「う」「そ」

 手がぶるぶるふるえているのがわかった。

問 「手がぶるぶるふるえている」とありますが、この時の「あいつ」の気持ちを答えなさい。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 「きみはどうだい。」

 おじさんみたいな先生は、一郎のほうにほこさきをむけた。

 一郎はしどろもどろになりながらいった。

 「肩がふれたので……。しげるくんがなまいきだといって、つついて……、たおれて……、その子がきゅうにかみついて……、はなさなかったので、おじいさんたちがきて……。」

 「つまり、きみたちはなにもしていないのに、この子がかみついたんだね?」

 「しげるくんがつついて……。」

 「きみは、なにもしなかったのかい?」

 「う、うん……。」

 「きみたちは、それ以前にも、この子をからかったりしなかったかい?」

 「……しません……、でした。」

 「ほんとうかい?」

 「……はい。」

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家庭教師-『合判予備』-中学受験国語専科

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国語専科-『合判予備』-中学受験家庭教師

e:今度の日曜は『合判予備』の第2回ですね。

F:ということでY生は゛『合判予備』゛の週です。

e:『算数』なんかH18~20年度の゛過去問゛を解きまくってますよ。

F:塾もそうでしょ!

e:準拠塾もしかりですね。

F:『御三家』を受けるお子さんは国語以外の゛過去問゛を解けば

e:ずいぶん、ちがいますからね。

F:毎年、よく似た問題が繰り返されますから。

e:゛3年分゛やれば素点で100以上はとれます。

F:『国語』は塾で解くことで十分でしょう。
e:『記述』形式じゃないですからね。

F:いつも、言ってますが、専ら゛押さえ校゛対策で受ければいいんです。

e:第二、第三志望校対策という訳ですね。

F:第二、第三志望校の『合格可能性』をチェックするだけでいいんですね。

e:第二、第三志望校を受けるためにだけ

F:『国語』を受ける?!極端に言えば、そうなるでしょう!

e:第一志望が『駒東』『筑駒』

F:あと『桐朋』『栄光』『灘』を第一志望にしてるお子さんですね。

e:そう言えば、『駒東』を第一志望のお子さんが『麻布』の『過去問』をやってたのは、そういうことですね。

F:そういうことです。『駒東』が『記述』になり出したのは平成十年以降ですからね。

e:それまでは、それ以前の『過去問』もやりながら

F:余裕のあるお子さんは『麻布』の『過去問』もやってます。

e:そうですよね。『駒東』は『物語文』が中心ですからね。

F:『国語』に関して言えば、『合判予備』に振り回されることはないんですね。

e:上記の学校を第一志望にしている限り、そうですね。

F:とは言っても、そこそこの偏差値はとる必要はありますが…。

e:それは塾の勉強でとれるでしょう。『算数』の場合、塾と家庭教師が一体化するのは

F:『合判予備』の第2回が終わるまで、ですか?

e:『合判予備』の『過去問』対策が第一志望校対策になるんですね。

F:『基本』的なところはでしょう?

e:もちろん、『御三家』レベルの『基本』ですが。

F:『算数』は゛二足のわらじ゛を履かなくていいから、やりやすい?

e:そうですね。夏休みまでは。

F:以後は、『過去問』攻略でキツクなるんですよね。

e:そう。゛解けない゛現象が!9月から始まります。

『過去問』が0点なんてことも。

F:そのためにも、『国語』で、

e:夏に引っ張れるだけ、引っ張ってもらう。
F:毎年、そうですね。『国語』の『過去問』で『合格最低点』を゛クリア゛?!

e:9月からおもいっきり『算数』の『過去問』に集中でき

F:また、『国語』を気にせず、『算数』に時間がとれるということでしょう!

e:゛含み゛とは?

F:結局、そういうことです!

e:゛含み資産゛?!"付加価値?!を

F:夏休みにつくる、ということに尽きます!
e:゛イザ゛

F:という時のために、

e:ですね。ところで、今回はSやNの上位層がこぞって受けますね。

F:そういう意味で”実戦”さながらのテストになります。

e:合否の信憑性もグンと上がるということですね。

F:プラスαすれば志望者数もほぼ実戦に近くなりますから。

e:現在の”自分の位置”も分かって、いいテストですよね。

F:来年の”予想問題”という位置付けもできますし…

e:Yは的中率が高いですからね。5年分の”過去問”を解いていれば、来年の対策にもなる?

