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2009年6月

家庭教師-『Think in 過去問』-中学受験国語専科

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国語専科-『Think in 過去問』-中学受験家庭教師

e:そろそろ、昭和も終わる頃でしょうか?

F:既に終わってるお子さんが半数ですね。

e:あとの半数は?

F:『合判予備』の前年度とか、前々年度問題をやったりとか

e:それに前回の『合判予備』や『Sオープン』の復習もしますからね。

F:第2、3志望の学校対策のためにも『復習』をしておいた方がいいお子さんも

いますからね。

e:偏差値55以下のお子さんでしょう。

F:大手の模試で60前後あれば、第2、3志望の学校は受かる可能性は非常に高い

ですね。

e:算数もそうですね。

F:逆に言えば、それくらいの偏差値をとっていれば

e:それ以上の第2、3志望校対策はしなくていいということでしょうね。

F:第2、3志望校の『過去問』も2~3年度分を

e:できれば、夏休みの終わりあたりに、ですね。

F:夏期講習の後半にやる塾もありますね。

e:塾にいた頃は講習の後半にいわゆる゛デンワチョウ゛をやりましたね。

F:”声教”のでしょ。

e:あれは解答用紙が冊子になってますから、便利です。

F:市販用のはついてないですからね。

e:゛塾用゛は塾名をつけてましたよ。

F:そうですね。『社会』の解説はやたらと詳しくてね。

e:ところで、『過去問』用の『カルテノート』も1冊目も既に終わり、2冊目に

入ってますよね。

F:1冊目は゛御三家レベル゛の『基本』ですね。

e:2冊目になると、どうなりますか?

F:2冊目の内容も三分の二は1冊目の内容ですね。

e:つまり、『基本』がまだ大半という訳ですか!

F:3冊目になっても、まだ三分の一が『基本』ですよ。

e:それくらい、『御三家』レベルの基本は大変だということですかね。

F:重要だということで何回も何回も繰り返し

e:耳タコ状態になるまで

F:やる必要があるんですね。

e:10回やっても10回とも正解に達するまで、でしょう!

F:『御三家』レベルの基本とは、そういうもんなんです!

e:親御さんも口すっぱく言い続ける必要があるんですね。

F:我々と親御さんとの

e:゛ダブル耳タコ攻撃゛ですか!?

F:受かった親御さんはそれなりの”耳タコバトル”をやってますよ。

e:「うちはそんなに勉強しろ、と

F:耳タコ状態になるまで

e:言わなくても合格しました」なんて言いますが、それはウソでしょう?

F:人には言えない苦労をしていても、絶対に言わないですね。

e:受かれば、そんな苦労はすっかり忘れてしまうんですかね。

F:すんなり受かるお子さんなんて一人もいませんよ。

e:苦労しない親御さんも、しかりでしょう。

F:反抗期のお子さん

e:岳みたいに?!

F:を受験に誘導するわけですから

e:他人には言えない゛苦労゛が

F:時には、受験をやめたくなるほどの、

e:体験も

F:多かれ少なかれ、必ずされているはずですね。

e:浅田真央のコーチが「乗り越えろ」と言ってますね。

F:そこを乗り越えたところに。『合格』の二文字が!

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中学受験家庭教師-『そこに僕はいた』-国語専科

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辻仁成 『そこに僕はいた』

出版社/著者からの内容紹介

僕の人生において大いなる大地となっている、素晴らしい仲間たちと過ごしたあの青春の日々…。笑えて泣けて、可笑しくって仕方ない!ベストセラー作家辻仁成が放つスーパーエッセイ!永遠の青春の一冊。

 思い起こせば、僕には片足の友達がいた。

 あの少年とどうして仲良しになったのかは思い出せない。気づいたら僕たちのグループの中にいたのだ。片足の少年の名字は何故かもう思い出せない。あーちゃんと呼んでいたのでそっちの印象のほうが強いのだろう。あーちゃんは片足の付け根から先が義足だった。走るたびに義足の金属の音がきいきいと響いた。僕は最初その音がすごくいやだったのを覚えている。歯医者の治療器具の音のように耳奥を引っかいたからだ。

 僕が小学校の三年生ぐらいのことである。あの頃僕たちは父親の仕事の都合で福岡に住んでいた。こじんまりした父の会社の寮に僕らは住んでいた。僕はそこでは所謂がき大将だった。

 僕の考え出す悪戯は小さな子供たちの旺盛な好奇心を十分に満たすもので、そのグループは僕を中心に結束が強かったのだ。

 あーちゃんもそのグループの中にいたのだが、しかしあーちゃんの家は寮の中にはなかった。あーちゃんの家は二ブロックほど離れたところにある一軒家であった。あーちゃんは僕たちと遊ぶようになってまもなく、小さな子供たちの母親の一人が僕のところへやってきてこう言うのだった。

 「あの子はね、身体が不自由なんだから、一緒に遊ぶときは気をつけるのよ。もしものことがあったら皆の責任になるんだからね。」

 僕は聞き返した。あの子とは遊ばないほうがいいわよ、と聞こえたからだ。

 「どうして?あの子と遊んじゃいけなかとですか?」

 その人はちょっとばつが悪そうな顔をして、

問 「その人はちょっとばつが悪そうな顔をし」たのはなぜですか。

F:さて、作家では辻仁成を゛ひとなり゛と読ませ

e:ミュージシャンとしては゛Jinsei゛?

F:で「人生いろいろ」゛Jinsei Songs゛です?あと、監督名として。

e:合わせて゛Jinsei TSUJI Hitonari゛IN 人生 辻 人?成でしょうか?

F:1959年日野市生まれですね。東君平という名の童話作家の叔父がいますよ。

e:どうりで文才ありですか!今年、50歳でしょう?

F:福岡(小学時代)、帯広(中学時代)、函館(高校時代)と転居と転校を繰り返してます。

e:Jinseiも?それは小説の舞台からわかりますね。

F:平成4年(1992年)の『そこに僕はいた』は平成9年(1997年)『武蔵』にでましたね。

e:「思い起こせば、僕には片足の友達がいた。」ではじまるんでしょう!『東書』の中1に載ってるでしょう。

F:゛あーちゃん゛ですね。塾のテキストとか模試によくとりあげられる題材ですよ。

e:ここでもとりあげますか?

F:いずれ、ですね。

e:辻仁成といえば『冷静と情熱のあいだ』でしょう!

F:゛Blu゛と゛Rosso゛?

e:尾崎豊?

F:オキーフのイメージですね。

e:端正な絵画と端正な文章で共通しますか?

 「そうじゃないけども、もしも事故でもおきたら大変でしょ。ぼくは責任とれるの。」

 と言い捨ててそそくさと去るのだった。

 いまだにあの女の声は僕の耳に焼きついている。何だかむかむかするざらついた感触をともなって。

問 「何だかむかむかするざらついた感触をともなって」とありますが、「僕」がそのように感じたのはなぜですか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

辻仁成 『そこに僕はいた』新潮文庫辻仁成ツジヒトナリ1959(昭和34)年、東京生まれ。福岡・帯広・函館など各地で育つ。1979年、ロックバンド・エコーズを結成1989(平成元)年、処女小説『ピアニシモ』ですばる賞を受賞。著書に『ミラクル』『嫉妬の香り』『冷静と情熱のあいだBlu』『太陽待ち』『アカシア』など。映画監督としても活躍中。

二度と戻れない時間
 少年時代の美し過ぎる時間に起きた由無し事々が、時間を経てみると何にも代え難い輝きを放っていた。そんな経験が淡々と綴られたエッセイ集です。辻仁成さんの人生観がひしひしと伝わって来るお勧めの一冊です。
 転校を繰り返していた少年時代に起こった数々の友人達の思い出が克明に甦る、その美しさを正直に綴りつつも、過去の思い出の地を訪れてみるとかつての友人達の記憶の中には自分はいなかった。そんな時間の流れの尊さと儚さを両面から描いています。
 筆者の中には、未だ当時の青春時代が続いているのだと思います。過去の時間を胸の内に秘めて描かれる辻作品の根底にある何かを、この一冊から薄っすらと読み取れるような気がします。(by takuya_o0917)

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中学受験家庭教師-『塩狩峠』-国語専科

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三浦綾子 『塩狩峠』

 しぶしぶと信夫はたちあがった。

 「わたくしもいっしょにまいります」

 菊も立ちあがった。待子はすでに夕食の途中でねむってしまっている。

 「菊。信夫は四年生の男の子だ。ひとりで行けないことはあるまい」

 学校まで四、五丁ある。菊は困ったように貞行をみた。

 外に出て、何歩も歩かぬうちに、信夫はたちまち雨でずぶぬれになってしまった。まっくらな道を、信夫は爪先でさぐるように歩いていった。思ったほど風はひどくはないが、それでも雨にぬれた、まっくらな道は歩きづらい。四年間歩きなれた道ではあっても、ひるの道とは全く勝手がちがった。

 つまらない約束をするんじゃなかった。

 信夫はいくども後悔していた。

 (どうせだれもきているわけはないのに)

 信夫は貞行の仕打ちが不満だった。ぬかるみに足をとられて、信夫は歩きなずんだ。春の雨とはいいながら、ずぶ濡れになった体が冷えてきた。

 約束というものは、こんなにまでして守らなければならないものだろうか。

 わずか四、五丁の道が、何十丁もの道のりに思われて、信夫は泣きたくなった。

 やっと校庭にたどりついたころは、さいわい雨が小降りになっていた。暗い校庭はしんとしずまりかえって、何の音もしない。だれかいるかと耳をすましたが話し声はなかった。ほんとうにどこかからか女のすすり泣く声がきこえてくるような、不気味なしずけさだった。集合場所である桜の木の下に近づくと、

 「誰だ」

 と、ふいに声がかかった。信夫はぎくりとした。

 「永野だ」

 「何だ、信夫か」

 信夫の前の席に並んでいる吉川修の声だった。吉川はふだん目だたないが、落ちついて学力のある生徒だった。

 「ああ、吉川か。ひどい雨なのによくきたな」
 だれもくるはずがないと決めていただけに、信夫はおどろいた。

 「だって約束だからな」

 淡々とした吉川の言葉が大人っぽくひびいた。
 約束だからな。

 信夫は吉川の言葉を心の中でつぶやいてみた。するとふしぎなことに、「約束」という言葉の持つ、ずしりとした重さが、信夫にもわかったような気がした。

 ぼくはおとうさまに行けといわれたから、仕方なくきたのだ。約束だからきたのではない。
 信夫は急にはずかしくなった。吉川修が一段えらい人間のように思われた。日ごろ、級長としての誇りを持っていたことが、ひどくつまらなく思われた。

問 「吉川修が一段えらい人間のように思われた」とありますが、信夫はなぜそう思ったのですか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 「みんな、こないじゃないか」

 信夫はいった。

 「うん」

 「どんなことがあっても集まるって約束したのにな」

 信夫はもう、自分は約束を守ってここにきたような気になっていた。

 「雨降りだから、仕方がないよ」

 吉川はいった。

 その声に俺は約束を守ったぞというひびきがなかった。信夫は吉川をほんとうにえらいと思った。

問 信夫が「吉川をほんとうにえらいと思った」のはなぜですか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 塩狩峠(北海道和寒町)は天塩と石狩の国境にある険しい峠である。明治四十二年二月二十八日の夜、急坂を上りつめた列車の最後尾の連結器が外れ、客車が後退しはじめた。偶然、乗り合わせていた鉄道職員・長野政雄がとっさの判断で、線路に身を投げ出し自分の体で客車をとめた。長野のは殉職、乗客は救われた。
 三浦はこの話を旭川のキリスト教会で、長野の部下だった信者から聞いた。「熱心なキリスト者」、「犠牲死」の二つのキーワードが作家の心をうったのだろう。病身の綾子さんは、さっそく夫の三浦光世に付き添われ現場に足を運んだ。そして評論家佐古純一郎の勧めで月刊誌「信徒友」に連載、「永野信夫」を主人公にした物語がはじまった。(by 名作の舞台 鯰のひとりごと)

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三浦綾子 『塩狩峠』

 他人の犠牲になんてなりたかない、誰だってそうさ---そうだろうか、本当に?

