expertFORUM 中学受験家庭教師-『萌の朱雀』-国語専科
<
にほんブログ村
p>
expert FORUM
河瀬直美 「萌の朱雀」
【MARCデータベースより】
恋しい人を想いながら、悲しみを抱えながら、幾千年も前の人たちも、あの山を見つめていたのだろうか。奈良の山村に暮らす家族。その静謐な日常をとおして、少女は受け継がれていく生の意味を知り始める。映画作品の小説化。
父を失ってしまった後の私たちの中で、よく考えてみれば一番冷静なばあちゃんが、実は一番深い悲しみを抱えているのではないか……。
私たちは全員、父の死によって必然的に自分を見つめなおすことを余儀なくされた。
それまで思いつめることもなくやりすごしていた自分のある部分を、今つきつめて考えなければ存在さえ危ういことに身をもって気づかされた。
確かでない自分には、何に対しても、何もできないことがわかりはじめた。そして自分が誰かや何かを大切にできないことを棚に上げて、確かに救ってもらいたい気持ちでいっぱいになる弱さも知った。
だからこそばあちゃんのいつもと変わりない態度の奥には、自らに対する厳しい強さと、私たちに対する深い愛があるのだ。
私はそんなばあちゃんに対して、返事をすることさえもできなかった自分を後悔した。
問 「返事をすることさえもできなかった自分を後悔した」とありますが、「私」が後悔するようになったのはなぜですか。
e: これは「父を失ってしまった後の私たちの中で」から
F: 「私たちに対する深い愛があるのだ」まで
e: ばあちゃんの気持ちについて
F: 「私」がどのように考えているのかが書かれてます。
e: 自殺した「私」の父はばあちゃんにとっては最愛の息子でしょう?
F: その息子を失ったわけですから……
e: ”悲しみのどん底”に今いること
F: 「私」は少しは気づいたのでしょうか?
e: 顔や態度に出さない分、どれだけ深い悲しみを味わうているか…
F: 「ばあちゃんのいつもと変わりない態度の奥には」
e: 「自らに対する厳しい強さと、私たちに対する深い愛があるのだ」ということに気づいた?
F: 「一番深い悲しみを抱えている」にもかかわらず
e: 「自らに対する厳しい強さ」と「深い愛」があることを知った。
F: ”家族愛”を強く感じたことで
e: 「何もなかったかのようにごく普通に」
F: 「どうしていつも何に対しても冷静で落ち着いていられるのだろう」
e: で、苛立ちさえ覚えていますね。
F: そういったばあちゃんにとった自分の態度を後悔したということですね。
e: 要するに、ばあちゃんを”誤解”してたんでしょ!しかし、十八歳の女性でばあちゃんの気持ち、解りませんかね……
F: 意外と”身内”の気持ちは理解できないんでしょうか?
e: ”灯台もと暗し”?
F: 気持ちの”読み取り”はやはり難しい?
e: 今は同居してないケースが多いですから
F: ますます読み取れない?
e: 生きてきた時代も違いますし
F: 当然、価値観も違ったりしますからね…
e: ところが、入試では”祖父母”が絡んできますからね…
F: ”祖父母”は物語の”主題”にも
e: ”影響大”!?
F: のこともあります。
e: しかし、この物語のように同居が
F: 必ず有利とは言えません。
e: ”灯台下元暗し”!?
F: ”もともと”ね……
ばあちゃんと栄ちゃんは縁側で静かに月を見上げていた。
「泰代ちゃんを実家に帰したろぅ思うんやけどぇ……」
ばあちゃんはたんたんと話していた。
栄ちゃんは幼き日に、自分の父や母とは別れて暮らしてきた。
「どう思うで?」
「うん」
静かな月夜に、私の心の声は大きく、かかえきれないほどに多かった。
問 「私の心の声は大きく、かかえきれないほどに多かった」とはどういうことですか。
e: これ、書けますか……?
F: どうでしょうか?
e: どういう場面ですか?
F: 「泰代ちゃんを実家に帰したろぅ思うんやけどぇ……」とありますね。
e: ばあちゃんが言っていますから
F: 「泰代ちゃん」は「私」の母です。
e: そこまでは解ります。
F: 「私」の母を実家に帰そうか、という話を「栄ちゃん」としています。
e: で、「どう思うで?」とまたばあちゃんはたずねてます。
F: 栄ちゃんは一言「うん」と帰しただけですね。
e: 「心の声」とは?
F: 大きく、かかえきれないほどに多かったとは?
e: ”ヒント”はあるんですか?
F: この後に、「自分は父の代わりを務めて皆を守る者になるのでなく、自分なりの自分しかできないやり方で、皆と共に生きてゆくのだということが、わかり始めていたのだった」とあります。
e: 「ばあちゃん」、「私」、そして「栄ちゃん」
F: 「私」たち家族は?
e: それぞれの……
F: 心の持ち様は?有り様は?
「映画、それは人生に似ている」河瀬直美
「映画を作るって本当に大変なこと。それは人生に似ています」
「私たちの人生にはたくさんの困難がある。お金とか服とか車とか、形あるものに心のよりどころを求めようとするが、そういうものが満たしてくれるのは、ほんの一部。目に見えないもの---誰かの思いとか、光とか風とか、亡くなった人の面影とか---私たちはそういうものに心の支えを見つけたときに、たった一人でも立っていられる、そんな生き物なのだと思います」(パレ・ド・フェスティバルでのスピーチより)
エラソー二の河瀬直美評
カンヌ国際映画祭で最優秀新人監督賞を獲得した作品を、監督自らが小説化したものである。失礼な言い方かもしれないが、映画のストーリー本として読んでしまうには、あまりにもったいない、いい小説である。過疎地を舞台に、一家族の愛と悲劇を静かに、静かに紡ぎだしている。こんなに静かなのになぜ深い感動が得られるのか、不思議でしょうがない。わらべ唄のようにしみる逸品。(by文弱ダダ・エラソーニの部屋より)
感性の知性化を追求する創造的言語グループ
SINCE 1987 NET TUTOR
expertFORUM (エキパートフォーラム)
eF恵比寿本部
℡ 090-1732-9873(代表直通)
代表: プロチューター 福田浩
E-mail expertforum1987@mail.goo.ne.jp
携帯mail text10doucoi1@softbank.ne.jp
携帯HP http://k.fc2.com/cgi-bin/hp.cgi/expertforum1987
・東京都渋谷区恵比寿西2-2-6
・平日土日午前9時~午後10時
どうぞお気軽にお電話またはメールを下さい。
すべては『三教科合格』のためにー過去問国語『満点』を目指す!!
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)


最近のコメント