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国語専科-『歯型』-中学受験家庭教師

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丘修三 「歯型」

 校長先生に呼ばれた「ぼく」と一郎は、友だちのしげるが、二日前、養護学校の生徒にかまれた事件の真相を話すように求められます。

 それから、二日たった日の昼休み、担任の先生がぼくと一郎をよんで、校長室へいくようにいった。

ぼくは例の一件だなと、ぴんときた。でも、いったいだれがばらしたのだろう。ぼくと一郎は廊下で、不安な顔をみあわせた。

問 「ぼくは例の一件だなと、ぴんときた」とありますが、「例の一件」とはどのような一件ですか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 (どうする)

 一郎の顔がそういっている。

 「しげるがいったように、はなせばいいさ」
と、ぼくは自分をはげますようにつぶやいた。

問 「しげるがいったように、はなせばいいさ」と、つぶやいた時の「ぼく」の気持ちを答えなさい。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 校長室にはいったとたん、ぼくはどきっとした。あいつがすわっているではないか。ぼくは内心うろたえた。校長先生にうながされて、ソファーに腰をおろしたが、体がクッションのなかにうまって、いっそう気分がおちつかない。
 ぼくのまえには、あいつと、四角い顔のおじさんがすわっていた。

 「先生。」

と校長先生が、そのおじさんにむかっていった。

 「このふたりが、しげるくんといっしょにいたという子どもらです。こちらは、桜養護学校の先生と生徒さんだ。この生徒さんの顔は覚えているだろうね。ここにきみたちをよんだわけは、もうわかっていると思うが。」

 校長先生はそこでひと息つくと、さきをつづけた。

 「きのう、しげるくんのお父さんが桜養護学校にいかれて、いろいろ話をされたそうだ。ところが、しげるくんのいっていることと、この生徒さんのいっていることが、だいぶちがうので、きみたちの話をききにみえたのだよ。気を楽にして、本当のことを残らずはなしてごらん。」

問 「しげるくんのいっていることと、この生徒さんのいっていることが、だいぶちがう」とありますが、具体的にどうちがうのですか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 校長先生はおだやかにそういったが、度のつよいめがねのおくの目は、いつもよりきびしかった。

 「こんにちは」

 いきなり、おじさんみたいな先生がきりだした。ほそい目が、まっすぐぼくらをみていた。ぼくは思わずうつむいてしまった。

 「この子がおととい、しげるくんをかんだそうだね。しげるくんのお父さんが、ぼくたちの学校へやってこられてね、だいぶしかられてしまったよ。ところがだ。この子が、しげるくんのお父さんの半はちがうというんだ。この子は口で自由に話ができないので、こういう文字板をつかってしか、自分のことをつたえられないのだよ。」

 先生はそういうと、一枚のベニヤ板に紙をはりつけたものを、机の上にのっけた。それには、ひらがな文字や、いくつかの漢字が、ます目のなかにぎっしり書かれていた。

 「だから、話をするのに、ひどく時間がかかるんだ。きのうの、しげるくんのお父さんが帰られて、この子と二時間ばかり話をしたんだが、この子がいうには、自分からしげるくんにつっかかっていったのではなく、きみたちからけんかをしかけられたのだ、というんだよ。
 それも、おとといだけじゃなくて、何日もまえから、きみたちがからかっていたそうだね。足をわざとひっかけて、たおしたりして。ちがうかい?それでおとといは、追いかけられて、けったり、なぐったりされたので、自分も抵抗したんだというんだ。
 この子は、きみたちみたいに、手や足が自分にうごかないから、口でかむよりほか手がなかったんだ。かんでひとを傷つけてしまったことは、理由がどうであれ、わるいことだし、あやまらなければならないことだけれど、なにもしないしげるくんをかんだんじゃないはずだ。
 ちがうかね?ほんとうのところ、どうだったんだい。正直にはなしてくれないか。」