 結納のため、札幌に向かった鉄道職員永野信夫の乗った列車は、塩狩峠の頂上にさしかかった時、突然客車が離れて暴走し始めた。声もなく恐怖に怯える乗客。信夫は飛びつくようにハンドブレーキに手をかけた……。
 明治末年、北海道旭川の塩狩峠で、自らを犠牲にして大勢の命を救った一青年の、愛と信仰に貫かれた生涯を描き、生きることの意味を問う長編小説。新潮文庫の100冊。

 夕食の時になって、雨がぽつぽつ降りだしていたが、七時をすぎたころには、雨に風をまじえていた。

 「おかあさま、ぼくこれから学校に行ってもいい?」

 「まあ、これから学校にどんな用事がありますの」

 菊はおどろいて、信夫をみた。

 「つまらないことなんだけど……。そうだ。行ってもつまらないことだから、やめようかな」

問 「つまらないこと」とありますが、何がつまらないことなんですか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 「なにかあるのか」

 新聞を見ていた貞行が顔をあげた。

 「高等科の便所に夜になると女の泣き声がするんだって。みんなで今夜集まって、それがおばけかどうかみるんだって」

 「まあ、おばけなんて、この世にいるわけがありませんよ。そんなことで、こんな雨ふりに出かけることはありませんよ。ねえ、あなた」

 菊はおかしそうに笑った。貞行は腕を組んだまま、少しむずかしい顔をしていた。

 問 貞行が「腕を組んだまま、少しむずかしい顔をしていた」のはなぜですか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 「ええ、ぼく、いかないよ。こんなに雨が降ってきたらだれも集まらないのに決まっているから」

 「そうか。やめるのはいいが、信夫はいったい、みんなとどんな約束をしたんだね」

 「今夜、八時に桜の木の下に集まるって」

 「そう約束したんだね。約束したが、やめるのかね」

 「約束したことはしたけど、行かなくてもいいんです。おばけがいるかどうかなんて、つまらないから」

 こんな雨の中を出ていかねばならないほど、大事なことではないと信夫は考えた。

 「信夫、行っておいで」

 貞行がおだやかにいった。

 「はい。……でも、こんなに雨が降っているんだもの」

 「そうか。雨が降ったら行かなくてもいいという約束だったのか」

 貞行の声がきびしかった。

 「いいえ。雨が降って時はどうするか決めていなかったの」

 信夫はおずおず貞行をみた。

 「約束を破るのは、犬猫に劣るものだよ。犬や猫は約束などしないから、破りようもない。人間よりかしこいようなものだ」

 だけど、たいした約束でもないのに。

 信夫は不満そうに口をとがらせた。

 「信夫。守らなくていい約束なら、はじからしないことだな」

 信夫の心を見通すように貞行はいった。

 「はい」

三浦綾子 『塩狩峠』新潮文庫(シオカリトウゲ)
三浦綾子(ミウラアヤコ)(1922-1999)
旭川生れ。17歳で小学校教員となったが、敗戦後に退職。間もなく肺結核と脊椎カリエスを併発して13年間の闘病生活。病床でキリスト教に目覚め、1952(昭和27)年受洗。1964年、朝日新聞の一千万円懸賞小説に『氷点』が入選、以後、旭川を拠点に作家活動。主な作品に『泥流地帯』『道ありき』『天北原野』『銃口』など。1998(平成10)年、旭川に三浦綾子記念文学館が開館。63刷、250万冊のロングセラー。

 東京生まれの永野信夫は、十歳になるまで祖母のもとで育った。母が「ヤソ」であるために祖母に疎まれ家を出てしまったからだ。祖母の死後に母との生活が始まるが、やはり宗教観の違いに戸惑う。やがて友人吉川の誘いで北海道に渡り鉄道会社に勤めるようになる。明るく振る舞うふじ子や町で出会った伝道師の生き方に魅せられ、キリスト教を受け入れるようになる。 敬虔なキリスト教徒になった永野はふじ子と結婚を約束、結納のために札幌に向かう。事故は結納に向かう列車で起きたと設定、小説は悲しみを募らせる。
 「遺言で長野さんの手紙類はすべて焼き捨てられていたんです。でも長野さんの生き方に思いが深かったんでしょう。悩むことな、とどまることなく、連載を完結しました」と夫の光世は言う。
 著作の多くは口述筆記で仕上げられたが、「塩狩峠」はその最初の一冊であった。
 「塩狩峠は三浦文学の基調をなすものです。愛や犠牲死は三浦さんが訴え続けたテーマでした。それを率直に分かりやすく。だから心を打つんです」(by 三浦綾子記念文学館高野斗志美館長)
 そんな思いが通じて「塩狩峠」は文庫本で63刷、250万冊 のロングセラーを続ける。(by 名作の舞台 鯰のひとりごと)

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国語専科-『カルテノート2』-中学受験家庭教師

駒東平成1年~10年

1「耕作&権太」

2「門&詩人」

3「小宮正作」

4「篤義」

5「次郎」

6「コジュケイ」

7「ぼく&弟」

8「ティオ」

9「エルビン」

10「マリンバ」

e:平成も半分が終わる頃には夏休みも終わりですかね。

F:早く始めたお子さんは順調にいけば、ですね。

e:毎年、9月までズレ込むケースが多いでしょう。

F:『筑駒』をやったりするお子さんもいますし、

e:゛3日校゛対策も少しはやってた方が気分的に後半が楽でしょうからね。

F:暁星の『国語』は手強いですから。

e:最後の問いなんか、ね。

F:『記述』も結構キツイですよ。

e:6割とるのも大変だとか?

F:あと、『海城』の『社会』の『記述』も、ですね。

e:ある程度、夏休みに対策をしておかないと

F:゛アセリ゛ますよ。

e:なかなか、知識があってもあれだけの字数は書けないでしょう?

F:箇条書きにすれば書けます。それだけの知識は持ち合わせてますよ。

e:その知識をいかに上手くまとめ上げるかですか!?

F:『麻布』の『社会』をやってるお子さんさえも゛テコズリ゛問題もありますね。

e:その点、『武蔵』の『社会』をやってるお子さんは書ける?

F:自由『記述』に慣れてますから、

e:”まとめ”慣れている?

F:そうですね。苦に感じないでしょう。

e:ところが、『開成』や『駒東』の『社会』をやってるお子さんは?

F:大変でしょうね。特に、『開成』は。

e:『社会』で書けなくて落ちた、なんて!

F:゛おさえ゛にはならなくなっちゃいますからね。

e:ラストスパートになって、゛オサエ゛の学校にそんなに時間を費やせませんからね……

F:この夏休みをどう過ごすか

e:毎年、言ってますね。

F:『合否』を左右する゛天王山゛だと。

e:夏に゛何゛をやるか!

F:とにかく、やるべきことがはっきり分かっていれば

e:何も心配はいりませんよね。

F:あとはその『計画』を限りなく100%に

e:達成するように最大限

F:努力することですね。

e:要は『計画』の中身でしょう。

F:第一志望校に『合格』するためには何をすべきか?

e:そして、第二、第三志望校に、ですね。

F:その『計画』が実行できたかどうかで

e:決定的な゛差゛がついちゃう、ってことでしょう。

F:『過去問』を徹底的にやれば

e:”門”が見えてきます!?学校別というか、志望校別対策ですね。

F:塾の講習と”別”メニューで!?

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中場利一 「シックスポケッツ・チルドレン」

出版社/著者からの内容紹介

今を浮き彫りにする、悪ガキの黄金の日々!70年代、サウス大阪の漁師町で暮らすヤンチ。働かない父と家出を繰り返し母にはさまれ、胸を痛めつつも、ケンカに勝負に恋に友情に忙しい。ディーブで血の通った悪ガキ成長物語が新しい。

 次の日曜日、ヤンチは一人で静子の働く工場へ遊びに行った。

 今日静子のところへ行くことは一夫には内緒だった。

 静子は日曜日でも働いていた。

 一夫に静子のツメの垢でものませてやりたいが、

 「あーほ、そんなもんのんだら、ワシ心臓発作で死んでしまうがな。気持ちだけもろとくわ」
 などと言って改めようとしないだろう。

 「五時に終わるからな、部屋で待っといて」

 「待ってや。いけるんやろ」

 「うん」

 「ふふん、お母んのニオイや」

 ヤンチはじっと待っていた。

 窓の外が暗くなった頃、やっと静子が帰ってきた。

 「おなかすいたやろ、ちょっと待ってや」

 「はいはい、お待たせェ!」

 ヤンチの大好物のオムライスだった。いつもより玉子がぶ厚い。

 「やゃほー、いっただきまーす」

 「ごめんな、スプーンないから箸で食べてや」
 「ううん、そんなんオッケー・モッケーや」

 「あれ?お母んのは?」

 言うと静子は少し笑って首を振った。

 「つくってる最中に、いっぱいつまみ食いしたから」

 うそだというのはわかっていた。静子の腹の虫が鳴いている音が聞こえていた。

 「オマエのためにつくったんやから、全部お食べ」

 オレのためなんや。ヤンチは思った。オッケーだ。それならモッケーもしなくては。

問 「オレのためなんや。ヤンチは思った。オッケーだ。それならモッケーもしなくては」とありますが、これはどういうことですか。

 「あー、ハラおっきー!」

 フウッとヤンチは後ろに手をつき、身体をのけぞらせた。もう食べれないと半分を残した。
 「もうアカンわ、悪いけどお母ん、のこり食べて」

 ヤンチは言うと、静子は頭の三角巾をはずし、下を向いて目をふいた。そしてヤンチを強く抱きしめた。

問 「静子は頭の三角巾をはずし、下を向いて目をふいた。そしてヤンチを強く抱きしめた」とありますが、この時の「静子」の気持ちを答えなさい。

e: さっきの問いじゃないですが

F: イケモトくんの”親の身勝手”?

e: ヤンチの母親静子も同じでしょ!

F: 一夫の態度に頭にきて家を出て

e: ヤンチに寂しい思いをさせていますね。

F: にもかかわらず、ヤンチは母親静子を思いやり

e: 腹がまだ一杯になってないのがのに

F: オムライスを静子のために残します。

e: この子の思いを感じない親は

F: 親として失格?

e: そのヤンチの思いやりに感激して涙を流すくらいなら

F: さっさと家に戻れ、ですか!?

e: だいの大人が子供に思いやられてどうする!?さあ、静子の気持ちをどう書きますか?

F: ヤンチのどんな態度に何を感じたかをしっかり書けばよいでしょう。

 「痛いよ、痛いてお母ん……痛いて」

 なんだかヤンチまで涙が出てきそうになったが必死で我慢した。男の子だから泣かない。泣いてしまうと家に帰れなくなってしまうような気がした。

問 「なんだかヤンチまで涙が出てきそうになったが必死で我慢した」のはなぜですか。

e: 「下を向いて目をふいた」静子を見て

F: そして、静子に強く抱きしめられました。

e: 母親静子の母性愛を全身で感じ

F: ヤンチの気持ちは揺らぎます。

e: 「男の子だから泣かない」のはなぜ?

F: 「泣いてしまうと家に帰れなくなってしまうような気がした」のはなぜ?

e: 思い切って母親静子と一緒に暮らすか?

F: それとも、また元通り父親一夫と一緒に暮らしていくか?

問 「泣いてしまうと家に帰れなくなってしまうような気がした」のはなぜですか。

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中場利一 「シックスポケッツ・チルドレン」

 ヒビ割れて粉がふき出た黒板に、「将来の夢」という字が白墨できれいに書かれていた。「もうみんなも五年生ですから、何になりたいかは考えているでしょ。今日は夢について語り合いましょう」

 マキ先生が書く漢字はいつも「ハネ」の部分がしっかりとハネていた。今日も将来の将の字が大げさなぐらいにハネている。それに字も美しい。

 「こんなきれいな字ィを書く奴に限って、ぶっさくやねん。女は字ィが汚いほどベッピンが多いもんや」

 五年になって初めてもらった通知表の字を見た時、ヤンチの父である山内一夫はそう言った。山内だからヤンチ。父も息子も町内では同じニックネームで呼ばれていた。

 (ほら、やっぱり。な!)

 家庭訪問にあらわれたマキ先生の顔を指さし、父ヤンチである一夫が笑った。

内容(「BOOK」データベースより)

大阪に万博がやってきた1970年。舞台は漁師町。主人公は、小学五年生のわんぱく少年。一人っ子のヤンチくん。お父んは働きもせずフラフラするばかり、お母んは家出を繰り返す。『岸和田少年愚連隊』小学生篇かと思いきや、これが全く違うのです。好き放題に生きる強烈な大人たちの狭間で、ヤンチは、転校生のヨコワケや仲間たちと、とっびきりの毎日を過ごします。そして、なんと健気に、まっとうに成長していくではありませんか。懐かしいあの頃が、確かに<今>の親と子に、あなたに、『岸和田少年愚連隊』の著者が贈る、長編悪ガキ讃歌。

【これまでのあらすじ】

 会社の上司と問題を起こし、会社に行かなくなってしまった父親の一夫に対して、腹を立てた母親の静子が、息子のヤンチを残して、家を飛び出してしまいました。現在、静子は、工場の寮に住みながら働いていて、家に帰っていません。

 (今日こそ、家の電気がついてますように)

 静子が、一夫でもいい、どちらかが待っててくれる、灯りのついた家をいつも願って歩いた。しかし、願いは叶わず、真っ暗な家の窓を見て肩を落とすのが常だ。

 今日もそう思って歩いていた。近道は使わずに遠回りをしてみた。

問 「近道は使わずに遠回りをしてみた」のはなぜですか。

e: 中場利一の「シックスポケッツ・チルドレン」?

F: 中場利一と言えば、もちろん「岸和田少年愚連隊」でしょうか?

e: シリーズ化しててファンも多い?

F: 文字を入力してて、懐かしい”言い回し”

e: 子供時代に使ってた?

F: 大阪と神戸とは多少違いますが…

e: 関西弁では共通してますよね。

F: 神戸弁はもともと漁師ことば。須磨、舞子、垂水、明石…

e: ”なんどいや”?『源氏物語』?

F: 多少、”ガラ”が悪い?

e: ”河内弁”といい勝負?

F: 入力するとき、なかなか”シンドイ”!

e: 今は”吉本”がパフォーマンス的に使ってるみたい?

F: 若い人たちは標準語に近い話し方をしてると聞きますね。

e: 関西弁も”絶滅危惧方言”!?

F: おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に住んでいませんから

e: 方言も伝承していかない?

F: 地方の”東京化”なんてよく聞きますが…

e: ”らしさ”がなくなりつつある?

F: ある知人が「京都も標準語を使ってた!?」なんて、嘆いていました。

e: ビルが建ち並び

F: そびえ立ちでしょう?

e: 遠景に寺社が、なんて

F: 望むべくもない……借景も!?

e: さて、「遠回り」をしたのはなぜ?

F: 遠回りを「した」ではなく

e: 遠回りを「してみた」の「みた」がヒント?

F: この「みた」は”試しに…する”

e: 直前の2行から

F: 「今日こそ、電気がついていますように」

e: 「静子が、一夫でもいい」から家に居て欲しいと願ってはみても

F: いつも裏切られていますね。

e: 「灯りのついた家」を望んでいるのに…

F: しかし、”もしかしたら…”

e: なんて、一縷の望みは捨て切れない!

F: その気持ちは痛いほどわかりますね…

e: 「遠回り」をするということは?

F: 今日もいつもと同じだろうと半分あきらめながらも

e: 遅く帰れば”もしかしたら”どちらかがいるかもしれないという気持ちを捨て切れないでいるんですね…

F: ヤンチがどのようなことを願いながら「遠回りをしてみた」のかを想像して書けばいいでしょう。

e: その時の「ヤンチ」のずばりの気持ちは?