 ぼくと一郎はだまってうつむいていた。上目づかいにあいつをみると、あいつはまっすぐ射るように、ぼくらをみすえている。

問 桜養護学校の先生が「まっすぐぼくらをみていた」の「まっすぐ」とあいつが「まっすぐ射るように、ぼくらをみすえている」の「まっすぐ」の言葉に注意して、それぞれの気持ちを答えなさい。

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国語専科-『強力伝』-中学受験家庭教師

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新田次郎 「強力伝」

五十貫もの巨石を背負って白馬岳山頂に挑む山男強力を描いた処女作『強力伝』。

 富士山頂での冬期観測にやって来た石田が、不安を抱きながらも、強力の小宮との出会いに宿命的なものを感じて山頂を目指そうと心に決める。

 「竜巻だ!」

 そんな声が聞こえたような気がする。一人の女の児が、どうして広場を横切ろうとしたのか、あっという間まに竜巻の手に髪をつかまれると、引きずられるように、ろうとの鼻にだきついたようにも見える格好で、広場から土産物売場の方へ引きずられていく。女の児の絶望的な眼ざしが瞬間石田の眼をかすめると、石田は思わずぞっとするような恐怖を覚えた。

問 「ぞっとするような恐怖」とは、どのようなことからくる恐怖ですか。

e: 新田次郎と言えば、

F: 映画『剣岳 気の点』が上映されてます。
e: 思い出すのは石原裕次郎の『富士山頂』という映画ですね。

F: ”強力”が出てきます。NHKの『プロジェクトX~挑戦者たち~』の第1回で取り上げられました。

e: スゴイ荷物を背負って登っていく姿が映し出されていましたね。

F: 100kgは超える?

e: だいの大人を二人背負っている感じでしょう。

F: 『八甲田山死の彷徨』は八甲田山雪中行軍遭難事件を題材にしたものですね。

e: 映画『八甲田山』の原作ですね。映画になった『アラスカ物語』も。ところで、本名は”藤原”でしょう。

F: ペンネームは”新田の次男坊”から。ちなみに藤原正彦は息子です。

e: あの『国家の品格』の?

F: 当時、次郎より奥さん(藤原てい)の方が有名だった?

e: で、コンプレックスがあった?

F: 登山好きの皇太子徳仁親王が愛読する作家みたいです。

e: 『強力伝』で直木賞を受賞でしょ。

F: 『武田信玄』などの執筆活動に対し、吉川英治文学賞を受賞してます。

e: 山岳小説家の代表でしょう?

F: 本人はそう言われるのを嫌ったみたいです。

e: NHKの大河ドラマになる事を切望してたという話も聞きますが…

F: 生前に願いは叶えられなかった。

e: 新田次郎のコンセプトは「夢と挑戦」ですよね。

F: 自然保護運動にも熱心だった。

 「今、いくぞう!」

 動物の吠えるような声だった。

 男は女の児を横抱きにすると、ばったり地面に伏せてしまった。

 男は女の児の埃をはたいてやりながら、泣くんじゃあない、もういいんだ、と言っているようだ。女の児の泣き声が物音一つしない広場にわんわん鳴り響いているのを、何となく面目なさそうな顔をして見下ろしている男は、すぐ狂気のように飛びすがってくる女の児の親の姿を見ると、手を頭に上げてにやっと笑って、少女を泣かせてすまなかったと謝るように腰を折っている。

 「気象台の石田さんですか」

 前に立ち止まった男は気をつけの姿勢でこう言った。そして人なつこい眼をいかにもうれしそうに輝かせながら、

 「えへへへへへ」

 と鼻の上にいくつもしわを寄せて笑った。驚くほど、がっちりした体格の男だ。全体に見て不釣合なくらい肩の張った、眼の澄んでいる。黒光りするほど日に焼けている男だった。

 下駄の鼻緒から見て宿の番頭でもあるかと思ったが、すごいほどたくましい肩幅と、黒光りの顔と、でかい足から見て、石田はこれが富士山の強力であろうかと改めて見直した。

 「えへへへへへ、私はこういうものです」

 そう言ってチョッキのポケットから取り出した名刺には小宮正作とあり、それにフリ仮名がコミヤショウサクと打ってあって、名刺の右側にはぎっしり肩書が並んでいた。

 「えへへへへへ、どうも」

問 「えへへへへへ」、「えへへへへへ、私はこういうものです」、「えへへへへへ、どうも」とありますが、それぞれの「えへへへへへ」はどのような笑いですか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 と頭をかいた。

 石田は、何かほのぼのとした気持ちになって、
 「僕石田です。よろしく……」

 そう言ってから、

 「山に登ったことがないので」

 とつけ加えた。

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国語専科-『夏期エコ講習』-中学受験家庭教師

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国語専科ー『夏期エコ講習』-中学受験家庭教師

F:夏期講習なんて10日~15日で十分なんですね。

e:どうして、あんなに何日もやるんでしょうかね。

F:子供たちも疲れるばかりで

e:ウンザリでしょう!

F:あれだけやらなければ『合格』させられない?

e:それも、あれだけやってですよ、゛全員合格゛じゃない!

F:逆に、あれだけやれば受かるのは当たり前で

e:落ちるのが不思議?

F:拘束日数と時間が多すぎません?

e:会社で言えば、お子さんが塾講師の゛残業゛?に付き合わされてる感じです

ね。

F:能力があれば、もっと短い日数と時間でやれるはずでしょう。

e:講習が終わった後はグッタリ!

F:夏の疲れでラストスパートできない

e:体も頭も゛夏バテ゛状態って感じでしょう!

F:第一回の『合判』はいい点をとるんですが

e:第二回以降が伸び悩み状態?

F:さあ、これからだという時には

e:息切れ!第一回の『合判』をいい点をとらすために

F:夏期講習をやってるという塾が多いですからね。

e:『算数』なんて、似たような問題を講習中に解かしますからね。

F:なまじっか、第一回をいい点をとっちゃうと

e:それが゛実力゛だと錯覚しちゃう?

F:そうなると、あとがコワイことになる。

e:第一回はなまじっか、いい点をとらない方がいい?

F:第二回、第三回と、当然難しくなってきますからね。

e:ということは、

F:『過去問』だけを徹底的にやって

e:第一回の『合判』は悪い点をとって

F:悪い点はちょっと困りますが

e:そこそこの点をとって、ですね。

F:『御三家』レベルなら、そうですね。350点前後でいいんじゃないですか?

e:70%くらい?

F:『算数』『国語』は100点を超えれば十分です。

e:そう考えると、夏休みは『過去問』づくしで

F:毎年、数人いますね。

e:そうですね。塾の講習は全く受けない

F:あるいは、後半だけ受けるとか

e:中には、夏休みの半分をバカンスで

F:ハワイに行ったり、とか

e:それで『筑駒』や

F:『開成』に受かりましたからね。

e:『麻布』や『武蔵』は余裕で受かりますよ。

F:夏休みは『過去問』10年分を徹底的にやればいいんです。

e:『過去問』をやる絶好のチャンスですからね。

F:毎日、゛本番゛と同じスケジュールでやるんですよ。

e:午後は我々の授業ですよね。

F:『灘』を受けるお子さんは2日間にわたってやりますから

e:最低でも20日間は必要になりますが。

F:それでも、20日は夏休みですよ。

e:つまり、お盆前から?

F:8月10日あたりから。

e:9月からのラストスパートのために

F:英気を養う!

e:休みにいろんなところに行ったりした方がいいですね。回虫博物館とか?

F:海中じゃなくて?

e:正確には『目黒寄生館』。日本珍スポット?