 「よっしゃわかった!そないしょうや!」

 「別れるていうこと?離婚やね!」

 「そうや!子供のためや!」

 「そやね!そのほうがあの子ら幸せになるわ」
 オレンジ色の灯りの中で怒鳴り合っていらっしゃい。二階の窓に、せわしなく動き回るイケモトくんらしき影がうつっていた。

 (なにが子供のためやねん。オッケーだけやんけ)

 表札の下のチャイムを押してやった。ピンポンピンポンピンポン。ヤンチはピンポンダッシュで走って逃げた。争う声は止まったけど、またすぐに再開するだろう。

問 「表札の下のチャイムを押してやった」とありますが、なぜヤンチはこのようなことをしたのですか。

e: 「(なにが子供のためやねん。オッケーだけやんけ)」なんて思ってますね。

F: 「オッケーだけやんけ」の

e: 「オッケー」って?

F: 「ごめんな、スプーンないから箸で食べてや」と静子に言われ

e: それに対し、ヤンチは「ううん、オッケー・モッケーや」

F: 「オマエのためにつくったんやから、全部お食べ」と静子は言ったことに

e: 「オレのためなんや。ヤンチは思った。オッケーだ。それならモッケーもしなくては。」

F: さらに「ワシ、ワシ、ワシばっかりやんか。この子のためやのォて、あんたはいつも自分自身やん」と言った一夫に

e: ヤンチは「お父んはオッケー・モッケーのオッケーだけやねん。モッケーがないねん」

F: ということから「オッケー」とは?

e: ”自己中”!?

F: ”天動説”!?

e: で、それに対してどう感じたか?

F: 「チャイムを押してやった」がその結果の行動です。

e: 押して「やった」!?

中場利一 「シックスポケッツ・チルドレン」集英社2007年刊
中場利一(なかば りいち、1959年-)は、日本の作家。大阪府岸和田市出身。高校中退後にヒモ生活をおくっていたが「本の雑誌」の読者投稿欄への投稿がきっかけで、1994年、自伝的小説「岸和田少年愚連隊」でデビュー。

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 夏は中学入試の『合否』を決する゛天王山゛-夏を制するものは入試を征するといわゆる所以です。

 夏といえば、言わずと知れた弱点補強の徹底に尽きます。大手塾の大きな模試もあり、自分の弱点は分かってきているはずです。勇気を持ってそれにチャレンジするかどうかで、『合否』が決まるといっても過言ではないでしょう。

 しかし、自ら進んでそれを実行することはなかなか至難です。また、多人数のクラス授業では意識して臨まない限り、それほど効果は期待できないでしょう。

 夏こそ、まさしく、プロチューターの出番です。マン・ツー・マンですから、その効果のほどは絶大です。これは過去の実績が物語っています。

 苦手な単元を徹底してやる。これが『合格』への近道だと断言できます。そこに、苦手を得手にしてしまう゛ミラクルチューター゛の存在が不可欠です。

 志望校『合格』のカギ、それは、徹底した弱点補強です。

 そして、キーワードは゛苦手を得手に゛!そして、この夏、ライバルを一気に抜き、差をつけましょう。ー『チャレンジ算数』1997年7月号より

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F:『過去問』をやって『合判予備』の「国語」もそこそこ点をとれる?

e:親御さんは゛不思議゛がられるんでしょう。

F:『記述』の勉強ばかりしててどうして?

e:ああいう゛形式゛の問題ができるようになるのか、ということですか?

F:そうですね。穴埋め、書き抜き、選択肢などの問題ができるようになるんです。一方で、『合判予備』の『過去問』を何本もやってもとれないお子さんがいるんですね。

e:違いはなんですか?『算数』では考えられないですけどね。

F:『計算力』のないお子さんは『合判予備』もダメだし、当然複雑な『過去問』の計算もできないでしょう?

e:最近、どういうわけか『計算力』

F:『計算力』ですね。゛~式゛とか、やってた方が有利なんですか?

e:さあ、どうしよう。もちろん、夏休みまではバッチリ『計算』の訓練はやりますが。

F:昔、塾で『算数』の授業を見学させてもらったことがあるんですよ。

e:どのクラスの、ですか。

F:『開成クラス』ですね。

e:で、感想は?

F:まあ、とにかく『計算』が早いのには驚きでした。

e:○△×△○=?とか△○÷○△=?なんか一瞬のうちに答をだすでしょ!

F:別に不思議でもなんでもないんですか?

e:ないですね。過去に何回も何回も同じ計算はしてますから。

F:なるほど。計算しなくても数値は覚えてるんですね。

e:『開成』レベルを受けるお子さんはそりゃ恐ろしいくらい゛計算゛はしてますよ。

F:゛計算゛に始まって゛計算゛で終わる感じですね。インド式って誤解されてますよね。

e:゛スピード゛を競う?こうすれば、゛簡単゛に答がでることからですかね?

F:ということは結局、゛スピード゛重視?ということになっちゃうでしょ?

e:゛いろんな゛解き方がありますよ、ってことなんですね。本当は。

F:こんな解き方もあるんです、ということでしょ?

e:子供の頃から゛いろんな゛解き方があることを教えることによって

F:世界には゛いろんな゛(考えを持っ)人たちがいる、ことを『算数』を通して

e:それとなく、教えているんですかね。

F:『国語』とか『社会』をもリンクさせてる?

e:『価値観』の゛多様性゛を、ですかね。

F:゛境界゛を作ってないんでしょうね。

e:日本は価値観の゛液状化゛現象が起こっている感じがしますけどね。

F:ある意味で境がなくなってますが。『計算』=『知識』のような気がするんですね。

e:また独断と偏見ですか?『計算』=『パス』?『知識』=『パス』?

F:悪い言い方をすれば゛知識バカ゛

e:゛計算バカ゛?どうなんですか?

F:インドは゛知識゛を゛知恵゛に変える゛過程゛を重視してるように思えるんですね。

e:いろんなな゛過程゛を基本にしてるってことでしょうか?

F:結局、゛いろんな゛考え方ができる人間を育て上げる

e:そうすることによって゛いろんな゛考え方をする人間を゛受容゛できるようになる?

F:ということでしょうね。

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expertFORUM  中学受験家庭教師-『シックスポケッツ・チルドレン』-国語専科

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中場利一 「シックスポケッツ・チルドレン」

出版社/著者からの内容紹介
今を浮き彫りにする、悪ガキの黄金の日々!70年代、サウス大阪の漁師町で暮らすヤンチ。働かない父と家出を繰り返す母にはさまれ、胸を痛めつつも、ケンカに勝負に恋に友情に忙しい。ディーブで血の通った悪ガキ成長物語が新しい。

 数日後、静子に謝るため頭を丸めた一夫は、ヤンチとともに静子の勤める工場の寮に出かけました。しかし、酒を呑んで酔っていた一夫は、寮の敷地内で暴れはじめてしまいました。

 「お父ん!帰ろ。もう帰ろ」

 「うるさい!オマエのためにやってんじゃない」

 「アホか!だいたい分かってんねん」

 ヤンチは走った。一夫より先に寮へと走り、静子に知らせようとした。あんな状態の一夫とは話にならない。しかし静子は毅然としていた。ヤンチを部屋の中に入れると、中からカギをしめた。

 ---ドンドンドン!!ドンドンドン!!

 「ワシが悪かった。ちゅーてんね!頭まで剃って謝ってんね!開けんかコラアー!!」

 ドンドンドンドス!一夫が何を怒鳴ろうが、何をしようが、静子は黙ったままだ。

 またドンドンドンと一夫は戸を蹴った。

 「ワシ、ワシ、ワシばっかりやんか。この子のためやのォて、あんたはいつも自分自身やん」
 やっと言葉を発した静子は、一夫の痛いところをグサリと突いた。

問 「一夫の痛いところをグサリと突いた」とありますが、「一夫の痛いところ」とはどのようなところですか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 「お父んはオッケー・モッケーのオッケーだけやねん。モッケーがないねん」

 「……なんやそれ……」

 よいしょ。一夫が起きる音がした。そしてしばらくは静まり返っていた。十分ほどしてから静子はそっと戸を開けた。一夫の姿はどこにもなく、その夜一夫はまた家にも帰って来なかった。

 「そやからな、来月からイケモトくん、ツジモトくんに名字が変わるんやて。たいして変わりばえせんけどな……内緒やで」

 教室中に漏れているカズミの内緒話を聞きつつ、ヤンチは複雑だった。オレも名字が変わるのか?今回の静子の家出は新記録の長さだ。ひょっとしたらひょっとするぞ。

問 「ヤンチは複雑だった」のはなぜですか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 (今度、お母んに聞いてみちゃろ)

 思っていたら、その日の夕方、静子と会った。

 「どや?ちゃんとごはん食べてるか」

 静子はヤンチを抱きしめ、持ち上げた。体重で栄養失調かどうかを判定しているらしい。

 「なあ、お母ん」

 「なんや」

 「オレ、いつか名字変わるんか」

 言ったら静子は黙り込んだ。

問 「静子は黙り込んだ」とありますが、この時の「静子」の気持ちを答えなさい。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 悪いことを言ったなと思ったヤンチは「ごめん!」と謝った。

 「謝るんはお母んのほうや……そんなこと心配させたんやな……お母んはアホやな」

 静子はヤンチの頭を何度も撫でた。

 ---ウォッホン!

 その時、家の中から一夫の咳払いが聞こえた。静子は大慌てでヤンチにこづかいを渡すと、
 「お母ちゃんと会うたのん、お父さんには内緒やで」

 と、電柱の陰に身をかくし、手でヤンチに(帰れ)と合図した。

 「なんで?ええやん別に、言うても」

 ヤンチが言うと、静子はしばらく考え、そやなと言って笑った。また一夫の咳払いがした。

問 「静子はしばらく考え、そやなと言って笑った」ことから、静子についてどのようなことがわかりますか。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

 ヤンチは静子に手を振って家の中に入り、一夫に静子のことを言った。

 「……フン!あほか」

 一夫は悪態をつきながらもうれしそうだった。急に機嫌もよくなり、またオムライスをつくり始めてしまった。ヤンチが家の中から外を見ると、もう静子の姿はなかった。

問 「一夫は悪態をつきながらもうれしそうだった」とありますが、この時の「一夫」の気持ちを答えなさい。

e:

F:

e:

F:

e:

F:

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<P> </P>
<P>中場利一 「シックスポケッツ・チルドレン」</P>
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<P> ヒビ割れて粉がふき出た黒板に、「将来の夢」という字が白墨できれいに書かれていた。「もうみんなも五年生ですから、何になりたいかは考えているでしょ。今日は夢について語り合いましょう」 マキ先生が書く漢字はいつも「ハネ」の部分がしっかりとハネていた。今日も将来の将の字が大げさなぐらいにハネている。それに字も美しい。 「こんなきれいな字ィを書く奴に限って、ぶっさくやねん。女は字ィが汚いほどベッピンが多いもんや」 五年になって初めてもらった通知表の字を見た時、ヤンチの父である山内一夫はそう言った。山内だからヤンチ。父も息子も町内では同じニックネームで呼ばれていた。 (ほら、やっぱり。な!) 家庭訪問にあらわれたマキ先生の顔を指さし、父ヤンチである一夫が笑った。</P>
<P> </P>
<P>【これまでのあらすじ】</P>
<P> 会社の上司と問題を起こし、会社に行かなくなってしまった父親の一夫に対して、腹を立てた母親の静子が、息子のヤンチを残して、家を飛び出してしまいました。現在、静子は、工場の寮に住みながら働いていて、家に帰っていません。</P>
<P> </P>
<P> (今日こそ、家の電気がついてますように)</P>
<P> 静子が、一夫でもいい、どちらかが待っててくれる、灯りのついた家をいつも願って歩いた。しかし、願いは叶わず、真っ暗な家の窓を見て肩を落とすのが常だ。</P>
<P> 今日もそう思って歩いていた。近道は使わずに遠回りをしてみた。</P>
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<P>問 「近道は使わずに遠回りをしてみた」のはなぜですか。</P>
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<P> 「よっしゃわかった!そないしょうや!」</P>
<P> 「別れるていうこと?離婚やね!」</P>
<P> 「そうや!子供のためや!」</P>
<P> 「そやね!そのほうがあの子ら幸せになるわ」</P>
<P> (なにが子供のためやねん。オッケーだけやんけ)</P>
<P> 表札の下のチャイムを押してやった。ピンポンピンポンピンポン。ヤンチはピンポンダッシュで走って逃げた。争う声は止まったけど、またすぐに再開するだろう。</P>
<P> </P>
<P>問 「表札の下のチャイムを押してやった」とありますが、なぜヤンチはこのようなことをしたのですか。</P>
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<P> 次の日曜日、ヤンチは一人で静子の働く工場へ遊びに行った。</P>
<P> 今日静子のところへ行くことは一夫には内緒だった。</P>
<P> 静子は日曜日でも働いていた。</P>
<P> 一夫に静子のツメの垢でものませてやりたいが、</P>
<P> 「あーほ、そんなもんのんだら、ワシ心臓発作で死んでしまうがな。気持ちだけもろとくわ」 などと言って改めようとしないだろう。</P>
<P> 「五時に終わるからな、部屋で待っといて」</P>
<P> 「待ってや。いけるんやろ」</P>
<P> 「うん」</P>
<P> 「ふふん、お母んのニオイや」</P>
<P> ヤンチはじっと待っていた。</P>
<P> </P>
<P> 窓の外が暗くなった頃、やっと静子が帰ってきた。</P>
<P> 「おなかすいたやろ、ちょっと待ってや」</P>
<P> 「はいはい、お待たせェ!」</P>
<P> ヤンチの大好物のオムライスだった。いつもより玉子がぶ厚い。</P>
<P> 「やゃほー、いっただきまーす」</P>
<P> 「ごめんな、スプーンないから箸で食べてや」 「ううん、そんなんオッケー・モッケーや」</P>
<P> 「あれ?お母んのは?」</P>
<P> 言うと静子は少し笑って首を振った。</P>
<P> 「つくってる最中に、いっぱいつまみ食いしたから」</P>
<P> うそだというのはわかっていた。静子の腹の虫が鳴いている音が聞こえていた。</P>
<P> 「オマエのためにつくったんやから、全部お食べ」</P>
<P> オレのためなんや。ヤンチは思った。オッケーだ。それならモッケーもしなくては。</P>
<P> </P>
<P>問 「オレのためなんや。ヤンチは思った。オッケーだ。それならモッケーもしなくては」とありますが、これはどういうことですか。</P>
<P> 「あー、ハラおっきー!」</P>
<P> フウッとヤンチは後ろに手をつき、身体をのけぞらせた。もう食べれないと半分を残した。 「もうアカンわ、悪いけどお母ん、のこり食べて」</P>
<P> ヤンチは言うと、静子は頭の三角巾をはずし、下を向いて目をふいた。そしてヤンチを強く抱きしめた。</P>
<P> </P>
<P>問 「静子は頭の三角巾をはずし、下を向いて目をふいた。そしてヤンチを強く抱きしめた」とありますが、この時の「静子」の気持ちを答えなさい。</P>
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<P> 「痛いよ、痛いてお母ん……痛いて」</P>
<P> なんだかヤンチまで涙が出てきそうになったが必死で我慢した。男の子だから泣かない。泣いてしまうと家に帰れなくなってしまうような気がした。</P>
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<P>問 「なんだかヤンチまで涙が出てきそうになったが必死で我慢した」のはなぜですか。</P>
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<P>問 「泣いてしまうと家に帰れなくなってしまうような気がした」のはなぜですか。</P>
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<P>中場利一 「シックスポケッツ・チルドレン」集英社2007年刊中場利一(なかば りいち、1959年-)は、日本の作家。大阪府岸和田市出身。高校中退後にヒモ生活をおくっていたが「本の雑誌」の読者投稿欄への投稿がきっかけで、1994年、自伝的小説「岸和田少年愚連隊」でデビュー。</P>

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<strong>国語専科-『過去問』の相乗効果-中学受験家庭教師</strong>

F:『過去問』をやって『合判予備』の「国語」もそこそこ点をとれる?

e:親御さんは゛不思議゛がられるんでしょう。

F:『記述』の勉強ばかりしててどうして?

e:ああいう゛形式゛の問題ができるようになるのか、ということですか?

F:そうですね。穴埋め、書き抜き、選択肢などの問題ができるようになるんです。一方で、『合判予備』の『過去問』を何本もやってもとれないお子さんがいるんですね。

e:違いはなんですか?『算数』では考えられないですけどね。

F:『計算力』のないお子さんは『合判予備』もダメだし、当然複雑な『過去問』の計算もできないでしょう?

e:最近、どういうわけか『計算力』

F:『計算力』ですね。゛~式゛とか、やってた方が有利なんですか?

e:さあ、どうしよう。もちろん、夏休みまではバッチリ『計算』の訓練はやりますが。

F:昔、塾で『算数』の授業を見学させてもらったことがあるんですよ。

e:どのクラスの、ですか。

F:『開成クラス』ですね。

e:で、感想は?

F:まあ、とにかく『計算』が早いのには驚きでした。

e:○△×△○=?とか△○÷○△=?なんか一瞬のうちに答をだすでしょ!

F:別に不思議でもなんでもないんですか?

e:ないですね。過去に何回も何回も同じ計算はしてますから。

F:なるほど。計算しなくても数値は覚えてるんですね。

e:『開成』レベルを受けるお子さんはそりゃ恐ろしいくらい゛計算゛はしてますよ。

F:゛計算゛に始まって゛計算゛で終わる感じですね。インド式って誤解されてますよね。

e:゛スピード゛を競う?こうすれば、゛簡単゛に答がでることからですかね?

F:ということは結局、゛スピード゛重視?ということになっちゃうでしょ?

e:゛いろんな゛解き方がありますよ、ってことなんですね。本当は。

F:こんな解き方もあるんです、ということでしょ?

e:子供の頃から゛いろんな゛解き方があることを教えることによって

F:世界には゛いろんな゛(考えを持っ)人たちがいる、ことを『算数』を通して

e:それとなく、教えているんですかね。

F:『国語』とか『社会』をもリンクさせてる?

e:『価値観』の゛多様性゛を、ですかね。

F:゛境界゛を作ってないんでしょうね。

e:日本は価値観の゛液状化゛現象が起こっている感じがしますけどね。

F:ある意味で境がなくなってますが。『計算』=『知識』のような気がするんですね。

e:また独断と偏見ですか?『計算』=『パス』?『知識』=『パス』?

F:悪い言い方をすれば゛知識バカ゛

e:゛計算バカ゛?どうなんですか?

F:インドは゛知識゛を゛知恵゛に変える゛過程゛を重視してるように思えるんですね。

e:いろんなな゛過程゛を基本にしてるってことでしょうか?

F:結局、゛いろんな゛考え方ができる人間を育て上げる

e:そうすることによって゛いろんな゛考え方をする人間を゛受容゛できるようになる?

F:ということでしょうね。

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expertFORUM  中学受験家庭教師-『少年のはるかな海』-国語専科

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ヘニング・マンケル「少年のはるかな海」

 「出ていってから、何の連絡もない。手紙ひとつよこさない。だから、あいつが生きているのか、何をしているのか、おれは知らない……」

 母さんのことを話したい。サラのことも話したい。でも、同時には無理だ。

 とつぜん、サムエルは立ち上がった。

 「サラのところへは行かないで。」ヨエルはすがるように言った。

 「おれは生きたいところへ行く。」サムエルはまゆ毛をつりあげて、ヨエルを見た。いっしゅん、目の中にキケンは光が見えた。

 「……サラの部屋に石を投げたやつがいるんだが、まさか、おまえじゃないだろうな?」

 そのとおりさ、ヨエルは思った。ぼくさ、石を投げたのは。投げた石がサラの頭にあたり、大きなこぶができて、赤いぼうしをかぶれなくなればいいと思ったのは……。

 けれども、口に出しては言わなかった。

 「ぼくが石を投げたって?」

 ヨエルはサムエルをまっすぐに見つめ、何か他のことを考えようとした。……犬。星に向かって走っていた犬。

 「ついてこい」サムエルはいきなり言った。
 「サラのところへいっしょに行こう。サラがおまえに何か食べるものを作ってくれるだろう。」

 サラのところへついてこいだって?ヨエルはサムエルを見つめかえした。本気で言っているんだろうか。

 「来いよ。いっしょに行こう。」サムエルはもう一度言った。

 ヨエルの胸に、なぜかうれしさがこみあげてきた。自分でもよくわかない。いまいちばん会いたくないサラのところへ行くことが、なぜこんなにうれしいんだろう。

問 「ヨエルの胸に、なぜかうれしさがこみあげてきた」とありますが、この時の「ヨエル」の気持ちを答えなさい。

 とにかく、サムエルが「いっしょに行こう」と言ったとたん、サムエルはまた父さんになった。

問 「サムエルが「いっしょに行こう」と言ったとたん、サムエルはまた父さんになった」とありますが、これはどういうことですか。

 寒くてふるえているときに、足をお湯にひたしたときたらときみたいに、からだ全体にあたたかさが伝わってくる。

 「来るのか、来ないのか?」父さんがきいた。
 ヨエルはうなずいた。もちろん、行くにきまっている。

 暗い雪道を歩きながら、ヨエルはとても不思議な気がしていた。

 きょう、森で死んだ人がいる。ぼくが森に行き、死んでしまおうと思っていた同じ日に……。

 ヨエルは父さんにぴったりよりそった。こうして歩くのは、とても久しぶりだ。

 「悲しい?」

 ヨエルがきくと、父さんは「ああ。」と答えた。

 「死ぬときって、どうなるの?」

 「さあ、おれにはわからん。」

 ヨエルは父さんと歩きながらも、自分の気持ちをつかみきれずにいた。いま、自分はサラの家に向かっている。どうして、それがうれしいんだろう。

問 「自分の気持ちをつかみきれずにいた」とありますが、どのようなことを「つかみきれずにいた」のですか。

 きのうの夜は、うろたえながらやみの中を走っていき、サラの窓に石を投げつけた。いまは、父さんといっしょにその家を訪ねていく。

 ヨエルはまだサラがきらいだった。バーで働く赤いぼうしの女が、ゆくえ不明の母親のかわりになることはない。それでも、ヨエルはサラの家にへ行く。

問 「それでも、ヨエルはサラの家にへ行く」のはなぜですか。

 子どもはおとなとはちがう。おとなには、したくないことでもやってのけられる子どもの気持ちがわからない。

 中庭に入る門をくぐったとき、ヨエルは再び不安にかられた。父さんに、「石を投げたのはおまえだろう!」と首をおさえこまれるのではないだろうか。父さんはサラの前で真実をあばくために、ぼくを連れてきたのかもしれない。
 「どうした?気がかわったか?」

 ヨエルはその真意をさぐろうとした。父さんはどこまで知っているんだろうか。

 「ヨエル、行こう。こんなところで立っていてもしょうがない。」

 ヨエルは不安な気持ちを抱いたまま、あとに続いた。

問 「不安な気持ち」とありますが、それはどのような気持ちですか。

e: 少し前に「中庭に入る門をくぐったとき、ヨエルは再び不安にかられた」とありますね。

F: 「父さんに、『石を投げたのはおまえだろう!』と首をおさえこまれるのではないだろうか」と心配してます。

e: 「父さんはサラの前で真実をあばくために、ぼくを連れてきたのかもしれない」ともありますね。

F: 「まさか、おまえじゃないだろうな?」

e: と軽く言われ、「そのとおりさ」

F: 「ぼくさ。石を投げたのは」とはずいぶん違いますけどね…

問 この「不安な気持ち」のほかに、心の奥にずっと抱いているもう一つの「不安な気持ち」は何ですか。

ミステリで知られる作者のヘニング・マンケル作「少年のはるかな海」。これは、1990年作の児童文学。スウェーデンの北部の小さな街。少年ヨエルは、森で木を伐る仕事をしている父親サムエルと、二人だけで暮らしています。
学校の帰りに買い物をしてジャガイモをふかして、父の帰りを待つ生活。
かつて船乗りだった父が元に戻ればいいと思いつつ、一人で想像を巡らす孤独がちで多感な少年でした。
夜中に走っている犬を見かけたことから、一人で家を抜け出すようになり、トラックで走る変わり者のシモンや、鼻のかけたイェルトルドなどと知り合いになります。
新任の判事の息子トゥーレと出会い、秘密クラブの活動と称して、夜中に冒険を始めるのです。出て行った母を思い、父が酒場に勤めるサラと付き合いだしたことに悩みますが、しだいに…?
不満や寂しさも抱えている男の子の、初めて経験することが、いきいきとした手触りで描かれています。
甘くはないけれど不思議な味わいの、なかなか素敵な作品でした。(by 「スローな読書ライフ sanaの見たもの読んだもの」より)

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ヘニング・マンケル「少年のはるかな海」

 少年ヨエルは、その日、森へ行って死んでしまおうと思い、家を出た。わざと道をまちがえ、こごえ死のうなどと考えながら歩いていくと、<四つの風の湖>と呼ばれる湖に着いた。そこで、変わり者といわれているシモンに出会い、話をするうち、死んでしまおうと考えていたことがばかばかしく思えてきて、家に帰った。

 ヨエルはサムエルの深刻な様子に気がついた。きっと、ばれたんだ。石を投げたことが。学校をさぼったことも。心の準備をしなければ……。

 けれども、それはヨエルの思いすごしだった。

 「事故がおきたんだ」サムエルは言った。

 前にも一度、サムエルの仕事仲間が事故で死んだことがある。あのとき、サムエルは家にこもって、海図をながめてばかりいた。森で再び働き始めるのに、何日もかかった。

問 「あのとき、サムエルは家にこもって、海図をながめてばかりいた」のはなぜですか。

e: ヘニング・マンケル?

F: 北欧のミステリ作家ですね。舞台演出家としても活躍中みたいです。

e: と言っても、この物語はミステリではないですよね…

F: 父サムエルと二人暮らしのヨエルはその父に

e: サラという”女”ができるんでしょう?

F: ヨエルはその女性を気に入らないんです。
e: で、悪さをするんだ!

F: サラの家の窓に石を投げ

e: サラに怪我をさせてしまうんでしょう。

F: 前の真夜中の出来事で、次の日に

e: どういう訳か、父親サムエルはそのサラの家に行こうとヨエルを誘う!

F: ヨエルは”なんで!?”

 いま、ヨエルには、長いすにすわったサムエルが小さな子どものように見える。

 ぼくがなぐさめることができれば、サムエルはわかってくれるだろう。サムエルと一緒にいなければならないのは、サラではなくて、ぼくなんだと……。

 ヨエルは火をおこすと、コーヒーのポットをかけた。

 「死んでしまった。」サムエルはつぶやいた。

 サムエルはうちのめされている。小さく見えるのはそのせいだ。

 「森なんて、もう、どうでもいいじゃないか!」ヨエルは言った。

 「考えていたんだ。もし、このおれに何かあったら、おまえはどうなるのかと……」

 「サラのところへは行かないよ。ぼくは、シモンのところへ行くんだ。」

 サムエルは首をふった。

 「それはだめだ。でも、おれだって、いろいろ考えてるんだ……」

 「ひっこせばいいじゃないか。迷うことはない。海なら、木もたおれてこないもの。」

 お湯がふっとうしはじめた。

 「おまえ、コーヒーをのむのか?知らなかった。」

 「たまにね。カップに半分だけだけど。」

 ヨエルがそう答えると、サムエル不思議そうな目でヨエルを見つめた。いままでに見たことのない人間を見るような目つきだ。

問 「ヨエルがそう答えると、サムエル不思議そうな目でヨエルを見つめた」のはなぜですか。

e: なんという父親!?

F: 「いままでに見たことのない人間を見るような目つきだ」

e: 父親不信に陥りますね…女の方にばかり目が向いていた!?

F: ですから、「森へ行って死んでしまおうと思い、家を出た」

e: そんなことは父親のサムエルは露知らず?
F: 「……サラの部屋に石を投げたやつがいるんだが、まさか、おまえじゃないだろうな?」

e: 「おまえだろう!おまえしかいない」なんて言わないで…

F: 「ちょっときいてみただけだよ」

e: と、また”のうてんき”な事を言っていますね。

F: 「ミラクル」の父親を思い出しません?

e: 奥さんを亡くして、呑んだくれている父親ね…

F: 状況が相当違いますけどね……

e: いずれも、子よりも妻!?ですかね…

F: 男はそうなんですかね……

e: 妻に先立たれると、後を追いますから。

F: 子供がいてもいなくても?

e: ”子煩悩”なんて、いいますが…

F: 「おまえ、コーヒーをのむのか?知らなかった」

e: 子供には無関心だった証拠ですかね……

F: 職業柄?

e: それで女房に逃げられた?