F:森毅が言ってます。「みんな教わりすぎるの」-人生の贈りもの

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国語専科-『小さな花が咲いた日』-中学受験家庭教師

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石川結貴 「小さな花が咲いた日」

きょうは、雨に打たれても、
きっと、あしたはやってくる。
人生の思わぬ場所に咲く、
小さな花のような物語。

様々な「人生の一瞬」を描いた12の物語は、
もしかしたら、
あなたの物語かもしれません。

 達也が起きてきたのは、午後五時過ぎだった。ひどい寝癖のついた頭を、さも重たげにソファーの背もたれに押しつけて、手足をだらんと放り出したまま力なく座っている。

 「まだ具合悪いの?」

 「うーん。気持ち悪いのは治ってきたけど、なんかイマイチ」

 「出前どうする?無理して食べたくないなら、とらないけど」

 「出前はいらないけど、ほかにちょっとt食べたいやつはある」

 卵入りのおかゆ、それが達也のリクエストだった。大通りのコンビニに行けばレトルトが売っている。

 それにしたってレトルトはまずい、と亜紀は思った。

 「卵入りのおかゆなら、私が作るよ」

 言ってから、しまったと感じた。

 達也に余計なことを言うな、やるなと典子から念を押されていた上に、おかゆの作り方など全然知らない。

 「うわっ、おねえちゃんが?俺、また熱が出そう…」

 思った以上にうまい、とは達也の感想だ。

 てっきりけなされるかと思ったら、亜紀の悪戦苦闘ぶりをチラチラ見ていたようで、達也は一言の文句も言わず、早くも一杯目をたいらげようとしていた。

 ガチャッと玄関の鍵が開く音と、達也の茶碗が空いたのは同時だった。

 典子はたちまち食卓の異変に気づいて、疲れた顔を強張らせていく。なんとか取り繕おうと亜紀が口を開くより一瞬早く、達也のほうが明るい声を上げた。

 「おねえちゃん、もう一杯お替わり!」

問 「おねえちゃん、もう一杯お替わり!」と達也が明るい声で言ったのはなぜですか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 ここ何ヶ月も聞かなかった張りのある口調で、さっきまで顔色悪く沈んでいたとは思えないほど、達也は子どもらしくいきいきとしている。

 亜紀が作ったおかゆと、寝癖がついたままの達也の頭を見れば、留守中に起こっていたことのおおよその察しはつくだろうに、なぜか典子はそこにふれず、強張った顔を急にゆるめた。

問 「強張った顔を急にゆるめた」とありますが、この時の「典子」の気持ちを答えなさい。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 「あら、卵入りなの。おいしそう」

 「才能あるじゃない」

 たちまち茶碗を空にして、典子は心からうれしそうに亜紀に笑いかけた。

 「さすが、私の娘ね」

 素直に喜びたいのに、せっかくスポットライトが当たっているのに、亜紀はどんな顔をしたらいいのかわからない。

 いつの間にか自分の心は少し大人になって、母から離れても生きていけそうな気がする。

問 「いつの間にか自分の心は少し大人になって、母から離れても生きていけそうな気がする」のはなぜですか。

問 亜紀はこのあとどのように生きていくと君は考えますか。

石川結貴短編小説集「小さな花が咲いた日」(ポプラ社/2007年)は、平成20年度高校入試問題(国語)として採用されるなど、教育現場からの評価も高い。学校推薦図書。2009年には単行本と新書の刊行が予定されている。『モンスターマザー』(2008年)-その「自己愛」パワー恐るべし-世界は「わたし」でまわっている-学校に乗り込み理不尽な要求をし教師を土下座させる母親たち。

《書評》
金婚式を迎えた老夫婦の心模様。妹が連れてきた意外な結婚相手に戸惑う兄。中年サラリーマンが秘かに思いを寄せる女性。フリーターとして働く若者のせつなさ。成人式を迎えた息子に母が語り出した20の日々…。ありふれた生活の中で、ささやかでも懸命に生きる人々を静かな筆致で描いた全12話の小説集。「平凡な人生」を取り上げながらも、すべてのストーリーが味わい深く、心に染みわたってくる。

【書評】朝日新聞、婦人公論、サンデー毎日
家族を取材しつづけたノンフィクション作家が描く、心温まる短編小説集。金婚式を迎えた老夫婦の心の機微。有名中学受験生の弟を溺愛する母親へ複雑な思いを抱く娘。妹が連れてきた意外な結婚相手に困惑する兄。平凡に生きる人たちが織りなすささやかなドラマ、愛と絆を静かな筆致で映し出した秀作である。(by 朝日新聞2007年6月25日号より抜粋)