 「十一か、もうすぐ十二だな。すっかり、忘れてた……」

 ヨエルは話を続けなければと思った。サムエルが悲しみにしずんでいるいまこそ……。

問 「ヨエルは話を続けなければと思った」のはなぜですか。

e: これ、解るかしら?

F: ヨエルの気持ちの読み取り

e: それも、心の奥底のでしょ?

F: 母親は家を出て行った!?

e: 何故か……?

F: 母子家庭と父子家庭

e: 受験生でそういうご家庭は?

F: 絶対的に少ないでしょう!

e: ほとんどの受験生にとっては想像の世界?
F: 物語ではよく出てきます。

e: 最近の傾向?

F: 今も昔も!”複雑さ”は違いますけどね。

 「ぼくはサラがきらいだ。どうして、サラと会うの?」

 「サラはいい人だ。サラといると、楽しくなる。人生を笑って生きているからな。泣きたいことがたくさんあっても……」

 「ぼくたちは笑わないの?」

 「ヨエル、比べてばかりいるもんじゃない。おれだって、会いたくなることも……」

 サムエルはことばをつまらせた。

 「母さんにだね。」

 サムエルはうなずいた。サムエルはテーブルよりも小さく見える。

 「そうだ。あいつが恋しい。でも、あいつは出ていった。おれはあいつが恋しがったりしたくない。おれのことを恋しいと思ってないやつのことを、恋しいと思いたくないんだ。」

 「どうして、そうだとわかるの?」

 ヨエルがそうきいたとたん、サムエルのからだがぐんと大きくなった。

問 「サムエルのからだがぐんと大きくなった」とありますが、ヨエルから見たサムエルの印象が、その前と後ではどのように変化していますか。

「少年のはるかな海」ヘニング・マンケル作菱木晃子訳偕成社
Henning Mankell
1948年ストックホルム生まれ、作家・舞台演出家として活躍。
1991年スウェーデン ニルス・ホルゲション賞受賞
1993年ドイツ児童文学賞受賞

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国語専科-『人びとの忘れもの』-中学受験家庭教師

感受性豊かな少女とおばあさんの心の交流。大切な約束を果たさなかった少女の後悔の念を描いている。

《あらすじ》

「小さい手袋」という作品は、父親である語り手が、娘の小3のころの思い出をふりかえるという形になっている。娘は雑木林のそばで「宮下さん」という老女に知り合い親しくなるが、祖父が脳卒中で亡くなったことから、同じ病気を持つ「宮下さん」に会いに行くのをやめてしまう。2年半後、その老女の入院していた病院に行った父娘は、「宮下さん」のことを尋ね、「宮下さん」が娘に会いたがっていたこと、クリスマスプレゼントに手作りの小さな手袋を用意していたことを知る。「宮下さん」がまだ入院していることを知った娘は会いたがるが、もう痴呆が始まっていて、会っても分からないだろうと修道女に止められる。小さな手袋を握りしめた娘は、父とともにそっと雑木林の入り口へと向かう。

 東北から帰ってきてから、シホはまるでおばあさんのことを忘れたように雑木林から遠のいた。

 それがきわめて[自然]だったので、私も妻も顔を見合わせただけで一言も触れなかった。おばあさんがシホを心待ちしているだろうことは察せられた。

 しかし、私たちにはそのときの娘の心に立ち入ることはどうしてもできなかった。もしかしたら、シホはおばあさんのことを本当に忘れてしまったのかもしれない。そのような[自然さ]だった。

e:三年生、つまり九歳でおばあさんと出会い

F:そして、シホの記憶から忘れ去られた時点で

e:おばあさんとの゛別れ゛になってしまったんですね。

F:シホが十一歳、つまり六年生になって、おばあさんのことを思い出した時には

e:おばあさんの記憶からシホは消え去っていた。ところで、声教には「同じ時期におばあさんと同じ病気で祖父が亡くなり、そのつらさから会いに行かなくなってしまったシホを待って、手袋を編むおばあさん。」とありますが、

F:また、でましたね。

e:「そのつらさから会いに行かなくなってしまったシホ」の”そのつらさから”ですか?

F:”つらさ”じゃなく、

e:{自然}じゃないかと?なんと言っても9歳ですからね。

F:”感受性”の強いお嬢さんだとどうでしょうか?

 およそ二年半後の春六年生になったばかりのシホが雑木林のおばあさんのことを思い出したのは、ほんのちょっとしたきっかけからだった。

 その日は祝祭日だった。ところが、せっかくのお休みなのに、シホは前夜から風邪で発熱していた?行きつけの病院もお休みである。

 そこで、私はシホを自転車の荷台に乗せてカペナウム病院へ行くことにした。

 薬の出るのを待っていると、シホが、そうだ、といった。

 「やっぱり聞いてみようっと」

 「いまは、そのような方はいませんねえ。いつごろ入院していらしたんですか」

 「二年半ぐらい前ですけど……」

 「それじゃあ、わたしがここに来る前ですね。ちょっと待ってください」

 「あなたがシホちゃんなのね。やっぱりいたのね。ほんとだったのね」

 修道女は、低い声で、興奮をおさえるようにして、いった。

 「探したのよ。宮下さんに頼まれてねえ」

 修道女の話によると、シホが会いに来なくなってから一ヶ月ほど、おばあさんは毎日のように雑木林に行って待っていたのだそうだ。

 クリスマスの近づいたある日、おばあさんは修道女に泣いて頼んだそうだ。シホちゃんに渡したいものがあるから、どうしても探してほしい。これを渡すだけでいいのだから。見つけて連れてきてください。

 しばらくしてから、彼女は茶色の袋を持って現れた。

 「これ、シホちゃんへのクリスマスプレゼントなのよ。あのあと、わたしが預かっていました」

 二年以上も、つぶやきながら、シホは袋を開けてみた。手袋だった。赤と緑の毛糸で編んだミトンの可愛い手袋だった。

 「それはね、宮下さんがシホちゃんに内緒で、毎晩少しずつ編んだものなのよ。あの不自由な手で、一ヶ月半もかかって……」

 手袋は、それほど長い日数をかけたにしては、あまりに小さかった。常人の五倍も時間がかかるという苦しい思いをして、ようやく編みあげた手袋だった。

 シホは、小さな手袋を両掌に包み、顔を強く押しつけた。かすかな鳴咽がもれ出た。

問 「シホは、小さな手袋を両掌に包み、顔を強く押しつけた」とありますが、この時の「シホ」の気持ちを答えなさい。

e: ここで記述の”差”がでますか?

F: ご参考までに

e: また、K社の『解説』ですか?

F: 簡単ですよ!「会いに行かなかったことの後悔、おばあさんがどれだけシホを思っていたかを知ったときの申しわけなさなどをまとめよう」

e: で、『解答』は?

F: 「おばあさんと同じ病気で死んだ祖父のことを思い出すのがつらいばかりに、おばあさんの気持ちも考えず会いに行かなくなってしまった間、おばあさんは不自由な手で自分のために手袋を編んでくれていたことを知り、雑木林に行かなかったことを後悔している。」

e: ところで、『麻布』の設問はどうなっています?

F: 「この時のシホの気持ちを百二十字以内で説明しなさい。」の

e: ただ、”後悔”とか”申しわけない”という気持ちだけですかね……

 「それで」

 「はい、お元気ですよ。まだ、この病院に入院していらっしゃいます」

 シホは顔を上げた。涙で濡れた眼が輝いた。
 「会いたい。会ってもいいですか」

 シホはすぐさま走りだそうという気配を見せた。それを修道女が静かに押しとどめた。

 「会っても仕方ありません。もうシホちゃんが誰なのか、分からないんですよ。この一年ほどで、急にボケが激しくなりましてね。……しきりに大連のことばかり話しています。まわりの人を、みんな大連に住んでいたときの近所の人だと思いこんでね。ご本人は大連にいるんだって思っているんでしょうね」

 「大連に……」

 「そう。宮下さんは、もう大連へ帰ってしまったんですよ。むかしの大連にね」

 カナペウム病院を辞去したあと、自転車の荷台からシホが、雑木林へ寄って行きたい、といった。熱のあるのが心配だったが、私はうなずいて、自転車を雑木林の入口の方へ向けた。

問 「雑木林へ寄って行きたい」とありますが、この時の「シホ」の気持ちを答えなさい。

e: なぜ、シホはおばあちゃんに会わなかったのかしら?

F:最後に、言い忘れました。シホはおばあさんに会いに行きませんでしたね。

e:あれほど、会いたがっていたのに。

F:父親の態度は表面化されてませんね。

e:会わせようとはしなかった?シホの意思を尊重したかな?大人の目線から?

F:シホの思い、気持ちかな?子供の目線から?シホはもう6年生です。

e: 去年もこの物語を取り上げましたね。

F: その時にメールがきたんです。

e: そうそう。Sのマンスリーで出たんでしょう!

F: その時に、反響があって、

e: 一体、誰が書いた作品なのか問い合わせが殺到?麻布の過去問でしょ?

F: 平成4年の問題です。

e: 1992年ですか?で、Sはいつ?

F: 2003年の5年のマンスリーですね。

e: 『解答』に出典は明記してなかった?

F: 最近は明記していますけど……

e: 麻布は出典は明記してなかったんだ!?

F: K社の解答・解説にも出典は明記されていなかった!

e: K社やSに出典を知っている人はいなかったのですかね……

F: で、去年、このブログを見て初めて出典を知った!?というメールが。

e: 俄かに信じられない話ですな……

F: どうしてもわかない作品もありますけど。

e: 全く無名で、という?地方の新聞にとか?

F: 全く知られていない同人誌に発表されたものなんかもそうでしょ?

e: ネットで検索しても見つからないってこともあります?

F: あると思いますよ。

e: 出典の不明な作品を出題するっていうのは…

F: 今は出典は明記しなければダメでしょう。

e: その点、YやNはしっかり明記してますね。

F: 大昔からね。

e: 本屋さんに行って、すぐ買えますね。

F: 入試問題には必ず出典を明記してもらいたいものですね。

「小さな手袋」 内海隆一郎:中学校国語教科書平成18年度版『現代の国語』2年三省堂

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国語専科-『人びとの忘れもの』-中学受験家庭教師

 十一月中旬、妻の父が二度目の脳卒中の発作を起こした。

 その間、シホはえんりょがちに雑木林へ出かけた。そして、短い時間で帰ってきた。おばあさんも「おだいじに」という伝言をもらってきた。

 やがて、私たちが列車に乗らなければならない日がやってきた。

 シホにとっては、初めて体験する身内の不幸であった。幼いときから親しんだ祖父との別れは、小さな胸にも深い傷を刻んだようだ。

問 「小さな胸にも深い傷を刻んだようだ」とありますが、具体的にはどういうことですか。

 いつもは活発な笑い声を立てている子が、大人のような暗い顔をしてしるのは痛々しかった。

 娘の中で、なにかが変化したのを、私は目撃したように思った。実は[祖父の死]というものが、これほどの衝撃を九歳の子供に与えるとは、私は予想もしなかったのである。

 シホの変化は、そのまま雑木林のおばあさんとの交際にもつながった。東北から帰ってきてから、シホはまるでおばあさんのことを忘れたように雑木林から遠のいた。

 それがきわめて[自然]だったので、私も妻も顔を見合わせただけで一言も触れなかった。おばあさんがシホを心待ちしているだろうことは察せられた。

 しかし、私たちにはそのときの娘の心に立ち入ることはどうしてもできなかった。もしかしたら、シホはおばあさんのことを本当に忘れてしまったのかもしれない。そのような[自然さ]だった。

問 「私たちにはそのときの娘の心に立ち入ることはどうしてもできなかった」のはなぜですか。

e:若干十歳前後の子どもが

F:この場合、゛少女゛ですが。

e:実際、教え子でいましたね。今では珍しい
F:同居してたんですね。

e:それも六年の十二月だったですからね。

F:お嬢さんでしたから

e:気強かったでしたね。難局を切り抜けて

F:見事、『御三家』に受かりましたね。

e:そういえば、大昔、塾で教えていた

F:これまた、お嬢さんでしたね。葬儀に出ましたよ。

e:マスコミ関係者がすごかった!

F:最近、お坊ちゃんでありました。

e:男の子はキツイですね。

F:ペットが亡くなったということだけで

e:ショックでなかなか立直れない?!

F:本質的に゛優しい゛んですよ。

e:同居・別居は関係ないのかしら?

F:関係の゛密度゛でしょう。

e:遠くにいても、近くの存在と感じるか

F:逆のケースもありですね。

e:最近、この方が多いかも?

F:近くにいても゛遠く゛に感じちゃう?

e:寂しい

F:悲しい関係になってきたのかしらね?

e:おばあちゃん

F:おじいちゃんは

e:゛遠くに在りて゛

F:゛想うもの゛でしょうか?

e:「武蔵野の面影を残した雑木林」

F:おばあさんの゛面影゛も、でしょう!

e:季節は゛秋゛

F:物悲しい゛響き゛ですね。

e:秋から冬へ

F:老いから死へ

e:万物が向かう゛季節゛でしょうかね。

F:今はもう秋

e:だれもいない海。ちょっと、解く時期が早い?

F:なんて、言ってられない!

e:でしょうね。゛秋゛は

F:切ない季節に違いありません。

e:それを感じとるには

F:シホはちょうどいい年齢だった?

e:゛老いと死゛に真正面から向き合うには

F:男の子はちょっとキツイかな?

e:最近は一概にそうは言えなくなってきてるんじゃないかな?

F:『夏の庭』

e:対照的な場面設定

F:ある側面では、ですね。

e:ある意味で゛心情的゛にリンクする。

F:「老いと死」の受け止めかたには

e:そんなに男女差がなくなってきてる、のかしら?

F:これは我々が勝手に

e:憶測してるにすぎないかも、です。

F:昔は認知症が非日常だったのが

e:゛恍惚の人゛?!今では日常の風景になりつつある?

F:別居が原因?

e:とは限らない?

F:久しぶりに会った祖父母が顔も

e:名前も覚えてくれてない!

F:我々の世代の祖父母には考えられなかった?!

e:「髪は真っ白、小さな顔も真っ白」

F:そして、頭の中まで゛真っ白゛になっていく

e:゛老い゛ていく中に昔はそれがなかったでしたよね。

F:゛わがまま゛になり

e:゛子供っぽく゛はなっていきましたが

F:゛子供に還る゛といいますからね。

e:今は゛赤ちゃんに還る状態にでしょう。

F:もうすぐで゛ひとごと゛じゅない?

e:ドキッ!

F:今の子供たちはどう感じるんでしょうね。

e:K社には「~、雑木林の中のメルヘンのような設定が、物語全体を清々しい印象に仕上げている」とありますね。

F:「清々しい印象」ですか!?

e:゛切ない゛余韻が残りますが、素人っぽいですか?

F:シホに゛不幸゛が立て続けに起こったわけでしょう?

e:シホは一時的におばあさんのことは忘れたけど

F:おばあさんは永久にシホのことを忘れててしまったんですね。

e:もしかしたら、自分が原因で?

F:それはシホには゛酷゛というものでしょう。”やる瀬ない想い”があとを引きます。

e:シホと

F:おばあさんの心の

e:琴線に触れ、胸に迫ってくるものがありますね。

F:心情を思いやると、胸が締めつけられそうです。

e: 基本は”シホ”の視点が中心ですか?

F: 父親である「私」を中心に語られています。
e: そう言えば、今、気が付きましたが、”おばあさん”の直接の声や生身の姿が一度も語られていませんね…

F: ”宮下さん”のセリフはないです。それを指摘したお子さんがいました!

e: もともと”おばあさん”の影は薄い?作者の意図でしょうか?

F: 前面には出てきませんね…

e: ”背景”になってしまって……

F: さっきのお子さんは「”おばあさん”の視点で読んでみたら、ちょっと感想が違ってくるんじゃない」なんて言ってましたよ!?

e: ”走れメロス”も然別?善人が悪人に?

F: で、そのお子さんは「おばあさんがどういう状態であれ、シホはおばあさんに会いに行かなきゃ」とも言ってました。

e: 奇跡が起こり、一瞬でも。おばあちゃんは正気に戻ったかも…ですね。

F: まさしく”おばあさん”の立場で考えているんですね。

e: 「おばあさん」を中心とする物語とみた訳ですか?

F: さらに、「おばあさんはシホに出会えたことをどう思っているのだろうという”語り”もあったほうがいいなあ」なんてちょこっともらしてましたね。

e: いずれにせよ、”清々しい”という感想はどう考えても出てこないんじゃないですか!?
F: 自分の”読み”を振り返ることも常に必要でしょう。

e: ”絵画”と共通しますか?

F: アングルのビーナス?

e: ピカソのグランドオダリスク?

F: 読者の「読み」が変化して行く過程

e: イーザーの「空所」「空白」「否定」という概念?

F: &「語りの構造」を利用して分析は

e: 可能?

問 この父親は今なんで、6年前のこのことを思い出しているのですか。

問 この父親と娘の関係は今どうなっていると君は思いますか。

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「空を飛んだオッチ」 海老沢泰久

 「人は理解できないものは受け入れられない生き物だ」という

 そういうある日です、オッチは真理子の家に招待された。

 「あなたがオッチね」

 「真理ちゃんに泳ぎを教えてくれたんだって?」

 「あまり危ないことは教えないでね。真理ちゃんは普通の子供とちがうんだから」

 オッチは困って真理子のほうを見た。真理子は口をとがらせて怒っていた。

問 「オッチは困って真理子のほうを見た」とありますが、この時の「オッチ」の気持ちを答えなさい。

 ハンバーグなんかあまり食べたことがなかったので、とてもうれしかった。オッチはいい気持ちになり、ピョコタンといった。

 「ピョコタンはどんなふうに標本しているのか見てみたいな」

 「すごいな、ピョコタン」

 とオッチはいった。

 「こんな標本箱はだれも持っていないよ、ピョコタン」

 「ピョコタンというのはどういうことなの!」

 オッチはぜんぜんわけが分からなかった。しかし真理子をピョコタンと呼んだことがおかあさんをおこらせたらしいことは分かった。どうしてなのだろうと考えていると、真理子がかわりに答えた。

問 「オッチはぜんぜんわけが分からなかった」のはなぜですか。

 「わたしがぴょこたんぴょこたんと体をゆすって歩くからよ、おかあさん。それがどうかしたの?」

 「どうかしたのって、真理ちゃんはそんなこといわれて平気なの?」

 「平気よ」

 「びっこといわれてからかわれるのと同じことなのよ。それがどうして平気なの?」

 真理子のおかあさんは、興奮して、こんどは真理子からオッチのほうに顔を向けた。

 「おばさんはね、あんたが真理ちゃんにやさしくしてくれているときいたから、ごはんを食べさせてあげたり、ジュースをあげたりしたのよ。でも本当はからかっていたのね。そうなんでしょう。おばさん、かんべんしないからね」

 オッチは思わぬなりゆきに身がすくみ、声も出なかった。すると真理子のおかあさんはますます興奮してオッチを非難した。

問 「思わぬなりゆき」とは、どういうことですか。

e: 「なりゆき」の意味は分かりますよね?

F: 「なりゆきにまかせる」なんていいますからね…

e: 簡単に言えば、”雲行きが変わってきた”

F: 「思わぬ」がそうですね。

e: 思ってもみない方向に…

F: 真理子のお母さんの”雲行き”が

e: ”怪しく”?なってきたということでしょう。

F: 今まで”晴れていた”のに”曇ってきた”

e: ”低気圧”の到来?

F: ”友好的関係”から

e: ”敵対的関係”に?

F: ”平和的なムード”から

e: 「ピョコタン」で一変して

F: ”険悪なムード”に……

e: 「あなたがオッチね」

F: 「真理子のおかあさんがニコニコしながらいった」から

e: ところが、「あまり危ないことは教えないでね」とチクリ!

F: 「ハンバーグなんかあまり食べたことがなかったので、とてもうれしかった」

e: で、思わず「オッチはいい気持ちになり、ピョコタンといった」!

F: 不用意に…

e: それも、何度も言ってますからね……

F: 「ピョコタンというのはどういうことなの!」

e: 「?」じゃなく、「!」ですから!

F: 「おばあさん、かんべんしないからね」

e: 「オッチは思わぬなりゆきに身がすくみ、声も出なかった」

 「なぜ答えないの!強情な子ね」

 「やめて、おかあさん」

 真理子がいった。

 「真理ちゃんはだまってなさい。この子にだまされているんだから」

 「オッチは真理子をだましてなんかいないわよ」

 真理子はおかあさんに抗議して泣きだした。

 「からかってもいないわ。オッチは真理子のことが好きなんだから」

 「じゃあ、どうしてピョコタンなんていうの?」

 「真理子がぴょこたんぴょこたんと歩くからよ。いいじゃない。真理子はぜんぜんはずかしくないわ。それにオッチがいうんだったら、真理子は何ていわれたって平気なのよ」

 「どうして?」

 真理子は体をふるわせて抗議した。

 「足がわるいのは真理子よ。おかあさんじゃないわ!」

 「おかあさんだって真理ちゃんと同じ気持ちなのよ。おかあさんが真理ちゃんの足のことをぜんぜん気にしてないとでも思ってるの?」

問 「おかあさんだって真理ちゃんと同じ気持ちなのよ」とありますが、「おかあさん」と「真理子」の、それぞれの気持ちの違いを答えなさい。

e: 親の気持ちは子は解らない!

F: 同じく、子の気持ちは親は知らない!

e: 「足がわるいのは真理子よ。おかあさんじゃないわ!」

F: 「おかあさんが真理ちゃんの足のことをぜんぜん気にしてないとでも思ってるの?」

e: 「ちがうわよ。もう足のことはほっといてといってるのよ」

F: 「真理子は足はわるいけど、普通の人とどこもかわっていないんだから」

e: 真理子のおかあさんは”バリアフリー”的発想?

F: 真理子は”ノーマライゼーション”的考え?

e: そこまでは解りました。さて、どう書けばいいかですね。

 「ちがうわよ。もう足のことはほっといてといってるのよ。真理子は足はわるいけど、普通の人とどこもかわっていないんだから」

 「真理ちゃんはまだ子どもだから分からないの」

問 「真理ちゃんはまだ子どもだから分からないの」とありますが、これはどういうことですか。

 オッチは二人のいい合いをきくのも、真理子が泣くのを見るのも、真理子のおかあさんにしかられるのも、みんないやだった。オッチが帰るよというと、真理子は泣いたままでごめんなさいごめんなさいといったが、おかあさんは二度とこないでといった。

 オッチは走って真理子の家を出た。そしてそのまま自分の家まで走りつづけた。走っているうちに、なぜかなみだが出てきて止まらなくなった。

問 「走っているうちに、なぜかなみだが出てきて止まらなくなった」とありますが、この時の「オッチ」の気持ちを答えなさい。

 口惜し涙ばかりではなかった。

 真理子がおかあさんといい合いをしているときに<オッチは真理子のことが好きなんだから>といった言葉を思い出したのだ。
 オッチはあまくせつない気持ちになり、そのためのなみだも流したのだった。

問 「走っているうちに、なぜかなみだが出てきて止まらなくなった」の「なみだ」、「口惜し涙」の「涙」、「オッチはあまくせつない気持ちになり、そのためのなみだも流したのだった」の「なみだ」のそれぞれの違いを答えなさい。

e: 二つの「なみだ」はひらがなですね。

F: もう一つの「涙」は漢字で書かれています。

e: ”違い”はあるんですか…

F: 前に、「オッチはあわてて真理子のそばへ行き、手をにぎってやった」の「にぎって」はひらがなですね。

e: ところが、「まもなく真理子は、オッチが手を握っていてやれば、バタ足で前に進むことができるようになった。」の「握って」は漢字ですね。またどうして?作家の”気まぐれ”?

F: じゃないでしょう!もちろん、それぞれ理由があって

e: ”使い分け”ている!?

F: 「ひらがな」だったのがカタカナになったり、とか…「設問」になったりもします。

e: 「なぜカタカナになったのですか」とか?

F: 「なぜカタカナなのですか」とか?

 しかし真理子とはもう学校がはじまるまで会えないだろうなと思った。夏休みはまだ二週間も残っていた。

問 「夏休みはまだ二週間も残っていた」とありますが、この時の「オッチ」の気持ちを答えなさい。

e: プロレタリア無産階級とブルジョア有産階級?

F: 「おばさんはね、あんたが真理ちゃんにやさしくしてくれているときいたから、ごはんを食べさせてあげたり、ジュースをあげたりしたのよ」

e: こんなこと言われたオッチは傷つきますよね。

F: 「この子にだまされているんだから」ともいってます。

e: オッチの心は”踏んだり蹴ったり”され無惨な形に歪んでしまったでしょうね…心中を察します。男として……

F: 庶民と資産家の

e: 意識のズレ?

F: 感覚のギャップ?

e: オッチと真理子の間ではまだ感じないが…

F: ところが、真理子の母親が

e: ”介入”してきたことがちょっとした”きっかけ”になることがあるんですね…

F: ”格差”の芽生えでしょうか?

e: ”較差”から始まって?

F: 身分差が意識化に!

e: 子供心に!誰かが言ってましたね。そう言えば。

F: ”差別”の……

e: これも”区別”からまことしやかに始まって…

F: 深層から表面下に…”羨望””いじめ”

e: 無意識から意識下に?”嫉妬””いじめ”

F: 空を飛べるオッチと足の不自由な真理子

e: 庶民と金持ち

F: この二人を登場させることで

e: 海老沢泰久は何を訴えたかった?

F: この物語の主題は何か?

e: テーマですね…『窓際のトットちゃん』

F: また出ました!?

e: やっぱりキーワードは”なみだ”ですか?

F: こっちの”涙”ではなく……?

 ことを理解できなかったオッチ。

原作とはちょっと内容は異なるがそれも愛嬌かな。画一的で事なかれ主義的な学校、価値観を押し付ける大人達が上手く描かれていて小学生の子を持つ親として「ある!ある!」と共感したりわが身を反省したり。(by きょんきょんぶ-)

集合的無意識は閉鎖された環境でこそ、より人を傷つけてゆく。

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「空を飛んだオッチ」 海老沢泰久

 ランニングシャツで学校に通う元気な小学生オッチ
 涼しげなワンピースに麦わら帽子に三つ編みの足の悪い女の子マリッペ

 差別と心の交流を正面から深く描く感動作

 「もし目の前に、本当に空を飛べる子が現れたらあなたはどうしますか?

 オッチは真理子とともだちになってから、とても不思議なことに気づいた。どういうわけか毎日がすごく楽しく、その一日が終わると、こんどは翌日になるのが待ち遠しくなるのだった。そんな気持ちになったのははじめてだった。

問 「どういうわけか毎日がすごく楽しく」とありますが、「真理子」のほうはどう感じていますか。

e: 真理子は奇跡的に泳げるようになりました!

F: 真理子は恩人のオッチのそばにやって来ました!

e: そして、オッチの手をぎゅっとにぎりました。これは”感謝”のしるしですか?

F: 目をうるませて、ね。これは”感激”

e: ”感謝””感激”それとも”感激””感謝”?

F: その真理子の思いに応える形でオッチもぎゅっとにぎった!

e: ”合格発表”の風景とダブります。

F: 真理子の喜びは、また

e: オッチの喜びでもある訳ですね。

F: 喜びを”共有”した瞬間でしょう!

e: オッチの気持ちは分かりました。

F: では、真理子はどう思っていたでしょうか?

e: それが問いですね。

F: 初めはどう思ってました?

e: 「真理子、足がわるいから泳ぎなんかできっこないとずっと思っていた」

F: と言うと、オッチが

e: 「できるさ」

F: 「やろうと思えば何だってできるんだよ」と答えています。

e: 力強い”お言葉”でした。

F: おもいっきってやれば”できた”

e: 怖れずにやってみたら、ですね。

F: それはうれしいでしょ!

e: そして適切なアドレスをしてくれたオッチに

F: 感謝。そこでオッチに対して真理子に芽生えたものは?

e: ”萌”ですか?それはオッチに芽生えたものと異質のもの?