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国語専科-『小さな花が咲いた日』-中学受験家庭教師

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石川結貴 「小さな花が咲いた日」

ノンフィクション作家による12編の実話小説。結婚、恋愛、仕事、老い、親子関係などをテーマに、人生の温かな一瞬を伝える。

 もしも結婚して、母親になる日が来たら、どうしても知りたいことがある。

問 「どうしても知りたいことがある」とありますが、亜紀は何を知りたいのですか。また、なぜ知りたいのですか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 男の子と女の子、上の子と下の子、頭のいい子と悪い子、期待に応えられる子と裏切る子。同じようにかわいいと思えるのか、それともやっぱり差別してしまうのか。

 母の典子は、今日も亜紀をほとんど無視し、弟だけに気配りをして細々と声をかける。

 中学受験まであと一ヶ月を切った冬休み、難関校と呼ばれる私立男子校を目指す達也への心配は尽きることがないらしい。

 本当なら、達也を家に置いて外出などはしたくはなかったのだろうが、半年前から入院していた叔父が危篤になって、病院にかけつけなければならなくなった。

 「よりによって、こんなときに…」

 険のある目をして低くつぶやく母の心は、死を前にした病人より、達也への愛で占められている。まして、頭も要領も悪い自分には関心があるはずないと、亜紀は重いため息をつく。

 亜紀の手に五千円札を渡しながら靴を履くと、典子は目で二階の部屋を指し、少し声をひそめた。

 「あの子に余計なことを言ったり、やったりしないでよ。それでなくてもピリピリしているんだから」

 「うん、わかってる」

 わざわざ念を押されなくても、同じピリピリを自分も二年前に味わった。中学受験を前にしたプレッシャーとストレスは、もしかしたらあのときのほうが大きかったと思う。

 一万人近い受験生がいる全国規模の模試でも上位百人以内にランクインし、最新の合否予想で第一志望校の合格率八○%と判定された弟とは対照的に、亜紀はわずか一○%だった。第二志望校でさえ三○%しかなかったのに、典子は志望校の変更を頑として聞き入れない。

 「玉砕覚悟なのかな」

 そう塾の担任教師から、皮肉っぽい調子で言われたときの屈辱感は、今も亜紀の胸に深く刻まれている。

 特別メニューどころか食欲がなくなり、些細な物音にも敏感に反応して、ピリピリ、イライラ、ドキドキして臨んだ受験は、塾の教師が言ったとおり「玉砕」だった。

 母の愛情が主役の達也に一心に注がれる今、亜紀はますます身を縮め、暗い舞台の隅でひっそりと息をつめていた。

 「食欲、ないんだよ」

 典子が用意した昼食を、達也はほとんど食べようとしない。

 達也が食べない心配より、帰宅した母に自分が怒られそうで、亜紀は落ち着かない気分のまま冷蔵庫を開け閉めした。

 「いらない。なんか気持ち悪いんだ」

 そう言われると、確かに顔色が悪い。熱でもあったら一大事だと、部屋に戻りかけた達也の腕をつかまえ、あわてて体温計を渡した。

 典子の携帯電話に連絡しようにも、病院にいる以上電源はオフになっているだろう。

 といって、何も知らせないまま、達也の具合がさらに悪くなったりすれば、自分の「監督責任」が問われそうで恐ろしい。

 せめてメールだけでも送っておこうと携帯を開いた亜紀は、ふとためらって、送信をやめた。

問 「ふとためらって、送信をやめた」結果、亜紀はどのような気持ちになったでしょうか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 母の優しい視線を浴びたくて、関心を持ってほしくて、それが得られない自分を寂しくてかわいそうな人間だと思っていたのに、ひとりの時間は驚くほど心が軽い。

 鳥になった気分で両手をヒラヒラと揺らし、高くジャンプしてみると、母という名の呪縛から解き放たれた気がした。

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