F: オッチに対し、”何”を感じたか、ですね。

 オッチは自分のその不思議な経験について、何度も真理子に話してきかせようとした。真理子がどう感じるか知りたかったからである。しかしいざとなると話しだせなかった。それも不思議だった。感じていることを口に出すだけのことなのに、それができないのだ。オッチはわけが分からずに、自分の気持ちを持てあました。

問 「感じていることを口に出すだけのことなのに、それができない」のはなぜですか。また、「オッチはわけが分からずに、自分の気持ちを持てあました」とは、どういうことですか。

e: これが書けるようになれば…麻布は受かる?

F: 手をにぎると言えば…

e: 今江祥智の『ぼんぼん』でっしゃろ?

F: 麻布の昭和61年の問題。

e: 少女の方からにぎった!?

F: 「少女のほうからさっさと洋の手を握った」
e: 帽子のお礼に、ね。

F: 「目をうるませてオッチの手をぎゅっとにぎった」

e: 「目をうるませて」ね…男の子、いや男はこういうのには”弱い”ですね。

F: 何か”勘違い”?をしてしまう?

e: ”恋愛は美しい誤解”?今風に言うと”恋愛はギャップ”!

F: ”恋愛は誤解から始まり、誤解で終わる”?

e: オッチはこの時、”気持ち”が空を飛んでます。

F: 浮遊感、浮揚感?

e: 「何だかとてもおかしな気分で、胸のあたりに熱いものがこみ上げてきた」

F: 「おかしな気分」「熱いもの」

e: 「オッチはわけが分からずに、自分の気持ちを持てあました」

F: 「感じていることを口に出すだけのことなのに、それができないのだ」

e: 「感じていること」はさて”何”?

<青春で最も大切なのは友情と恋愛である-亀井勝一郎-愛の無常について>

<相愛とは片思いにまきこまれることである-同-恋愛論>

<恋愛は美しい誤解である-同-愛の思索>

<愛は知である-同-青春の思索>

直木賞作家、海老沢泰久の同名小説を映画化。空を飛ぶ力を持った少年が、その能力の特殊さゆえに思わぬ騒動に巻き込まれていく。約20年前の原作になるが、いじめの根本を見据えた物語は、むしろ現在の方が痛烈に胸に迫りくる。大人にも子供にも大切なメッセージを届けるファンタジーだ。空を飛べるようになった小学生のオッチは、祖母の忠告でその能力を隠し続ける。ところが同級生にバレ、学校や村の大問題になり……。

 ・オッチの祖母:「ほかの人には言っちゃいけないよ」

 ・オッチの担任里子先生:「あなたはいったいなにものなの」

 ・校長先生:「あってはならないことは…あってはならないのです」

 ・まりっぺの母:「ひとりの子供のためにみんなが迷惑をしてもいいんですか」

オッチは小学5年生で祖母と二人暮らし。ある日、メジロ捕りに行くとオッチはうっかり、大きな木から落ちるのだが、不思議なことにかすり傷ひとつ負わなかった。地面にぶつかる直前で、なぜか体がふわりと浮いたのだ。オッチは大喜びで祖母にそのことを話すと「人には決してそんなこと言ってはいけない。人前で飛んでもいけないよ。約束」といわれてしまい、しょげるが、内心は飛びたくてしようがないオッチは体育の授業でちょっとその力を試してみた。すると、先生もみんなも驚き、バスケの選手にも選ばれてしまった。町の対校試合でも大活躍した。オッチはすっかり英雄になってしまった。
そんなある日、空を飛んでいるところを同級生のキヨシに目撃されてしまった。キヨシはいんちきだって騒ぎ立てた。初めは信じなかったみんなも、本当だとわかるとオッチのことを気味悪いとか宇宙人とか言い始めた。ところが、クラスでただ一人だけオッチのことをうらやましいと言ってくれたのがまりっぺだった。彼女は足が不自由で思うようには歩けない。体育の授業も初めから見学に回された。
夏休みになると、オッチとまりっぺは一緒に昆虫採集をしたり川で泳いだりした。こんなに楽しい夏休みは初体験だった。そんな幸せなひとときもあっと言う間に過ぎててゆき、まりっぺのお母さんもオッチのことを警戒して、娘に近づかないでほしいと言ってきた。やり切れない哀しみの奈落に突き落とされたオッチ。
そして、夏休みが終わって間もなく、事件は起きたのである……。

思春期を迎えるこども達の自己の能力に対する疑問や戸惑い、或いは人に対する羨望・嫉妬という複雑な人間の感情を、主人公オッチが空を飛ぶというファンタジーの世界を借りて描いた作品です。
現代を生きるこども達へのメッセージ。

だんだん早まる思春期の中、子どもたちが生きていく上で必ずぶつかる戸惑いや言葉にならない心の痛みなどを人形劇でとても大切に表現できたらと願っています。
(by 「新しい子どもと生きる」脚色/東口次登より)

子供たちがほんらい持っている無限のの可能性と、それを閉じ込めてしまいかねない大人たちをチクリと風刺した。

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「空を飛んだオッチ」 海老沢泰久

【BOOKデータベースより】

オッチは小学校5年生のごく普通の男の子だった。メジロ捕りに山々へ登ったある日、その彼に信じられないことが起きた。細い枝から足を踏みはずした瞬間、体が宙に浮いたのだ。自分が空を飛べることを発見し、オッチは歓喜するが、そのことを知ったおばあさんに、人前で絶対に飛んではいけないと、厳しく言いつけられた。しかし、その約束を守ることはできなかった。そしていろいろな事件が起きるのだった-。傑作長編小説、待望の文庫化。

 オッチ(ひろし):父はいない。母は都会へ働きに、祖母と茅葺き屋根のの下、二人で暮らす。小柄で、愛嬌のある顔付き。まりっぺを川で泳ぎを教える時の表情はとてもハッピー。

 まりっぺ:体育の時間、いつもみんなから離れて見学している女の子。三つ編みの先には白いリボン。涼しげなワンピース、ほっそりして色白。お家は医者で、オッチが訪ねた時、ショートケーキにジュースが出てくるという、紛れも無いお嬢様。

【これまでのあらすじ】

 オッチは空を飛べる。夏休みのある日、同じクラスの、足が悪い真理子に、オッチが飛んでいるところを見られてしまった。しかし、ほかの子どもとちがい、真理子はオッチと自然に接するので、二人は仲良くなった。

 二人はそれぞれの家に帰るために立ち上がった。真理子が歩きだすと、足を引きずって歩くために体がぴょこたんぴょこたんと揺れた。オッチは真理子の前にまわり、その格好を真似て歩いた。真理子が笑いだした。オッチは真理子のほうを振り向いていった。

 「これからは真理子って呼ばないよ」

 「何て呼ぶの?」

 「ピョコタンって呼ぶのさ」

 真理子はまた笑いだした。

問 「真理子はまた笑いだした」のはなぜですか。

e: 「空を飛んだオッチ」 ですか!?

F: 海老沢泰久です。

e: 前回同様、映画の方が有名に?

F: 倍賞千恵子が出演していました。

e: 「空を飛んでなぜ悪い!?」

F: 「ほんとうはみんな空を飛びたいんだ」

e: 飛騨の山々を背景に空を飛ぶ力を持った少年の喜びと哀しみを描いたんですね。

F: ノンフィクション作家として知られてます。

e: 初っ端から難しいですね……

F: 真理子は足がわるいです。

e: そんな真理子に対してどんな風に接していますかね、オッチは?

F: ヒントは<これまでのあらすじ>に書かれてますよ。

e: <これまでのあらすじ>は意外と重要だという話は前回しました?

F: 最後の問いだったです。

e: そこに書かれている言葉を使えばいいんでしょう?

F: 後半の場面で、おかあさんと真理子は口論しています。

e: その内容から解りますね。

F: 「ピョコタンというのはどういうことなの!」とおかあさんは怒っています。

e: オッチはぜんぜんわけが分からなかった!
F: それ対し、真理子は「わたしがぴょこたんぴょこたんと体をゆすって歩くからよ、おかあさん。それがどうかしたの?」

e: 全く動じない!

F: 「どうかしたのって、真理ちゃんはそんなこといわれて平気なの?」

e: この母娘の”やり取り”はよく解りますね。

F: 真理子は”ピョコタン”とオッチに呼ばれても

e: 意に介しない?

F: オッチが自分の歩き方を見て付けたあだ名を真理子は何とも思っていないことが理解できます。

e: これは、相当、後まで読まないと解りませんね。”パス”問題ですか?

F: すぐに思い付きや

e: 思い込みで書かない!

F: 前にも言いましたが、初めの問いは

e: ”曲者”!?さあ、どう書きますか?

 二人はそれから毎日、学校のプラタナスの木のところで会い、あちこちへチョウをつかまえに出かけた。

 ちょうどその日もチョウをつかまえることができなかった。オッチはイライラしたので、シャツと半ズボンを岸にぬいで大川に飛びこんだ。

 「ピョコタンもこいよ。すごくいい気持ちだぞ」

 真理子は岸の上で首をふった。

 「泳げないもん」

 「教えてやるよ」

 「無理よ」

 「だいじょうぶさ。ほら、こんなに浅いんだから」

 「こいよ、ピョコタン」

 「いやよ。こわいもん」

 「ちゃんと手をにぎっててやるからこわくないよ。はずかしいのか?」

 「はずかしくなんかないわ」

 真理子は口をとがらせて抗議した。

 「もう一度向こう岸まで泳いでみせてよ」

オッチはよしきたといって、向こう岸に向かって泳ぎだした。」

 やがてオッチはもとの岸に泳ぎつき、真理子の賞賛の目を求めて顔を上げた。

 「どうすればいいの?」

 「まず水に慣れることがたいせつなんだ」

 とそこでオッチはいった。そして、そのためには、水の中に頭まですっぽりつかることを何度もくり返すのが一番いいことを説明した。

 「やれるか?」

 真理子はオッチの目を見つめてコックリとうなずいた。

 「よし、じゃあはじめよう。おれもピョコタンの手をにぎって一緒にもぐるから心配ないよ」

 「いまピョコタンは、ここからそこまで一人で泳いだんだよ」

 「ほんとう?」

 真理子は水の中でジャンプした。

 「ほんとうに一人で泳いだの?」

 「ほんとうだよ」

 とオッチはいった。

 「もうこれからは、いくらだって一人で泳げるよ」

 真理子はオッチのそばにやってくると、目をうるませてオッチの手をぎゅっとにぎった。
オッチもぎゅっとにぎった。何だかとてもおかしな気分で、胸のあたりに熱いものがこみ上げてきた。

問 「目をうるませてオッチの手をぎゅっとにぎった」時の「真理子」の気持ちを答えなさい。

e: 「目をうるませて」ね……

F: 「手をぎゅっとにぎった」のはなぜ?

e: 「真理子、足がわるいから泳ぎなんかできっこないとずっと思っていたの」と直後に言ってます。

F: それなのに、”泳げた!?”

e: 正に真理子にとって奇跡!『窓際のトットちゃん』を思い出しました。

F: 泰明くんを木に登らせた場面でしょう。

e: ”トットちゃん”も”オッチ”も

F: ”飛んでる”!?

問 「何だかとてもおかしな気分で、胸のあたりに熱いものがこみ上げてきた」から「オッチ」の「真理子」に対する気持ちを答えなさい。

e: 問いは繋がってきますね。

F: 奇跡的に泳ぎができるようになった真理子は

e: 目をうるませてオッチの手をにぎりました。

F: そして、直後に「真理子、足がわるいから泳ぎなんかできっこないとずっと思っていたの」と

e: 真理子が”ふるえる声”で言った。

F: それに答えて、オッチは「できるさ」

e: 「やろうと思えば何だってできるんだよ」と言いましたね。

 「真理子、足がわるいから泳ぎなんかできっこないとずっと思っていたの」

 真理子がふるえる声でいった。

 「できるさ」

 とオッチはいった。

 「やろうと思えば何だってできるんだよ」

「空を飛んだオッチ」海老沢泰久角川文庫

海老沢泰久(えびさわやすひさ、1950,1,22-)茨城県出身の小説家、ノンフィクション作家。
國學院大学文学部卒。國學院大学折口博士記念古代研究所勤務のかたわら、1974年に『乱』で小説新潮新人賞を受賞してデビュー。
79年、ヤクルトの監督として優勝を成し遂げた広岡達朗をモデルにした『監督』を初の著書として上梓、話題を呼んだ。
1988年にホンダF1(第1期~第2期前半)を取り上げたノンフィクション『F1地上の夢』で新田次郎文学賞を受賞。
1994年には『帰郷』で第111回直木賞を受賞した。

「空を飛んだオッチ」海老沢泰久

表「空を飛んでなぜ悪い!?」

裏「ほんとうはみんな空を飛びたいんだ」

飛騨の山々を背景に空を飛ぶ力を持った少年の喜びと哀しみを描いた。

監督 澤村正喜 出演 倍賞千恵子

直木賞作家、海老沢泰久の原作を映画化した、ファンタジックな人間ドラマ。

ある日、空を飛べるようになった少年が、周囲の差別や偏見の目と戦いながら、足の不自由な少女との交流を通して成長していく姿をハートウォーミングに描き出す。

 オッチが空を飛ぶことが知れ渡った後の体育の授業での出来事。
里子先生が、あなたは飛べるんだからやっても仕方ないでしょう。あっちいって休んでらっしゃい、みたいなことを言う。オッチ離れしぶしぶみんなと離れて日陰へと移動する。
 ショックを受けたのは、オッチが飛んでしまったことで、普通の行動も許されなくなり、さらにオッチは反発することもなく受け入れwてしまうこと。オッチがみんなと離れていくにしたがい、だんだんとオッチに感情移入してしまう。
みんなとは離れたところにに、前から居たのがまりっぺ。それまでは、体育の授業で、時々そういう子がいるな、絵に描いたような薄幸の美少女だ、みたいな感じで見ていたが、オッチがまりっぺのところに行って初めて、まりっぺの気持ちを考え出すきっかけになる。
ところがよくしたもので、オッチとまりっぺはお互いの疎外感や哀しみを理解していき、それに合わせてるかのように二人のことが少しずつ解るようになってきた。

小学5年生のオッチはある日、自分には空を飛ぶ力があることに気が付いた。そのことを祖母に打ち明けるが、他人に打ち明けることを禁じられてしまう…。(by チラシコレクションより)

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国語専科-『人びとの忘れもの』-中学受験家庭教師

 私の家から歩いて十五分のところに、武蔵野の面影を残した雑木林がある。六年前の秋、その雑木林で、私の次女が年老いた[妖精]に出会った。そのとき、シホは小学三年生だった。
「ほんとよ。ぜったい、いたんだからあ」

 十月半ばの午後、近所の友だちが飼犬の運動に行くのに付き合って、シホは林に行ったのだそうだ。

 すると、いきなりシホの眼前に、その[妖精]が現れたのだそうだ。

 一本の木が地面の上から曲がって、地をはうように伸びている---その幹に、小柄なおばあさんが、ちょこんと腰かけていた。こげ茶色の大きなショールに包まれて、膝の上には太い編み棒と毛糸の入った手提げ籠があった。

 髪は真っ白、小さな顔も真っ白で、子供のようなくりくりした黒い瞳がじっと娘をみつめていた。そのからだがあまり小さいので、長めのスカートからのぞいている黒靴の爪先が地面から高く離れていたそうだ。

 シホは立ちすくんだ。意外なところにおばあさんがいたのだから、それだけでも驚くのは当たり前である。ところが、おばあさんのようすを観察しているうちに、シホは震え上がってしまった。

 ---いけない。このおばあさん、きっと[妖精]だわ。目を見合わせていると、魔法をかけられちゃう。

 とっさに、シホは伏目になり、足もとだけを見るようにして、そろそろと後ずさった。

 「それは、よかった。実に適切な判断だった。非常に沈着な行動だったぞ」と、私は娘にいった。

 小学三年生の娘は、父親のまじめな反応に大いに満足したようだった。そばにいた妻は、笑いを含んだ目つきで、娘と私を見比べていた。

問 「そばにいた妻は、笑いを含んだ目つきで、娘と私を見比べていた」とありますが、この時の「妻」の気持ちを答えなさい。

e: 「3者」の気持ちの読み取り?

F: 直接には「妻」の気持ちですが…「娘」や「私」の気持ちの読み取りも当然、必要になってきますね。

e: 「娘と私を見比べて」とありますからね…

F: 「娘」と「私」の説明をしっかりして

e: そんな「娘」と「私」を見比べている時の「妻」の気持ちを推測する?

F: 「笑いを含んだ目つき」ですからね。

《解答例》妖精に出会ったと信じて興奮しながら話す娘と、娘の気持ちを思いやって、傷つけないように話を合わせている「私」をほほえましく見守っている。

 数日後、シホは[妖精]のおばあさんから毛糸で作った親指大の人形をもらってきた。

 「いやだあ、妖精なんかじゃなかったよ。カペナウム病院にいるおばあちゃんだった。どうもおかしいと思ったんだ、あたし」

 小学生の幼い頭でも、童話に出てくる[妖精]が近所の雑木林にいるわけはない、と気づいたわけだ。シホは、[真偽]を確かめに一人で林に出かけたのである。

 [妖精]のおばあさんは、いつかと同じ木の幹に腰かけて、たくさんの小さな毛糸人形をこしらえていたそうである。

 「その人形は、あの林に入りこんだ子供たちかもしれないぞ。魔法で毛糸人形にされたんだぞきっと。油断するな」

問 「その人形は…油断するな」とありますが、この時の「私」の気持ちを答えなさい。

 私がいうと、娘は、けらけらと笑った。彼女の頭からは、すでに意地悪な[妖精]のイメージは消えていたようである。

問 「娘は、けらけらと笑った」とありますが、この時、「娘」が「けらけらと笑った」理由を答えなさい。

e: シホは、[真偽]を確かめに一人で林に出かけたんですね。

F: ”一人”で!?

e: なかなか勇気がありますね…「目を見合わせると、魔法にかけられちゃう」なんて心中思ってますからね…

F: 「父親のまじめな反応」?も手伝って…

e: で、結局「いやだあ、妖精なんかじゃなかったよ。カペナウム病院にいるおばあちゃんだった」と判明したんだ!

F: シホはおばあさんの”正体を”

e: バッチリ掴んでいるからこそ

F: 真相を確かめていますから”心のゆとり”ができ

e: 気持ちに”余裕”ができた?

F: 父親のユーモアが理解できたというわけですね。

e: 父親が冗談で自分をからかっているんだあ、と。

F: そのあたりをうまくまとめればいいでしょう。

 脳卒中のため手足が不自由になっているという。いつも編んでいる毛糸人形は、リハビリテーションの一種なのだろうか。とにかく、一個完成するまでには、正常な人の五倍も時間がかかるのだそうだ。

 シホはおばあさんに会いに、雑木林に日参するようになっていたのである。帰宅したシホの髪の毛から、雑木林の枯葉の甘いにおいがただよっていた。

問 「帰宅したシホの髪の毛から、雑木林の枯葉の甘いにおいがただよっていた」とありますが、この時、「私」はどんなことを感じていましたか。

e: なかなかいい表現ですね。

F: 「髪の毛から、雑木林の枯葉の甘いにおいが」

e: 「甘いにおい」ね……

F: 「『甘いにおい』という表現に気をつけて、説明しなさい。」というのが『麻布』の設問です。

e: 「甘いにおい」って一体”何”ですか?

F: ご参考にK社の『解説』を!

 「シホが妖精とまちがえたおばあさんとの出会いをおさえる。つまり、シホが遊びに行く雑木林は、妖精の住むメルヘンの世界を思わせる場所なのである。現実の世界に住んでいる『私』にとってその場所は『甘いにおい』のする別世界である。」

e: で、『解答』は?

F: 「妖精とかんちがいしたおばあさんに会いに、雑木林に行く娘の行動を、物語の世界のようにほほえましく感じている。」

e: そうかな?”シホ”と”おばあさん”の関係じゃないかな……

F: 主人公シホと状況との関係?

 十一月に入って、空気が冷たくなっても、シホは雑木林へ行くのをやめなかった。学校から帰るとすぐに自転車を駆って出かけた。

問 「十一月に入って、空気が冷たくなっても、シホは雑木林へ行くのをやめなかった」のはなぜですか。

 「だってえ、あたしが行かないと、おばあちゃんは泣きたくなるんだそうだもん。いつも、明日も来てね、ってゲンマンするんだよ」

問 「だってえ、あたしが行かないと……明日も来てね、ってゲンマンするんだよ」とありますが、「おばあさん」がそれほどシホを心待ちにするのはなぜですか。

 「どんなお話をするんだい」

 「そうねえ。あたしが学校で習ったこと。……それから毎日大連っていう遠い町のこと。ずうっとまえ、おばあちゃんは、そこに住んでいたんだって。……それからねえ、二人でおやつを食べるの」

 実は、その頃、妻の父も脳卒中で倒れていたのである。

 「おばあちゃんがねえ、こんなにおいしいお菓子を作ってくれるお母さんに、ぜひお会いしたいねえって。足が治ったら、きっとお礼にうかがいますって……」

 「そうねえ。そのうちお母さんがごあいさつに行かなくちゃね。シホちゃんがとてもかわいがっていただいてるんだしねえ」と妻は遠くを見る目をしていった。

問 「『そうねえ。そのうちお母さんがごあいさつに行かなくちゃね。シホちゃんがとてもかわいがっていただいてるんだしねえ』と妻は遠くを見る目をしていった」のはなぜですか。

e: 「遠くを見る目」ね。よく出る設問でしょう!?

F: ところが、意外とできは良くないんですね……

e: ”遠くを見る”っていうのは大人の感覚ですかね。

F: お子さんが”遠くを見る目”をしたら……

e: 最近、おませなお坊ちゃんが多いですからね……

F: 「漫画」の影響ですかね……

e: 実体験ではなく

F: ”ヴァーチャル体験?”

e: 病父を心配する気持ちと

F: おばあさんを気遣う気持ちが

e: ”想いを馳せる”なんて感覚は……

「小さな手袋」

作者:内海隆一郎 

1937(昭和12)年愛知県生まれ。小説家。3歳から20歳まで岩手県一関市で過ごす。立教大学卒業。
1964(昭和39)年婦人雑誌出版社の編集者となり昭和40年代の初めから小説の執筆を試みる。
1968年暮れに書き上げた処女作「雪洞にて」が第28回文学界新人賞を受賞する。
受賞後第一作の「蟹の町」が第63回(昭和44年下期)の芥川賞候補作となったが落選し、その後およそ15年間にわたって作品を公にすることなく過ごした。
1982年春、日本ダイナースクラブ発行の会員誌への連載を皮切りとして、再び作品を発表しはじめる。
市井の人々に寄せた温かい視線で、読む者の心を揺さぶる「ハートウオーミング」な作品を書き続けている。
主な著書に「人びとの岸辺」「家族の肖像」「みんなの木かげ」などがある。
日本文藝家協会・日本ペンクラブ会員。
埼玉県新座市在住。

出典:『人びとの忘れもの』(ちくま文庫1990年)
この作品集は21編のいずれも人びとの忘れものにまつわる物語を描いている。そこでは、単なる「もの」だけなく、人びとの間にかつては通い合っていた「こころ」も忘れものの一つとして描かれている。

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e:『開成』受験のお子さんはどんな感じですか?

F:2つのパターンに分かれますね。

e:『開成』の『過去問』オンリーのタイプと

F:『開成』+『筑駒』の『過去問』あるいは+『麻布』の『過去問』ですね。e:あと『灘』の『過去問』でしょ。

F:『開成』オンリーのお子さんは宿題に『過去問』

e:実物大のものをそのままね。

F:解説後は『記述』に改題したものを、その場で解かせます。

e:主に『選択肢』問題でしょ?

F:ずっと前に、そうしている理由を書きました。

e:『選択肢』問題も解けるようになり

F:また、『記述』問題も書けるようになるということですね。

e:゛相乗効果゛を狙ってるわけですか?

F:でなければ゛効率゛が悪いでしょう?

e:時間との闘いですからね。

F:週にせいぜい1~2回しか教えないわけですからね。

e:最大限の効率性を追求するんですね。

F:『開成』+『麻布』のパターンは前にも書きました。

e:ところが、「そんなことはとてもじゃないですが、できません」なんて、メールがきましたね。

F:10年間の『過去問』は手に入りますから。

e:夏休みあたりに少し手掛ければいいんじゃないですかね。

F:『開成』は'01に『記述』になりました。

e:『記述』は8年分になりますか?

F:まあ、8年分やれば十分だと思うか

e:まだ足りないと思うかの違いでしょうね。

F:『開成』は’何’がでるか解らないですから

e:不気味ですよね。

F:その’何’が

e:くせ者?ってわけでしょう!

F:’万全’をきす意味で

e:これで十分、というわけにはいかない学校なんですね。『算数』もしかりですね。

F:『過去問』を30年分やっても心配だなんて

e:実際、受験したら

F:そんなにやらなくても

e:’受かった’なんてね。

F:そんな感じをするんでしょうね。

e:実際にそれだけやってるから、

F:そう言えるんですよ。

e:まあ、落ちれば「もっとやっておけばよかった」

F:この゛違い゛は大きいと思いますね。

e:『合格』と『不合格』の゛差゛は

F:天と地の゛差゛くらいに大きいでしょう!

e:結局、゛量゛もさることながら

F:『御三家』レベルになるとプラスαの部分が大きくものをいうわけなんですね。

e:゛量゛はみんな同じくらいやるわけですけど

F:どうして、受かる人数より

e:落ちる人数の方が倍以上に多いか、ということですね。

F:『合格体験記』の中には

e:その゛アルファ部分゛は書かれてませんからね。

F:゛微妙゛に書きませんから。

e:「一応、やりました」

F:「みんなと同じように」

e:先輩の゛体験記゛をマネて?

F:『感想文』でもインターネットで

e:悪いことばでいえば゛パク゛れる時代ですからね。

F:教えてもらった先生の名前だけ変えて。

e:苦労して゛受かって゛、

F:その゛秘密゛をあかす

e:お子さんはそうはいませんね。

F:お子さんというより

e:親御さんですかね。

F:そのあたりの゛心理゛は前に書きました。

e:゛心の広い゛お子さんや親御さんは昔はおりましたけど

F:今は、そういうことは書かなくても

e:゛ノウハウ゛(?)本はいっぱい出てますしね。

F:゛ブログ゛もありますから。

e:゛本音゛で語ってるものもあるみたいですが。

F:どこまで゛本音゛か

e:疑わしいのも結構多い?

F:話は戻って

e:『開成』の『過去問』と

F:『麻布』の『過去問』の併用してるお子さんの例ですか。

e:まさか、『麻布』の『過去問』を端から端までやってるわけはないでしょう?

F:まず、時間がないですね。

e:で、どうやって?

F:その年度の゛最後の問い゛だけやってます。

e:いわゆる『合否』問題ですか?『開成』の『過去問』をそのままやって、『記述』に『改題』したものを次にやって、さらに『麻布』?

F:じゃないですよ!

e:えっ!

F:『麻布』の『過去問』をやるお子さんは

e:解りました。『開成』の古い『過去問』は『記述』じゃないから

F:それをやらないで

e:『麻布』の古い『過去問』をその代わりにやってるんですね。

F:ですから、二つに分かれると

e:なるほどね。

F:大昔は『麻布』の『過去問』全部を解いた教え子もいましたよ。

e:今は昔の話ですか?

F:そこまでやらなくても受かるようになったんですね。

e:そこまでやるのは『灘』を受けるお子さんくらいですかね。

F:『灘』+『開成』+『筑駒』

e:+『麻布』?

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